「読書に馴染みがない人にもオススメの」「絶対に読むべき」必読のビジネス書をテーマに、1位から30位までのビジネス書ランキングを紹介します。今話題の起業家の著作や長く読み継がれる名作まで幅広く網羅する一方で、あまり知られていない隠れた名著もランクインしています。
それではさっそくビジネス書のベスト30をカウントダウンしていきましょう!
ビジネス書ランキング ベスト30
ビジネス書ってどれを読めばいいのか迷ってしまうほど溢れています。ですがこのオススメのビジネス書ランキングで紹介されている本は、発行部数ももちろんですが、ぼくが実際に読んでみて「間違いない」と思ったものを取り扱うので、あなたが読むべきビジネス書を見つけられるはずです。
30. 自分のアタマで考えよう (ちきりん)
ビジネス書を読む上で見逃せない著者の一人が、証券会社や外資系企業を経て社会派ブロガーとしてのポジションを確立したちきりんさんです。そんなちきりんさんの本でも特にオススメなのが『自分のアタマで考えよう』です。
世間の「常識」や真偽の判断がつきにくいニュースなどに振り回されないために、必要な考え方が誰にでもわかりやすいように書いてあります。とても身近な例を使って本質的な思考法が解説されている点は、ちきりんさんの文章術の真骨頂です。
評価: 3.9ちきりんさんのビジネス書は読書初心者でも読みやすく、その手軽さとは裏腹に、ビジネスの世界でも通用するしっかりした内容になっています。「自分の頭で考える」力は、あらゆる能力やスキルの土台になります。まずは『自分のアタマで考えよう』から考えるきっかけを作ってみてがいかがでしょうか。
29. 道は開ける (デール・カーネギー)
『人を動かす』と双璧をなすデール・カーネギーの代表作が『道は開ける』です。『人を動かす』が対人コミュニケーションにフォーカスした内容である一方で、『道は開ける』は自分が抱える悩みや不安を解決するための内容になっています。
本書では悩みを客観的に分析し、根本的な原因にアプローチするための具体的方法が提示されています。悩みやストレスの本質的な解決方法から、悩みや不安に振り回されないためのメンタルの持ちようまで、7章に分かれて28もの教えが収録されています。
評価: 3.9ぼくは『道は開ける』を読んでから、悩みや不安を長い時間引きずらなくなりました。それは問題解決の根本的な部分に目を向けることができるようになったからです。例えば平日の仕事で溜まったストレスや悩みを、休日に発散するというような解決方法は根本的な問題解決になっていません。正しく悩みに向き合う方法を一から学ぶましょう!
28. チーズはどこへ消えた? (スペンサー・ジョンソン)
『チーズはどこへ消えた?』は1998年にアメリカで出版された「ビジネス書入門」的な一冊です。100ページ弱の物語形式でとても読みやすいですが、学べる内容もビジネスや私生活でも大切な本質的なことだといえます。
登場人物は小人のホーとヘム、ネズミのスニッフとスカリーの4人(匹?)が、迷路の世界で食糧であるチーズを探す物語です。ところが、苦労して見つけたチーズがある日突然なくなってしまいます。このような大きな変化が起きたとき、どのような対応をすべきかという物語です。
シリーズの続編『迷路の外には何がある?』も合わせて読みたいオススメのビジネス書です。
評価: 4.0ビジネス書に馴染みがないという方には、優先してオススメしたいのがこの『チーズはどこへ消えた?』です。物語で出てくるチーズとは、現代に生きるぼくたちにとってはお金だったり愛だったり、かけがえのない大切なものと置き換えることができます。テクノロジーの発展やコロナなどの激変期を生きるぼくたちには深く刺さる学びが得られる一冊です。
27. 伝える力 (池上彰)
社会人になると会議やプレゼンなどのコミュニケーションや、メールや書類などの文章作成が必須になります。そこで求められる一定レベル以上の話す力や書く力を身につける上で、池上彰さんの『伝える力』は格好の入門書です。あれだけ難解なニュースなどを、誰でも理解できるように伝える秘訣とは何なのでしょうか。
本書では学校では教えてくれなかった「話す」「書く」「聞く」ための基礎が書かれていますが、これらの基礎を知らないと、つい難しく見えるような文章が上手くて賢い文章だと勘違いしてしまったりします。しかし本当に仕事ができる人は、難しいことを簡単に伝えます。このような基本から具体的なトレーニング方法が紹介されています。
評価: 4.0やはり伝えることにおいて池上彰さんの右に出る方はなかなかいないでしょう。池上さんも「週刊こどもニュース」という番組で、子ども向けにニュースを説明する機会に伝える力が向上したと言います。伝える力は今からでも身につくスキルです。本書は200万部以上売れていますが、身につけようと実践できている人はどれほどいるでしょうか。自分のものにするまでを意識して読んでみましょう!
