- 自分を変えたいなぁ
- 何をやろうとしても続かない…
- 難しそうな本は苦手だけど、読書したいな〜
- ビジネス書って抵抗あるけど、楽しく読めるものはないかな?
この中のいずれかに当てはまる人に絶対にオススメしたい本があります。その名も『夢をかなえるゾウ』です。今や大人気作家となった水野敬也さんの代表作で、2008年に小栗旬さん主演でドラマ化もした作品です。
この本の魅力をひと言で伝えると「一番ためになって一番面白いビジネス書」だと言えます。
小説のような物語がベースの本ですが、ビジネス書に書いてあるような、とても有益なアドバイスや考え方で満ちています。現状に不満を覚え、「変わりたい」と思っているごく普通の主人公とインドの神様「ガネーシャ」の二人が物語の軸になるのですが、この主人公に強く共感し、自分の姿を重ねる人も多いと思います。僕もその一人です。
『夢をかなえるゾウ』の物語の冒頭で、主人公は以下のように語ります。この部分を読むだけで「あーまさにこれは自分と同じだ」と思う人もおおいのではないでしょうか。
今まで、僕は何度も何度も、変わろうと決心してきた。目標を決めて毎日必ず実行しようと思ったり、仕事が終わって家に帰ってきてからも勉強しようとするのだけど、でもだめだった。「やってやる!」そう思ってテンションが上がってる時はいいけれど、結局何も続かなくて、三日坊主で終わってしまって、もしかしたら「やってやる!」って思った時より自分に対して自信を失っていて……そんなパターンばっかりだった。
そんな主人公を救うべく現れたガネーシャは、これまでビル・ゲイツやエジソン、ナポレオン、釈迦でさえも自分が教育してきたと主人公に自慢します。そんな偉人たちを「ビル・ゲイツくん」などと呼べる設定がもうすでに少し笑ってしまうのですが、笑いあり、感動ありのエンターテイメント小説としてだけでも十分楽しめます。
さらに真骨頂は、毎日ガネーシャが主人公に対して出すお題やその意味がとにかくためになるのです。しかもすぐに簡単に実行できることばかりなので、主人公に自分を投影して読むことができます。
全てを実行することは大変だと思いますが(ちょっとがんばればできますが)、この本を読んでいくつか実行することに大きな意味があると思うのです。読書は基本「読んで満足」の人が多いのが現実ですが、本書は数少ない「無理せず行動を促す」良書です。
巻末にある参考文献を見ても、名だたるビジネス書がずらりと並んでいるので、本書『夢をかなえるゾウ』はまさに名著のエッセンスが凝縮された一冊と言えるでしょう。
『夢をかなえるゾウ』はどんな内容?
「すげー普通の会社員」で変わろうとしても変われない主人公のもとに、ガネーシャというインドの神様が現れます。インドの神様が関西弁でユーモア溢れる口調で話すのとは裏腹に、主人公に対して毎日「人生を変える」ための課題を出していきます。
ときには、「運が良いと口に出して言う」や「お墓参りに行く」というような一見スピリチュアルなお題もありますが、それも全て納得のいく理由を教えてくれるのです。
ガネーシャがきてから波乱万丈の生活が待ち受けていますが、舞台はあくまで日常なのでとても身近に感じつつ、「これなら自分にもできる」と思わせてくれます。単純に物語としてもドラマを見ているかのように楽しめる、小説風ビジネス書です。
靴を磨くはなぜ大事?
それでは少しだけ、ガネーシャが教えてくれる学びの中で特に心に残った要素を紹介していきます。これは主人公が一番初めにガネーシャから出されるお題なのですが、あなたならこんなことを言われたら、どう考えるでしょう?
