チーズはどこへ消えた?で学ぶ。変化への対応のしかた

チーズはどこへ消えた?

あっという間に迎えた東京オリンピックイヤー2020年。
さらに最近では人工知能(AI)、IoT、5G、自動運転というようなテクノロジーの進歩を感じる言葉が飛び交っています。しかも問題は、これは決して他人事ではなく、近い将来自分にも関わることなのです。

ここで重要なポイントは、じゃあテクノロジーに詳しくなろう、プログラミングを覚えようということではなく、その激しい変化にどう対応していくかということではないでしょうか。今回紹介するのは『チーズはどこへ消えた?』という本です。本書の表紙帯に「1時間で読めて10年使える」と書かれているように、わずか100ページ弱の本で、僕も30分ちょっとくらいで読めてしまいました。

しかし得られるものが少ないかと言われれば、決してそんなことはありません。なにか特定のノウハウが書いてあるのではなく、表紙にもある通り、10年使える本質的な気づきを与えてくれる本です。

テーマはズバリ「変化にどう向き合うか」の一点に尽きると考えています。変化が多い時代の必読書であり、ビジネス書の入門でもある『チーズはどこへ消えた?』。

「良くないとはわかっていてもなかなか悪い習慣やクセを直せない」というような人はもちろん、「最近、仕事が上手くいっている」というような人にも読んでもらいたい一冊です。上手くいっているほど現状を疑わず、変化も嫌う傾向にあるからです。

『チーズはどこへ消えた?』はどんな内容?

小人のホーとヘム、ネズミのスニッフとスカリーが迷路の世界でチーズを探す物語です。苦労して見つけたチーズがある日突然なくなってしまいます。ネズミや小人にとってチーズというのはもちろん、食料という命に関わる大切なものですが、このチーズは現代の僕たちからしたら、お金であり、愛であり、健康であり、その他その人が大事にしているものに当てはまるでしょう。

当然ネズミも小人も戸惑うものの、両者反応は大きく異なります。ネズミは何も考えず、いつも通り新たなチーズを探す旅に出ます。一方、小人は現実を受け入れられず、慣れ親しんだその場所を離れられない状況が続きます(そこにチーズはもうないにもかかわらず)。

変化にどう向き合っていくか

この小人側に共感を示す人は多いのではないでしょうか。

「ここがいいんだ。居心地がいい。ここのことなら、よくわかっていっる。ほかのところは危険だ」

そう小人は言います。「もうそこにチーズはないんだから、留まっていてもしょうがないじゃないか!」「失うものはないんだから、新しいチーズを見つけに行ったほうがいい!」

そう思う人も多いでしょう。しかしいざ現実の自分に当てはめてみると、そんな冷静な判断は下せないことに気づくはずです。

仕事にしても、ダイエットや貯金にしても基本的には同じことが言えるはずなのです。少し前までは上手くいっていた方法では、最近は思うような成果が得られなくなってきている。しかしそれが原因かわからないし、新しいやり方なんて今さら面倒だから、とりあえずこのままでいいや、と思ってしまっていませんか。

たしかに新しい道はそんな簡単なものではないかもしれません。新たな一歩を踏み出すのは怖いかもしれません。しかしそのままでは、いつまでたっても「新しいチーズ」が見つからないと認識すべきなのです。小人は新たにチーズを探す旅に出れずにいるものの、やがてなんとか勇気を出して変化に対応しようとする姿を見せます。そしてこう言います。

自分の心の中につくりあげている恐怖のほうが、現実よりずっとひどいのだ。

経験がある人も多いかもしれませんが、新たなチャレンジをしたときに「やってみるとそんなに難しくなかった」と感じたことはないでしょうか。僕たちは変化に直面したときに、未来に見えない真っ暗な道を見てしまいます。しかしそれは自分自身が作り出した不要な妄想でしかありません。

大切なことは「どうなるかわからないけど、とりあえず動き出してみる」ことだと思います。

新たな旅に出る前では、どれだけ考えても何をすべきかは見えてきません。

英語ができないと思って海外旅行に出た人が、意外と単語でも英語は通じるんだとわかるのは実際に現地の人とコミュニケーションをとってからです。もし旅先で楽しく現地の人と触れ合うという目的なら、英会話スクールに通って英語を身につけないといけないと思っている人は時間もお金も浪費になってしまうかもしれません。

「もう少し単語を覚えよう」、「簡単なテンプレを覚えれば上手くコミュニケーションをとれるな」など、実際に新たな体験をしてみて初めて、見つかる改善点もあるはずです。まず「考える前に、旅に出る」のです。

明日からはじめよう!

『チーズはどこへ消えた?』から学んで明日に繋がる行動はこちら!

自分の周りで目をそらしている変化を見つける

とりあえず自分の悩みや、逆に上手くいっていることを書き出してみましょう。そしてここは変えたほうがいいなと思う点があれば、あれこれ考えずやってみる!合っているか間違っているかはこの際あまり重要ではありません。やりながら少しずつ修正していき、自分の中でも最適解を見つけ出していきましょう。

他にも学べること

□いかにいち早く変化に気づけるかということ

□変化が怖いときに取るべき姿勢

etc.

この『チーズはどこへ消えた?』から学べることは十人十色だと思います。自分の現在の環境や状況によって、感じること、得られることは違うでしょう。30分から1時間で読めてしまうので、ぜひ一度読んでみてください。

続編である『迷路の外には何がある?』との2冊セットは、友人や家族へのプレゼントとしても人気のようです!