26. 神・時間術 (樺沢紫苑)
「忙しくてやりたいことができない」「仕事の効率が悪い」と感じている人は必見です。精神科医の樺沢紫苑さんの『神・時間術』では、脳のパフォーマンスを高める生活術が紹介されています。
人間に与えられた時間は1日24時間と平等ですが、同じ1時間で発揮できる生産性は人によって異なります。ポイントは、朝・昼・夜の特徴を知ることと、生活で意識すべきちょっとしたコツです。もうだらだら仕事をしたり、寝坊したり、時間に追われるのは終わりにしましょう。
評価: 4.1著者自身が精神科医を務めながら、多くの著作活動や充実したプライベートを送る「神・時間術」を体現している方で、本書の説得力も格段に違います。ぼくも朝と夜の時間の特性を理解し、その時間に適切な仕事や勉強をするようになって継続して大きな成果が残せるようになりました。朝も早起きすることができるなど、生活ですぐに実践できるライフハック術が満載です。
25. 考具 (加藤昌治)
広告や企画、商品開発などのアイデアを求められる仕事をしている方にとっては、必読のビジネス書『考具』。著者は大手広告代理店で長年活躍する加藤昌治さんです。著者が仕事で培ってきた実用的なアイデア発想術、活用術が惜しげもなく体系的に紹介されています。
アイデアというのは偶然の産物でも特別な才能によって生まれるものでもなく、生み出す手順があります。アイデアを生み出す手順と、誰でもすぐに真似できる具体的に発想法。このような考えるための道具「考具」を知らなければ、丸腰で戦っているようなものだと教えてくれます。
評価: 4.1商品開発やコピーライターなど特別な職種出ない人でも、十分学ぶことがある一冊だと思いました。思考の幅を広げ、自由な発想をするための「武器」を身につけることは誰にとっても損ではないからです。机に向かってできること、歩きながらできること。手法が多様で、アイデアを生み出すのが楽しくなるようなビジネス書です。
24. 死ぬこと以外かすり傷 (箕輪厚介)
「何をすればいいかわからない…」「なかなか行動に移せない…」そんな漠然とした悩みがある方に、真っ先に読んでほしいのが『死ぬこと以外かすり傷』です。著者は、本が売れないというこの時代にビジネス書ブームを引き起こしたきっかけであるNewsPicks Bookレーベルの編集長・箕輪厚介さんです。
本書には、いち若手編集者が、見城徹、堀江貴文などのビジネス界トップの人間たちと仕事をするに至った仕事術や姿勢が書かれています。経験がなくても、特別な能力がなくても、とにかく行動を起こすよう奮い立たせてくれる若者必読のビジネス書です。
評価: 4.2個人的に最もお気に入りのビジネス書の一つです。歯に衣着せぬ物言いや自由な生き方から、世間の風当たりが強いときもありますが、若者が箕輪厚介さんから学べることは膨大にあります。「とにかく動け」というメッセージを投げかけてくれる一方で、「じゃあ次に自分が何をすべきか」が問われる超実用的な一冊です。
23. ニュータイプの時代 (山口周)
山口周さんが今訪れようとしている新時代に求められる人材像を定義したのが『ニュータイプの時代』です。本書は、山口さんの代表作『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』などの過去作も網羅した集大成的なビジネス書だといえます。
これまで評価されてきた「ルールに従い」「早く正解を導き出し」「生産性を上げる」ような人材を「オールドタイプ」と定義し、逆にこれから必要となる「自ら考え」「問題を見つけ出し」「遊びを盛り込む」ような「ニュータイプ」の特徴が紹介されています。これからの働き方、ひいては生き方を見つめ直す絶好の一冊です。
評価: 4.2ぼくたちが受けてきた教育の多くは「オールドタイプ」的な価値観に基づいています。たしかにそれが正しい時代もありましたが、ここで一度考えをアップデートしなければいけないと気づかされました。まだ間に合ううちに、自分にとって必要なもの、不要なものを見直しましょう。
22. 働き方5.0 ~これからの世界をつくる仲間たちへ~ (落合陽一)
ビジネス書といえば、今読んでおきたい著者の一人が落合陽一さんです。メディアアーティストとして知られる落合さんですが、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の代表を務め、筑波大学で教鞭をとるなど多分野で活躍しています。そんな著者の入門書ともいうべきが、この『働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ』です。
