【書評&要約】ちきりんの『自分のアタマで考えよう』

『自分のアタマで考えよう』ちきりん

今回は、ちきりんさんの『自分のアタマで考えよう』を書評&要約とともに、紹介していきます!

ぼくのかねてからの重要な読書テーマである、

「自分の頭で考える」

にぴったりのタイトルだと思って見つけた本です。

ちきりんさんは、数々の書籍を出版していますが、元々はさまざまな問題に独自の視点で切り込む「Chikirinの日記」というブログで知られた方です。

本書『自分のアタマで考えよう』にはタイトル通り、しっかり自分の頭を使って考えるためのヒントがたくさん詰め込まれています。その中でも特に「なるほど」「これみんなやってないだろう」と思った考え方を抽出しました。

1. 「知っている」と「考える」の違い

「知っている」と「考える」この2つは、全く別物です。物事を「知って」いても、未来のことを「考える」ことは別のことだということです。

また、「知っている」ことがネガティブな影響を及ぼすことすらあると言います。

例えば情報を見て考えられること全て列挙せよと言われたら、良い面と悪い面の両方が出てくるのが、「知識にだまされていない純粋な思考」の結果です。

しかし、知識を持っていたがために考える前からバイアスがかかって(先入観を持って)しまい、ある側面しか考えられないこともあります。古い「常識」に縛られて、新しい意見や考えを批判しがちなのは、知識が邪魔をして適切な思考ができていないからかもしれません。

まずは知識(過去)と思考(未来)は異なるものとして認識すべきなのです。

2. 決める

なにかを決めるというときには「情報」とは別に「意思決定の判断基準」が必要です。

例えば、

15,000円の服を買おうか迷って、結局買うのを断念したとします。

それは値段という情報を集めたからではなく、

「1万円以下でないと買わない」という意思決定の判断基準を持っているから決められたことなのです。

つまり、前もってその意思決定のプロセスが明確なら、それに従って情報を集めればいいので、労力も最低限で済むというわけです。逆に言えば、ここの判断基準がなければ、どれだけ値段や服の形、色などの情報を集めて、あれこれ悩んでいても、決断する決め手がないまま、時間だけが過ぎてしまいます。

3. 考える時間を取る

1日に「考える」ことに使う時間はどれくらいあるでしょうか?忙しい日々の中で、あえて「考えよう」と自分と向き合うための時間を確保している人はどれだけいるでしょうか。

仕事中に情報収集をしたりやエクセルなどで統計データを見ている時間は、頭を使った気になっても、考えた時間には入りません。

まずは、意識して考えるための時間を確保してみましょう。スケジュール帳に「自分とミーティング」のように書き入れてしまうくらいしないと生まれない時間です。

そして、その確保した時間で、考えを書き出して見える化してみましょう。30分でも1時間でも長く「考える」時間を増やすことが大事なのです。

では考える力とは具体的にどのようなことをすれば身につくのでしょう。

4. 「なぜ」「だからなんなの」を問う

客観的なデータや数字を見て、「なぜ」「だからなんなの」を徹底的に考える

これが自分の頭で考える力を鍛える第一歩です。この2つの問いが思考のガイドとなります。

ニュースや新聞を見るときなど、表面的な事実を見るだけでなく、それは「なぜ」そういうことになっているのかを考えるのです。そしてその「なぜ」の先、「だからなんなの」と考え抜くことが重要です。

ひとつの情報に対して十分に考える時間をとりましょう。

自分で情報収集やグラフ化した際には、作成に1時間かかったのなら少なくとも1時間はそのデータをにらみながら考え抜くましょう。情報は集めて終わりではなく、グラフや資料も作ることが目的ではありません。

あすどくくん
個人的にも、たしかに情報収集やグラフ作成で満足してしまい、それが目的だったかのような錯覚に陥ってしまうことが多々あるような気がします。

5. 優先順位を明確にする

先ほど、「2. 決める」でも述べましたが、なにかを決定する際には「意思決定の判断基準」が必要です。その判断基準はがあれこれあっては、効率的な意思決定ができません。

あれも大事、これも大事となってしまうとなかなか決定ができなくなってしまうからです。

決められないのは選択肢が多いからではなく、判断基準が多すぎるのです。

そこで大事なことは優先順位をつけるということです。

本書では、その優先順位をつける際に役立つ2×2(ツーバイツーマトリクス)というツールが紹介されています。

以下は例えば婚活女子のマトリクスです。

優先順位を決める 「2×2マトリクス(ツーバイツーマトリクス)」
優先順位を決める 「2×2マトリクス(ツーバイツーマトリクス)」(参照: ちきりん『自分のアタマで考えよう』p.120)

相手に求める条件として、経済力と相性を判断基準に置いた例です。

この場合、右上の経済力も高く、相性もばっちりの人は即決で付き合うし、逆に左下の経済力もなく相性も合わない人も論外だということを判断するのは簡単です。条件のどちらかがない場合は難しいと思いませんか?

