アメリカの名門大学トップ10の学生が課題図書として読んでいる本をランキング形式で紹介します。
世界を見渡しても、大学のランキングはアメリカがトップを独占しています。ハーバード大学1位、マサチューセッツ工科大学2位、スタンフォード大学3位をはじめ、トップ10位のうち8校がアメリカの大学となっています(U.S. News & World Report 調べ)。
一方で日本が誇る東京大学の順位は73位、京都大学125位というランキングに位置しています。
そのような日米の大学レベルの差として最も顕著に見られるのが、学生の読書の量と質です。アメリカの大学は入学よりも卒業の方が難しいと言われることがありますが、とにかく日頃読み込む書籍や論文の量が膨大です。もちろんそこには多くの古典や学術書が含まれます。
では一体その世界トップレベルの学生たちはどのような本を読んでいるのでしょうか。ここでは以下の全米トップ10の大学で読まれる課題図書ランキングを1~10位まで紹介します。
トップ10の大学の総合ランキングに加え、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学それぞれの課題図書ランキングも一覧にしました。
多くが邦訳で読める本なので、世界最高峰の教養を身につけるべく、これを機に手に取ってみてはいかがでしょうか。
全米トップ10大学の課題図書 総合ランキング
1位. 国家 (プラトン)
ソクラテスを師とした古代ギリシアの哲学者・プラトンが国家そのものの原理を追求した『国家』。邦訳は岩波文庫から上下2巻で出版されています。
2位. リヴァイアサン (ホッブズ)
『リヴァイアサン』は17世紀イングランドの哲学者・トマス・ホッブズによって1651年に刊行された政治哲学書。邦訳は岩波文庫から4巻構成で、光文社古典新訳文庫から2巻構成で読むことができます。
3位. 君主論 (マキアヴェッリ)
『君主論』は1532年に発行されたルネサンス期イタリアの政治思想家・ニッコロ・マキャヴェッリによる古典政治書。主な邦訳は、岩波文庫、中公文庫、講談社学術文庫、光文社古典新訳文庫があります。
4位. 文明の衝突 (サミュエル・ハンチントン)
『文明の衝突』は、現代の米国政治学者・サミュエル・ハンチントンによる1996年の国際政治学書。邦訳は集英社文庫による上下巻で読めます。
5位. 英語文章ルールブック (ウィリアム・ストランク/エルウィン・ブルックス・ホワイト)
『英語文章ルールブック』は1920年に出版されて以来、学生を中心にアメリカで広く読まれる英語ライティングの基礎書。邦訳は1985年に荒竹出版によって刊行されていますが現在は絶版。原書でも英語がシンプルなので、最低限の英語レベルがあれば読めると思われます。
6位. Ethics (アリストテレス)
Ethicsは学者によって古代ギリシアの哲学者・アリストテレスの「倫理学」と「政治学」がまとめられた一冊。本書自体は未邦訳ですが、一般的に読まれるアリストテレス著『ニコマコス倫理学』に相当するものと考えてよいでしょう。『ニコマコス倫理学』は主に岩波文庫の上下巻や光文社古典新訳文庫の上下巻で日本語訳を読むことができます。
光文社古典新訳文庫の『ニコマコス倫理学』はKindle Unlimimtedの読み放題対象です。Kindle Unlimitedは無料体験期間内の退会も可能ですので、これを機にお試ししてみては?
7位. 科学革命の構造 (トーマス・クーン)
『科学革命の構造』はアメリカの哲学者、科学者として知られるトーマス・クーンによって書かれ、1962年に出版された科学史の本。邦訳は1971年にみすず書房から出版されています。
8位. アメリカのデモクラシー (トクヴィル)
『アメリカのデモクラシー』は、フランス人の政治思想家・アレクシ・ド・トクヴィルによって書かれた、アメリカの民主制についての古典。第1巻は1835年、第2巻は1840年に刊行。主な邦訳は、岩波文庫から第一巻、第二巻ともに上下巻から成る計4冊で出版されています。
9位. 共産党宣言 (マルクス/エンゲルス)
『共産党宣言』は1848年に出版された、カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによる共産主義についての本。主な邦訳は、岩波文庫や光文社古典新訳文庫などがあります。
10位. 政治学 (アリストテレス)
『政治学』は、同じく古代ギリシアの哲学者・プラトンになどに影響を受けたアリストテレスによる、古代全8巻から成る古典。主な邦訳は1961年に岩波文庫から、2001年に京都大学学術出版会から出版されています。
ハーバード大学の課題図書 トップ10
マサチューセッツ工科大学の課題図書 トップ10
スタンフォード大学の課題図書 トップ10
古典を読むための入門書
アメリカのトップ10の大学だけあって、決して読みやすいとは言えない古典的な哲学書やその他専門書が多く見られます。これらの名著は、解説書なども多く出ています。
哲学入門としておすすめは、ゼロからかつ本格的に学べるPHP文庫の『世界十五大哲学』です。
NHKの人気シリーズが書籍化された「NHK 100分 de 名著」も、古典などを読むにはおすすめです。上記の課題図書10冊のうち、今のところ、『君主論』が解説されています。
さらに漫画から入るという選択肢もあります。「まんがで読破」シリーズはKindle Unlimitedの読み放題対象書籍なので、無料で読むことができます。
多くの本を多読するのもよいですが、これを機にインプットの質を見直し、少ない良書を時間をかけて味わってみるのもよいでしょう。
それでは楽しい読書ライフを!
出典:「These are the books students at the top US colleges are required to read」https://qz.com/602956/these-are-the-books-students-at-the-top-us-colleges-are-required-to-read/
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