もともとは『これからの世界をつくる仲間たちへ』として出版されたビジネス書が、コロナ時代向けの記述などが加えられてアップデートされ、新書化されました。AIなどコンピュータが発展していく時代に、人間はどのように生きていくべきか。今からなにができるのかというヒントが詰まった一冊です。
評価: 4.2「若き天才」や「日本の宝」などと言われる落合陽一さんは、正直に言うと話や本の内容が難しいことも多々あります。しかしこの『働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ』は、とてもわかりやすく噛み砕かれた言葉で読める「落合陽一入門」だと思います。日本と自分の今後を考えたいという方には必読のビジネス書です。
21. ゼロ秒思考 (赤羽雄二)
『ゼロ秒思考』はマッキンゼーで14年間活躍した赤羽雄二さんのロングセラービジネス書です。「ゼロ秒思考」というタイトルに象徴されるように、速いスピードで問題解決をはかるメモ術が中心となって紹介されています。実践方法もシンプルな上に、ビジネスパーソンやアスリートにとって効果も絶大です。
必要なものは紙とペンだけで、今抱えている問題や不安を1分間だけ集中して紙に書き出すというものです。これを1日10枚継続することで、思考スピードを速くする訓練になります。もやもやしていた思考や感情が言語化されることで、自分でも思ってもいなかったような答えが出せるときもあれば、吐き出すだけで楽になることもあります。
評価: 4.2無理矢理1分間という制限内に頭を高速回転させることで、思考をアウトプットするゼロ秒思考。無駄に長い時間考えたからといって良い答えが出る保証はありません。まず最短時間で吐き出してみることで、最も効率的に答えを出すことができます。少なくとも書き出した後の頭がスッキリする実感は、とても気持ちいいものです。
20. 思考の整理学 (外山滋比古)
『思考の整理学』は1983年に刊行されて以来、40年近くにわたって250万部を売り上げる学術エッセイです。著者は大学などで教鞭を執った外山滋比古さんで、本書は「東大・京大で1番読まれた本」として愛されてきました。
自由でのびのびとした思考という軸で、考えるために必要なこと、アイデアを生み、活かす方法などが30項目以上で整理されています。「若いうちに読んでおきたかった」という声が多数聞かれる本書は、特に若者にオススメの「思考法」入門のビジネス書です。
評価: 4.3長年売れ続けるロングセラーですが、このAIなどが発達している世の中においても通用する、思考のありかたが提示されています。教科書を暗記するような思考ではなく、もっと自由で主体的な思考を育む大切さを教えてくれる一冊でした。
19. 読書の技法 (佐藤優)
本の読み方を学ぶのにオススメなビジネス書が佐藤優さんの『読書の技法』です。元外務省主任分析官などを務め、現在では主に作家として活動する佐藤さんは月に90もの締め切りを抱えています。その多作なアウトプットを裏付けているのが月300冊ほどの読書をこなす膨大なインプットにあります。
そんな佐藤優流の速読や、知識をしっかり自分のものにする熟読術が詳しく解説されています。また基礎知識を身につけるために読むべき本や、読書の注意事項まで読書とは何たるかが網羅されています。すでに読書を習慣に持つ方から、これから読書をはじめようと思っている方まで早めに読みたいビジネス書といえます。
評価: 4.3このエリアにレビュー本文を記入します。『読書の技法』で紹介されている「超速読」「速読」「熟読」を使い分けることで、ぼくの読書効率は飛躍的に向上しました。この使い分けの基準まで明確に説明されているので、ぜひ本書で身につけることをオススメします。
18. FACTFULNESS(ファクトフルネス) (ハンス・ロスリング/オーラ・ロスリング/アンナ・ロスリング・ロンランド)
2019年に発売されて以来、多くのビジネス書ランキングでトップに君臨する『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』は必読の一冊です。『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の最大の魅力は二つです。それは「絶対に言われないと気づかない思い込みを指摘してくれる」点と、「豊富な客観的データでわかりやすく説明してくれる」点です。
人は物事のポジティブな面よりもネガティブな面に注目しやすいという「ネガティブ本能」や、恐怖に包まれると判断力が鈍ってしまうという「恐怖本能」などを含め10の思い込み本能が紹介されています。不確かな情報や誤ったニュースなどに惑わされないために、ぜひ知っておきたい知識が詰まっています。