しかしこの2×2で整理して初めて見えてくる考えがあります。例えば、右下の経済力は低いが相性は合う人の場合、経済力というのはその人の問題であって自分にはどうすることもできないので付き合うのは難しいという判断になるかもしれません。

一方、左上の経済力は高くて、相性はイマイチの場合、自分が相手に合わせるなどの努力や慣れさえあれば右上の領域へと移動できる可能性もあるわけです。そのため左上でも「まあ付き合ってみるか」というような判断もできるわけです。

2つの判断基準を用いて、自分にとって何が大事なのかをシンプルに考えましょう。

6. 「思考の棚」をつくる

「思考の棚」は、知識を洞察につなげる仕組みです。洞察こそ自分の頭で考えるためことです。自分なりの洞察をするためには、

知識を整理するための思考を持っていて次に知りたい情報を意識的に待っているかどうか、が鍵になります。

つまり自分が何を知りたいのかがわかっている状態でいることです。

ちきりんさんの例では、アメリカで起きた「9・11テロ」の際の各TV局の報道スタイルの違いを取り上げています。

自国メディアのCNN(アメリカ)での報道はパニックそのものでした。ものすごい量の埃と突風が吹き荒れる路上で「Oh my Goooooood!」と叫び続けるニューヨーカー達を始めとするパニック状態に陥った街の様子を延々と映し出していたそうです。

NHK(日本)では、飛行機が激突し崩壊したワールドトレードセンターにオフィスを構えていた日本の金融機関の社員名をひたすら報道していました。ほぼ全て日本人名だったことから、同じオフィスで働いていた別の国の社員名は報道すべき情報とは扱われなかったようです。

一方、BBC(イギリス)では早々にテロの背景分析を行う討論番組がはじまっていました。

このとき各メディアの報道スタイルの違いを「知識」として得たということになります。しかしそれはあくまで「知識」であって、これから「思考(洞察)」が始まります。

例えばこのような疑問を持ったとします。

BBCが冷静な報道していたのはBBC自体がそういうメディアだからなのか。それとも他国で起きた事件だからであって、自国で起こったならばCNNのような報道をしていたのでしょうか。逆にアメリカ以外で起きていたならCNNは早々に背景分析をはじめていたのでしょうか。

ここで「思考の棚」の中の情報を整理する必要があります。アメリカで事件が起きた際の3国の報道スタイルがわかりました。この分の知識は棚に格納しておきます。

この段階ではイギリス、日本でこのような事件が起きた時の3メディアがどう報道するかということはわからないで、棚にスペースがあるイメージです。こうして整理して待っておけば、次にそのような事件がイギリスか日本で起きたときに情報感度が高まり、気づくことができます。

この気づきだけで、それは自分の頭で考えた思考であり、洞察です。なにも考えてないでぼーっとしている人との差は歴然でしょう。

7. 『自分のアタマで考えよう』を行動にうつそう

『自分のアタマで考えよう』に学ぶべき、明日からはじめたい行動内容は、

意思決定の判断基準を持つ

です。日常から人生の重要局面まであらゆる意思決定の場面では、「どのような条件や状況なら、自分はどう決定すべきか」という判断基準を明確化しましょう。

これについては上記「2. 決める」「5. 優先順位を明確にする」で述べました。意思決定のスピードを上げ、精度を高めると、後悔することが確実に減ります。

8. 最後に

ちきりんさんでもこのようなことを言っています。

自分の頭だけで考えていると、最初は泣きたくなるくらい幼稚な考えしか浮かんできません。ついつい答えを見たくなってしまいます。(中略) でもそこでグッとこらえて自分で考えるんです。

とても励まされます。ぼくも、まさにそう思うからです(ちきりんさんとはレベルが違いますが、、、)。

答えなんてわからないものが世の中には溢れていますし、この「自分のアタマで考える」力はつけておくべきだと本気で思います。

わからないことは簡単にネットで検索できる時代。もちろんそれで知識を蓄えることはできるかもしれませんが、それを使ってその先を考えることが必要です。その情報や知識はある面に偏っている可能性もあります。

本書には統計やグラフなどの図が70個以上散りばめられているので、理解を助ける上に、そのデータを使って実際に考える時間まで与えてくれます。

上記で紹介した内容は一部にすぎず、自分の頭で考えるためのヒントを惜しげもなく教えてくれます。

この本を読んで満足するのではなく、何度も立ち止まって考えたり、すぐに実践したりすることが大事だと思うで、1つずつでもいいので明日から実践してしましょう!

それでは楽しい読書ライフを!

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