今回紹介する『自分の時間を取り戻そう』は、時間とお金に対する価値観を考え直すための本です。
ぼくは以前ニュースで、とある節約上手な主婦が取り上げられているのを見ました。毎朝スーパーのチラシをチェックして、品物ごとに少しでも安いスーパーを回るという節約術が紹介されていました。
10円安いトマトのために、自転車を30分漕いで離れたスーパーを訪れるという、今聞くと冗談みたいな節約術が紹介されていました。デフレ・不景気という言葉が踊る世の中ではこのような節約術が賞賛されがちです。
しかし、30分で数十円。これって普通に考えると、時給換算すると100円にも満たないわけで、それなら時給800円のコンビニでアルバイトしたほうがよっぽどいいですよね?
この時間の希少性や価値を正しく認識していないと、このような極端な例までとはいかなくとも、結果的に厳しい未来が待っていると言えます。
目に見えるお金とは違って時間というのは、何もしなくても持っているものであり、そのありがたみに気づくことが難しいものです。忙しい日々の中で、時間は有限だと言われても、あまりピンと来ないかもしれません。
時間とお金の価値観をしっかり認識し、有効な使い方を知って、今後ゆとりをもって楽しく生きていく術を身につけましょう!
『自分の時間を取り戻そう』はどんな内容?
本書『自分の時間を取り戻そう』では、忙しすぎる生活をおくる4人のモデルが登場します。
タイプ① デキる男: 順調に昇進を続けるサラリーマン。仕事量は膨大で週末まで仕事をするので、家族との時間がつくれません。
タイプ② 頑張る女: 朝5時半起きでお弁当を作るなどの家事をこなしつつ、時短勤務。住宅ローンや子どもの教育費などに頭を悩ませる。
タイプ③ 休めない女: フリーランスとして働くが、顧客からの評判などを考えるとムチャな要求でも断れなくなる。際限なく仕事に終われる日々を過ごす。
タイプ④ 焦る起業家: 起業をするも、会社の成長スピードに内部がついていけず、「とにかく頑張る」スタイルで人手不足をカバー。
いずれのタイプも、とてもゆとりがある生活をしているとは思えませんよね?
そして自分がいま抱えている悩みは、少なからずこの中の悩みに近いようなものではないでしょうか。
著者のちきりんさんが言うように、多くのは人は忙しすぎる生活を「避けられないもの」として考えています。本当にやりたいことを後回しにし、働く意味さえ見失い、時には体や心を壊すまで頑張ってしまいます。
本書のタイトルが「自分の時間を取り戻そう」と言っているように、ゆとりを持ち、なおかつ十分な成果を上げ、楽しい暮らしをおくるために必要なことをなんなのでしょうか。
生産性を上げる
これらの悩みには全てに共通する問題点があると言います。それが生産性です。
生産性というと少し難しく聞こえるかもしれませんが、要はコスパです。
安いけど美味しい居酒屋を探すときに、「居酒屋 コスパ」などで検索する人もいるでしょう。
なぜコスパを求めるかというと、できる限り少ない出費でできる限り美味しいものを食べたい、つまり最小限の投資で最大限の成果を生みたいわけですよね。
この生産性(コスパ)の考え方は今後生きていくあらゆる場面で意識していく必要があります。
仕事をするとき、100の仕事をするのに、だらだら残業して10時間かけるより、スパッと7時間で終わらして、定時に帰ったほうがいいわけです。(残業代を稼ぐためには生産性なんてむしろ逆効果だという人もいるかもしれませんが、今後企業は、そんな生産性しか生めない人を残業なんてさせる余裕はなくなりますし、解雇だって考えられます。)
家事をするときにも、乾燥機を使って洗濯をした方が早く終わるかもしれませんし、お弁当だって冷凍食品を使った方が時短になります。この乾燥機付き洗濯機や冷凍食品を買うお金で、得られる成果は長い目でみるとかなり高い生産性につながる可能性があります。
この生産性をいかに上げるかというときに、意識すべきなのが、人にとって最も重要な資源である時間とお金なのです。
時間の希少性
お金というのは稼がないと手に入りませんし、目に見えるので簡単に重要だと思うことができます。
一方で、時間というのは限られているにもかかわらず、当たり前に全員が持っていて、目にも見えないので、改めて重要視されることは少ないでしょう。
しかし、時間こそお金で買うことはできず、最も価値があるものだということは忘れてはいけません。記事の冒頭で紹介した、主婦の節約術は、完全に時間に対する価値観を失っています。
仕事でも家事でも生産性を上げようとするときに、もっとも重要視しなければいけないのが、この時間の希少性です。
ではどのようにすれば時間の希少性に気づくことができるのでしょうか?(もうわかったよ、という人も改めて考えてみてください!)