評価: 4.3特に近年はフェイクニュースなども増えているだけでなく、新型コロナウイルスなどで誰も未来が予測できない時代になったことが明らかになりました。そうした中では冷静に正確な判断をする必要があり、人間が持つ思い込み本能を自分の頭でコントロールする力が必須となります。その助けとなるビジネス書が『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』です。
17. 思考は現実化する (ナポレオン・ヒル)
ナポレオン・ヒル著『思考は現実化する』は1937年にアメリカで出版された、世界的に最も有名な自己啓発本といえます。世界中で7000万部以上を売り上げるこのロングセラーは、アメリカの鉄鋼王・アンドリュー・カーネギーの要請で著者が成功哲学を研究し尽くした成果です。
「成功とは何か」という本質から、「成功をつかむために具体的にすべきこと」までが本書に書かれていて、世界中の偉人たちや現代の若者まで大きな影響を与えています。中でも「願望実現のための6ヵ条」は必読です。
アクション・マニュアルつきのハードカバー単行本と、上下巻に分かれた文庫本があるので、自分の読書スタイルに合ったタイプを選びましょう。
評価: 4.3ビジネス書や自己啓発本を数多く読んできましたが、『思考は現実化する』に影響を受けているであろう本は無数にあると感じます。「原点」であり「原典」ともいえる本書は、手当たり次第に読んだ何十冊よりも価値があります。少し厚い本ですが、目次を見て気になるところだけでも読むと学ぶことは多いでしょう。
16. ロジカル・シンキング (照屋華子/岡田恵子)
論理的思考力を身につけたいと思ったらまず読むべきビジネス書が『ロジカル・シンキング』です。著者は外資系コンサルティングのマッキンゼーにて「エディティング」という文章の専門的な仕事に特化してきた照屋華子さんと岡田恵子さんで、ロジカルシンキングについては「これまでの経験から訓練を積めば誰でも身に付けられると確信する」と述べられています。
論理的に書いたり話したりするための基本である、漏れなくダブりなく考える「MECE」や論理の飛躍を防ぐ「So What?/Why So?」などがていねいに解説されています。まさに基礎から応用まで学べる、ビジネスパーソン必携の一冊です。
評価: 4.3「ロジカルシンキング」「論理的思考」をテーマにしたビジネス書では、バーバラ・ミント著『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』も有名ですが、個人的には『ロジカル・シンキング』の方が日本人には馴染みやすいかなという印象を持ちました。
15. 独学の技法 (山口周)
『独学の技法』は2017年に出版された、山口周さんによる「独学」がテーマのビジネス書です。インターネットが発達し、あらゆる情報に誰でもアクセス可能になりました。AIなどのテクノロジーが発展し、人間のスキルは相対的に価値が下がってしまうかもしれません。今の時代に必要なのは自分の力で新しいことを学び続けていく「独学力」です。
社会人以降の独学の重要性から、効率的な独学方法を具体的な手順を示して解説してくれます。独学によって外資系コンサルの最前線で活躍するに至った著者自身の経験をもとにした知的生産術は必見です。「武器になる教養書」として11ジャンル99冊の書籍紹介も本書の魅力の一つです。
評価: 4.4社会人になって勉強をしなくなったという人は注意が必要です。学んだ知識やスキルはかつてないスピードで陳腐化してしまう現代において、新しいことを次々に学び直していくには独学こそが最も効果的な学習方法です。そして独学にオススメの書籍リストも著者によって紹介されているのも『独学の技法』のポイントです。
14. 金持ち父さん貧乏父さん (ロバート・キヨサキ)
「今も将来も経済的に不安がある」と思ったら真っ先に読むべきが『金持ち父さん貧乏父さん』です。「お金」がテーマになっているビジネス書は数えきれないほどありますが、中でもロバート・キヨサキさんが書いた『金持ち父さん貧乏父さん』は、お金の基本と実践を学ぶことができる良書といえます。本書はもともとアメリカで1997年に出版され、2000年に日本に上陸してからも長く愛される一冊です。
著者の実の父である「貧乏父さん」と友人・マイクの父「金持ち父さん」という2人の人物を対比して、経済的な成功をおさめるために大事なことを教えてくれます。「必死に働いても、どんなに節約してもお金が貯まらない」という悩みを持つ人は多いと思いますが、そこには決定的な原因があります。お金の本質的な知識を今からでも、学び直すのにオススメのビジネス書です。