「人生変えたければ靴を磨け」
よく靴を磨くことは大事と聞くけれど、「靴を磨いて人生が変わるなら、みんな磨いてるよ」とか「はいはい、そういう細部に気を使うことは大事ってことね」と思う人も多いかもしれません。実際に主人公も「そんなことで人生は変わらない」と考えます。
しかしこの「靴を磨く」ことには、自分を変えるため、人生を変えるための本質がいくつも詰まっていることをガネーシャは教えてくれます。ポイントは三つあります。
まずポイントの一つは「人の言うことを素直に聞く」ということです。「そんなことで自分の人生は変わらない」と多くの人が思うようなお題をガネーシャは最初にあえて出したのだと思います。
「自分にやり方であかんのやったら、人のいうこと素直に聞いて実行する以外に、何か方法あんの?」
これまであまり上手くやってこれなかったり、思うような人生を送れていないと感じる人は、これまでやってきたことの積み重ねの結果です。それで上手くいってないなら、何かを変えなきゃいけない。その場合、最も手っ取り早い方法が、「人の言うことを素直に聞く」ということだということです。
また、僕はガネーシャのこの言葉にとても心が動かされました。
「自分が会社行く時も、営業で外回りする時も、カラオケ行ってバカ騒ぎしてる時も、靴はずっと気張って支えてくれとんのや。そういう自分支えてくれてるもん大事にできんやつが成功するか、アホ!」
二つ目のポイントは「身近なものに感謝する」ことです。言い換えると「当たり前を当たり前と思わない」「足りないものにばかり目を向けない」ということです。
身の回りにあるモノ、ともだちや、恋人、親、日々出会う人、動物、空気や水、緑、それもこれも全部、自分が生きるために存在してくれてるもんや。当たり前のようにそこにあるけど、ほんまは有難いものなんや。
ついつい僕たちは忙しい日々の中で、不満やイライラを感じてしまうことがあります。しかし全てのものは、あなたを幸せにするために存在してくれていると考えると、頭を殴られたかのように物事の捉え方が変わります。
上記のように身近なものの例に靴がありますが、あなたの最も身近なものってなんだと思いますか?
…
……
………
そうです!あなた自身です。
三つ目のポイントは「自分を褒める」ことです。最近よく、ポジティブ思考が大事とか自己肯定感という言葉を耳にしますが、まさにこれですよね。
その日、何か嫌なことがあったり失敗してしまうことももちろんあるでしょう。しかしそんなとき反省するだけ、自分を責めるだけの人ってけっこういるのではないでしょうか。
そうではなく、寝る前にその日一日を振り返って、「自分よくやったな」と思えるポイントを探しましょう。そして自分を褒めてあげましょう。
「これからはな、毎日寝る前に、自分がその日頑張れたこと思い出して、『ようやったわ』ってホメるんや。一日の最後はな、頑張れんかったこと思い出して自分を責めるんやなくて、自分をホメて終わるんやで。そうやってな、頑張ったり成長することが『楽しい』ことなんや、て自分に教えたるんや。」
明日からはじめよう!
それでは『夢をかなえるゾウ』から得るべき、明日からできる行動は、こちらです。
その日頑張れた自分をホメる
本当に学びがありすぎるので、どれか一つということは難しいのですが、「自分を変える」「人生を変える」ための第一歩としてはこれが最適だろうと判断しました。寝る前に1分でも2分でもいいので、その日の良いところを振り返ってみましょう。そして「自分よくやったな」と自分をホメ、「自分ありがとう」と自分に感謝しましょう。
他にも学べること
- 決めたことを実行し続ける方法
- やりたいこと見つけるための方法
etc.
『夢をかなえるゾウ』には合計約30個のガネーシャからのお題が収録されています。本書を読むと、一つだけではなくいくつも共感したりやってみようと思うことが出てくると思います。本を読み進めながら、主人公と同じペースで1日1つお題をこなしていくのもいいかもしれません。
どんな仕事をしている人でも(仕事をしていない人でも)、どんな年齢層の人でも、楽しく実用的な学びが得られる本です!この1ヶ月間、ガネーシャと一緒に生活するような気持ちで、自分を変えてみませんか?