残された時間を細かい単位で見る
まずは、残された時間を少し細かい単位で見ていきましょう。
例えば、元気に動き回れる60歳になるまで、どのくらい時間が残されているでしょう。
30歳の人→あと30年=360ヶ月(あと360ヶ月で60歳ですよ?)=10,950日=262,800時間(あと262,800時間で60歳ですよ?)
40歳の人→あと20年=240ヶ月(あと240ヶ月で60歳ですよ?)=7,300日=175,200時間(あと175,200時間で60歳ですよ?)
50歳の人→あと10年=120ヶ月(あと120ヶ月で60歳ですよ?)=3,650日=87,600時間(あと87,600時間で60歳ですよ?)
いかがでしょうか。時間は無限ではないということが実感できたのではないでしょうか。
時間を見える化する
この時間の有限性を認識するのにいい方法は、見える化することです。
とりあえず、10年後に到達するまでの時間を見える化するのがちょうどいいと思います。
下の例で言えば、32歳の人が40歳になるまでの残りの月数を示しています。1ヶ月過ぎたら塗りつぶしていくわけですね。
どなたでも始められるように、テンプレを用意したので、ぜひ印刷などして使ってみてください!
また、”あなたの「残り」の人生時計”というアプリもおすすめです。
iPhoneの方はApp Storeで!
Androidの方はGoogle Playで!
このアプリは無料ですが、残りの時間が可視化され、砂時計のように過ぎた時間が粒となって落ちてきます。時間は限られているということを強く認識させられるツールです!
お金の有効な使い方
もちろん時間よりお金が大事というタイミングもあります。
時間だけでなく、お金も大切な自分の資源ですので、いかなるときもお金の使い道は考える必要があります。
ここで重要なのが、いかに支出を減らすかと考えるよりも、できるだけ有効にお金を使うという意識です。
先月もっともお金が有効活用された支出はなんだったでしょう。
生産性つまりコスパが良かったものベスト3を挙げてみましょう!
価値については人それぞれですが、今後の自分のためにもなるという投資的な観点も重要です。
例えばぼくの場合、本を10冊買っていて、すぐに目に見えて成果が出るものではありません。しかし、必ずこの読書の積み重ねが未来の自分のためになるという価値を見出しているので1位にしました。
お金の使い方一つとってみても、生産性を上げるという意識は非常に大切です。
この時間の使い方、お金の使い方について生産性=コスパを意識できれば、自ずと仕事や家事のやり方も変わってくるはずです。それは必ずポジティブな方向への変化です!
明日からはじめよう!
ということで、『自分の時間を取り戻そう』から学ぶべき明日からはじめたい行動内容は、
時間を可視化する
です。上記の紹介であったようなやり方で、残された時間について改めて認識しましょう。いかに少ない時間で大きな成果を出すか、これはどのような場面でも言えることです。
それができるようになれば、自由な時間も増え、好きなように生活をおくることができるでしょう!
本書『自分の時間を取り戻そう』にはちきりんさんらしい考え方が詰まっています。他にも学べることはたくさんあるので、気になった方はぜひお手にとってみてください!
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