評価: 4.4「家は資産か?それとも負債か?」本書で投げかけられるこの疑問はとても本質的です。「当然何千万円もした家は資産に決まっている」と考えて疑わない人は、現代の罠にかかっているかもしれません。お金持ちになるというのは大げさに聞こえるかもしれませんが、少なくともお金に苦労したくなければ知っておくべきことがここに書いてあると感じました。必死で働くよりも、優先すべきことがあると気づくはずです。
13. ゼロ (堀江貴文)
現代のビジネス書という分野でトップの人気を誇るのがホリエモンこと堀江貴文さんです。「仕事術」から「お金」「スマホ」「時間術」など数多くのテーマでビジネス書を出版する堀江さんの中でも、最も著者の思考や生き方の本質が濃く詰まっているのが『ゼロ』です。人生において絶頂とどん底を経験した著者が、2013年に釈放された直後に執筆された一冊がこの『ゼロ』なのです。
本書では、家庭環境を含む少年時代、学生時代、起業からの逮捕、刑務所生活、そして現在に到るまでの半生が綴られています。その中で著者の研ぎ澄まされた思考、お金や時間、仕事に関する価値観が読み取れるのが『ゼロ』です。堀江貴文さんの本の中では圧倒的に優先して読むべき一冊だといえます。
評価: 4.4堀江貴文さんというと、ロケット飛ばして和牛食べてゴルフしてと自由気ままに生きている。歯に衣着せぬ物言いで世間を騒がす。そんなイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。しかしいかに彼の発言が本質的で、理にかなった生き方をしているかということが、冷静に見るとわかるのです。それを教えてくれたのが『ゼロ』でした。
12. 地頭力を鍛える (細谷功)
『地頭力を鍛える』は2007年に出版されて以来、多くのビジネスパーソンの思考の基本を養ってきたビジネス書です。著者はコンサルティングの世界で長年活躍してきた細谷功さんで、コンサルの問題解決の手法の一つである「フェルミ推定」を使って思考の鍛え方を解説します。
フェルミ推定とは「日本全国に電柱は何本あるか」「世界中にサッカーボールはいくつあるか」など想像もつかないような問題に、答えを出すためのフレームワークです。その手法を通して、「地頭力」を構成する「結論から」「全体から」「単純に」考える力を実践的に学ぶことができます。
評価: 4.5「地頭力」とは自分の頭一つで勝負できる思考力です。これは先天的なものではなく、今からでも鍛えることができます。ぼくは「結論から」「全体から」「単純に」考える重要性に気づいたことで、仕事の多くの場面で効率が良くなりました。根本的に仕事が早くなるのを実感できたのです。少なくとも、5~7章だけでも多くの人に読んでほしいと思います。
11. シン・ニホン (安宅和人)
2020年に出版されて話題となったビジネス書『シン・ニホン』は、テクノロジーによる世界の激変と日本の立ち位置を客観的に分析した「令和の必読書」です。著者はマッキンゼーを経て、ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)や慶應義塾大学 環境情報学部教授などを務める産・官・学を知り尽くした安宅和人さんです。
「AI×データ時代における日本の再生と人材育成」という副題のとおり、AI×データが発展したこの時代を生き抜くために、国レベルの課題、個人レベルでできることがわかりやすく書かれています。GoogleやAmazonなど海外の巨大IT企業が日本をも席巻する中で、一歩出遅れた感がある日本。しかし、日本の真髄を見るのはここからのフェーズだと示してくれる一冊。
若者はもちろん、子供や孫などの次世代のため日本のためを想う全ての人が読むべきビジネス書としてここにオススメします。
評価: 4.5正直に言うと、決して読みやすい本ではありません。難しいとまでは言いませんが、少し内容が濃密かつ厚めの本なので、読むのに時間がかかるかもしれません。ですが、これからの日本のこと、自分の人生のことを考える上で重要なことが書かれています。「令和の必読書」だと思っています。
10. 嫌われる勇気 (岸見一郎/古賀史健)
『嫌われる勇気』は2013年に出版されて以来、長く読み続けられているロングセラービジネス本です。心理学の三代巨頭の一人アルフレッド・アドラーが創設した心理学「アドラー心理学」をベースに、現代人が抱える悩みや不安を解決するために書かれた本といえます。
幼少期から自分に自信を持てない青年とアドラー心理学に基づいてカウンセリングを施す哲人との対話形式となっており、とても読みやすいのも本書の特徴です。青年が感じる悩みは、現代に生きる多くの人が共感できるものであり、アドラー心理学の特徴はその悩みに「具体的な処方箋のような答え」を提示してくれる点にあります。
タイトルはすこしインパクトが強いですが、折れないしなやかなメンタルを育むきっかけを与えてれるような一冊としてオススメです。
評価: 4.6全ての悩みは対人関係にあると主張するアドラー心理学。思ってみれば「背が低いのがコンプレックス」「頭が良くない」などの個人的とも思える問題は、「誰かと比べて背が低い、頭が良くない」と思うのであって、それも結局は対人関係なんだと気づきました。でも「そんな悩みは不要だな」と前向きになれるビジネス書です。
9. 僕は君たちに武器を配りたい (瀧本哲史)
『僕は君たちに武器を配りたい』は主に若者に向けた「これからの時代を生き抜く術」を身につけるヒントが得られるビジネス書です。著者はエンジェル投資家として活躍する一方で、京都大学客員准教授として教鞭を執ったり、その他書籍や講演を通して若者にエールを送り続けてきた瀧本哲史さんです。そんな瀧本さんは2019年8月、惜しくも47歳という若さで他界してしまいましたが、『僕は君たちに武器を配りたい』は中でも代表作として知られる一冊です。
テクノロジーが発達すると同時にモノで溢れる今の時代には、商品も人材もコモディティ化しがちです。その仕事を自分がやる意味が見出し上に、今後はAIなどの発展で人間がその仕事をやる理由すらなくなることも考えられます。そのような状況で生き残れる人材はどのようなタイプなのでしょうか。
本書では人材を大きく6つのタイプに分類し、生き残れるタイプと生き残ることができないタイプに区別して解説しています。タイトルどおり、これから身につけるべき「武器」が見つかるビジネス書です。
評価: 4.6これからの時代を担う若い年齢層はもちろん、将来に不安を感じている全ての方にとって必読の一冊です。世の中ではどのような価値が高まっていて、自分の価値を高めるにはどうすればよいかという大枠が理解できました。「エッセンシャル版」という文庫サイズに凝縮されたものも出ているので、そちらもオススメです!
8. 考える練習帳 (細谷功)
2017年に刊行された『考える練習帳』はタイトルからもわかるとおり、「自分の頭で考える」ための入門書です。著者はビジネスコンサルタントとして長年活躍する細谷功さんで、思考法をテーマにビジネス書を数多く出版しています。
全てのスキルや仕事術の根幹にあるのが、この自分の頭で考える力であり、今後AIなどが発展していく時代においても最も重要な力であり続けるでしょう。そんな考える力の重要性から、その力をどのように鍛えていけばいいのかが体系的にまとめられているのが『考える練習帳』です。
「自分の頭で考える」ことができる人は一部です。「自分の頭で考えているつもりになっている人」や「そもそも自分の頭で考えることの意味さえ認識していない人」が大半なので、まずはその状態から抜け出すきっかけとしても必読の一冊です。
評価: 4.7なんとなく普通より高い水準の大学を選び、安定した企業に入社するという経歴を持つぼくは、これまで自分の頭でそれを決めてきたつもりでいて実は「何も考えずにレールの上を走っていた」だけでした。そう気づいたきっかけが本書であり、出会ったときは全身に衝撃が走るようでした。この本に出会えただけでも、すでに人とは違ったスタートラインに立つことができる一冊だと思います。
7. 人を動かす (デール・カーネギー)
1937年に出版されたデール・カーネギーによる『人を動かす』は、世界中で1500万部以上(日本だけでも500万部以上)を売り上げるビジネス書の名著です。ビジネスにおけるコミュニケーションスキルがテーマのビジネス書の先駆け的な本で、時代を超えて共通する本質が書かれていることが長く読まれる大きな理由でしょう。
対人関係において「動かす」「好かれる」「説得する」「変える」ためのコミュニケーション術が各章に分かれて解説されています。職場の上司や部下との関係構築はもちろん、日常の家庭から友人関係にまで応用できる一生モノの知恵がこの一冊に凝縮されています。
簡単に行動に移せるものも多いので、自分の立場に置き換えながら読んでみるとより効果的です。
評価: 4.7「コミュニケーション術といえばこの一冊」とまで言える一冊です。一時代前のアメリカのビジネス書によく見られる豊富な具体例は、物事をわかりやすく理解する手助けになる一方で、少し遠回しに感じることもあります。ただし、あまり身近に感じない例の方が、しっかり理解するために自分の立場に落とし込んで考える癖がつきやすいので、結果的に得ることがとても多いビジネス書だという印象です。
6. 苦しかったときの話をしようか (森岡毅)
『苦しかったときの話をしようか』は就活生から、転職を考える会社員までキャリア形成に悩む全ての人が読むべきビジネス書です。
著者の森岡毅さんは、あの有名テーマパークUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を窮地から救ったマーケターとして知られ、高等数学を用いた独自の戦略・マーケティング理論を形成し、数々の革新的なアイデアを生み出す戦略家です。そんな著者が就活に悩む実の娘に向けて残した手紙を書籍化したのが本書です。そのためメッセージ一つひとつに温かさと信用を感じることができます。
自分の強みを活かした仕事を見つけるための具体的な手順から、市場価値を意識した自分のマーケティング方法まで学生でもわかるようにていねいに解説されています。
評価: 4.8個人的に今年読んだ本の中ではベストの一冊に入れたいのが本書『苦しかったときの話をしようか』です。「やりたいことが見つからない」「自分の強みがわからない」「現状の仕事に満足できない」などの悩みを抱える全ての人に、全力でオススメしたい一冊です。
5. ソース (マイク・マクマナス)
ベストセラーとして知られる本ではなく、隠れた名著としてランクインさせたいのが1999年に出版された『ソース』です。本書を簡単に説明すると「自分のしたくないことのために無理するのはやめ、自分らしい生き方を探しましょう」というものです。「仕事を辛いものだ」と無意識的に我慢をしている人には、深く刺さるメッセージでしょう。
今でこそ「好きなことを仕事にして生きていくべきだ」という論調は強くなってきましたが、それを20年も前から主張していた本書は、現代を生き抜くヒントに満ちています。自分のワクワクの根源、つまりソースに目を向け、それを主体に生活を送るのが本書を読む目的です。
好きな仕事をどうやって見つけるのか、好きなことをどのように生活に落とし込んでいくのか、という実践的な内容を実例やツールを用いて学ぶことができます。
評価: 4.8『ソース』は、ぼくも元から知っていたわけではなく、Kindle Unlimitedの読み放題サービスを利用して本を乱読しているときにたまたま出会った一冊です。深い共感の連続で、どんどん読み進めていったのを覚えています。何度も読んで、悩んだ時には立ち戻りたいと思えるビジネス書です。
4. メモの魔力 (前田裕二)
2018年に出版され、2019年に最も読まれたビジネス書にも輝いた『メモの魔力』は、「知的生産」と「自己分析」のためのメモ術を紹介した本です。すでに発行部数は60万部を超え、今後も長く読まれ続けるビジネス本でしょう。
著者の前田裕二さんは動画ストリーミングサービスSHOWROOMの創業者であり、現在でもビジネスの最前線で活躍する起業家です。幼少期に両親を失った著者が壮絶な人生を生き抜くために使ってきた、オリジナルメモ術について詳しく紹介されています。あらゆる事象の本質を抽出し、応用する「ファクト→抽象化→転用」というメモ術が、誰にでも活用できるよう体系化されています。
また巻末付録の自己分析1000問は、「本当にやりたいこと」や「自分の人生の軸」を見つけるのに最適なツールです。これを利用して、就活生はもちろん、人生を豊かにしたい全ての人が自分と真剣に向き合うチャンスを与えてくれる一冊です。
評価: 4.9著者が言うように『メモの魔力』のメモ術は人生を変える力があります。ぼくが本の魅力を多くの人に伝えたいと考えるようになったのは、『メモの魔力』の自己分析がきっかけでした。メモという努力は必要ですが、必ず人生に影響を与えてくれるはずです。「やりたいことを見つけたい」「アイデアを生み出したい」という方は、ぜひ本書を一読してみてください。
3. 夢をかなえるゾウ (水野敬也)
水野敬也さんの人気シリーズの第一作『夢をかなえるゾウ』は、その読みやすさと濃密な内容を兼ね揃えていることから上位にランクインしました。小説スタイルで構成されていて、ストーリー単体だけでも楽しめる上に、ビジネスパーソンにとって大切な基本を学べるのが魅力です。
なんとなく現状に不満を抱く会社員の主人公のもとに、インドの神様ガネーシャが現れることで物語は動き出します。これまで数多くの偉人たちを育てたと話すガネーシャが、人生における成功を掴むために主人公に毎日一つ課題を与えていきます。なぜその課題が大切なのかも語られていくので、説得力も増します。
ビジネス書は行動に移してはじめて価値を発揮するといっても過言ではありませんが、この主人公に自分を重ね合わせて、毎日の課題を自分でも実行できるのが『夢をかなえるゾウ』の強みです。
評価: 4.9「靴を磨く」「募金をする」など課題をやるだけで人生は変わらないんじゃ?とぼくも思っていました。しかしガネーシャから与えられるこれらの課題にはしっかり大事な意味があるのです。この「夢をかなえるゾウシリーズ」は現在、第四部まで出ています!
2. 論語 (孔子/金谷 治訳注)
現代における汎用的な学びを得られるという点で、古典の名作『論語』をビジネス書と捉えたいと思います。春秋時代の中国の思想家である孔子とその弟子たちの言葉をまとめた「四書」の一つである『論語』は現代でも多くの人に読まれる古典です。
孔子とその弟子たちが残した言葉には抽象的な言葉が多いですが、だからこそ現代にも応用できる本質を見出すことができます。普遍的に人として大切にすべきこと、リーダーとしての心構え、仕事の姿勢などに関するヒントで満ちています。
この岩波文語版でも十分に読みやすい現代語訳がついていますが、その他にも齋藤 孝さん訳の『論語(ちくま文庫)』や高橋源一郎さんの『一億三千万人のための『論語』教室(河出新書)』もオススメです。
評価: 5一見敬遠されがちな古典的なビジネス書ですが、想像とは裏腹にとても読みやすいのがこの『論語』です。ビジネスの世界でもあらゆる経営者が参考にする孔子の思想から学べることはあまりに膨大です。今自分が抱えている問題を解決するきっかけが見つかるはずです!
1. 7つの習慣 (スティーブン・R・コヴィー)
『7つの習慣』は1989年にアメリカで出版されて以来、世界で4,000万部以上を売り上げる「ベスト・オブ・ビジネス書」ともいえる本です。著者のスティーブン・R・コヴィーが戦後出版されたあらゆるビジネス書を研究しつくして完成させた一冊です。
「私的成功」に関する3つの習慣と「公的成功」に関する3つの習慣に加え、それらを研ぎ澄ます第7の習慣で構成される「7つの習慣」が本書のテーマです。仕事から私生活まで人生全体において、根本的に大切な人格形成を学べます。
学生から、若手・中堅のビジネスパーソン、さらにはシニア世代とあらゆる世代にとって必読のビジネス書がこの『7つの習慣』です。
評価: 5どのビジネス書を読めばいいか迷っている方に、とにかくオススメしたいのが『7つの習慣』で「とりあえずこれだけ読めばいい」とさえ思っています。「手に入れたい成功」や「なりたい人間像」を明確にし、そのために必要なことを実行するための全てが詰まった本です。
最後に
歴代ビジネス書ランキング ベスト30はいかがでしたでしょうか。30冊でも選ぶのに迷ってしまうくらい魅力的なビジネス書は多いのですが、特にオススメしたい本を厳選しました。
これからも圧倒的にオススメできるビジネス書に出会ったときは、都度更新していきたいと思います。ビジネス書で、明日を少しでもより良いものにしましょう。
それでは楽しい読書ライフを!
<<こちらも読まれています>>
社会人になって間もない20代は知的好奇心が旺盛で、学びの吸収が早く、その後の30~40代以降の仕事体力の基礎を築く大事な時期です。 「若さ」という武器で多くの新しいことにチャレンジし、まだまだ失敗が許容される時期でもあります。そんな人[…]
自分の成長や問題解決を目的に読まれる自己啓発本ですが、近年ではビジネスパーソンのみならず学生やシニア層まで幅広く読書の対象になっています。ここでは必読のベストセラーから新定番のタイトルまで、おすすめの自己啓発本を15冊ランキング形式で発表し[…]
アメリカの名門大学トップ10の学生が課題図書として読んでいる本をランキング形式で紹介します。 世界を見渡しても、大学のランキングはアメリカがトップを独占しています。ハーバード大学1位、マサチューセッツ工科大学2位、スタンフォード大学3[…]
【関連記事】
毎年、ビジネス書の1位を決めるイベントが各方面で行われています。ここでは年間で最も優れたビジネス書を選考する主要な賞やランキングを3つ紹介します。 読者はもちろん、書店員やビジネス界の人間によって選ばれるビジネス書は、それだけ読まれる[…]
これまで100冊以上は触れてきてわかったおすすめの英語学習書を、単語・リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの各セクションごとに紹介します。 レベルは、「まったくわからないわけじゃない」けど「英語ができると自信が持てるわ[…]
Amazonで状態の良い中古本を選ぶコツを解説します。 「本を安く買いたい」 「もう普通では手に入らない絶版本が欲しい」 そんなときに便利なのが中古本ですよね。一方で中古本にはこんな不安もあると思います。 「本の状態がひ[…]