前田流メモ術の超入門【メモの魔力】

モレスキン、メモの魔力、ジェットストリーム、定規

ここでは前田裕二さん著『メモの魔力』から、前田流メモ術について紹介していきたいと思います。

一度読んだ方は知っていると思いますが、前田さんのメモ術には、

ファクト→抽象化→転用

という大きく分けると三つの段階があります。

「なかなか上手くメモを実践できないな〜…」

「抽象化って難しいな〜…」

と思っている方は参考にしてもらえたら嬉しいです!

はじめは、前田さんのようにはうまくメモが取れないこともあるかもしれません。なので、本書に書いてあるメモのコツを簡単にまとめ、ぼくがメモを実践していく中で気づいたコツとともにご紹介します。

何を隠そう、ぼくもはじめはメモを思うようにとるのに苦労をしていました。

日常の気づきをアイデアに変換したり、自分の感性に刺さった理由を言語化したり、そんな基本的なメモの使い方をマスターし、自分の目標や夢に近づきましょう!

自己分析のメモについては、少し違うコツが必要だと感じているので、それについてはまた後ほど述べたいと思います。

メモをとるメリット

『メモの魔力』を実践することで、以下のような良いことがあります。メモをするという努力が必要ですが、本気で自分を変えたい!人生を変えたい!と思っているなら、メモはもっとも取り組みやすい方法の一つだと思います。

紙とペン (もしくはスマホだけ)があればいいのですから!

アイデアが生まれる

日常の気づきや自分の感情などを書き出していくと、感度も高くなるのでキャッチできる情報の網の目も細かくなっていきます。さらに抽象化、転用とメモを進めていくと、自分だけの生きたアイデアを生み出すことができます。

構造化能力が鍛えられる

人の話や本の内容などをメモにまとめる過程で、その内容がどのような構造になっているか(本の目次のようなもの)がわかるようになります。話を聞く際に骨組みが理解できるので、吸収力が上がることはもちろん、話す際にもしっかり論理立てて話せるようになります。

言語化能力が向上する

あいまいな感情やふわっとした概念を説明できるようになります。そのような抽象的なことに関して、「自分はなぜこう思うんだろう?」「〜って要するにどういうことなんだっけ?」という問いを繰り返すことによって、言葉にならなかったものが言語化されます。自分が書き出したり話す内容(アウトプット側)が相手に伝わりやすくなりますし、インプット時も理解する網の目も細かくなり、得られる情報の密度が濃くなります。

夢がかなう

スピリチュアルな話ではありません。メモをすることで夢がかなうというのは前田さんご自身の経験から断言できるものであり、根拠もしっかりあります。自分のゴールに向かって、ファクト→抽象化→転用を繰り返すことで「夢をかなえる」ことに直結します。そもそも自分のゴールを明確にするために自己分析メモが必要です。

また、マインドシェアという考え方もあります。本書ではこう述べられています。

夢へのマインドシェアが高くなるほど、すなわち、夢について考える時間が長ければ長いほど、夢をかなえるために必要なことをブレイクダウンして考えたり、現在地点との距離を測ってその差分を埋めるための努力方法を見極めたり、また、妨げになりそうな障害や課題をつぶしていこう、という問題意識も芽生えます。

用意するもの

前田さんのメモ術を実践するにあたって、用意したいものを紹介します。

ノートとペンさえあればできるものですが、形から入りたい、こだわりたいという方のために、前田さんが実際に愛用しているノートや手帳、ペン、メモアプリをまとめました。おすすめのアイテムも紹介しているので、ぜひ以下を参考にしてみてください!

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モレスキンノートとジェットストリーム

ノートのつくり方

まずノートは見開きで使います。ここではモレスキンのラージサイズのノートを例に、どのように線を引けばいいのかを説明していきます。

引く線は見開きで3本です。

1本目 (左上): 横に引いていきます。上から7マスくらい開けるとよいでしょう。

2本目 (左): 縦に引きます。左から5マスくらい開けます。ここを開けすぎるとファクトのスペースが狭くなってしまうので注意しましょう。

3本目 (右真ん中): 右ページの真ん中に縦に線を引きます。真ん中がどこかわからなくなりがちですが、その場合はノートの側面にピッと線を引いてしまうと簡単にわかりますよ!

ペンの使い方

3~4色ボールペンが必要と言いましたが、この色分けは、前田流メモ術では重要なポイントです。

最初は3色でも全然OKだと思います。

黒: 基本カラー

赤: 重要事項

緑: 自分の気持ち、主観的な意見

このくらいの使い分けの意識で大丈夫です。重要事項や後で見返したときにパッとわかるために赤は便利です。見聞きしたファクトと自分の意見の色分けも重要なので緑も必要です。

本書で推奨されている青は少し重要だったり引用部分のためだったりしますが、とりあえず慣れるまでは気にしなくても大丈夫です。

ちなみに、書く前に「これは自分の気持ちだな」とか考えるのは難しいので、あとで、アンダーラインを引いたり、マーカーで線引いたりしても問題ありません!

基本的な流れ

それでは前田流メモ術の流れを超細かく説明していきたいと思います。

本質は、ファクトで情報を集め、抽象化で本質を見抜き、転用で自分の生活・人生に落とし込むという「ファクト→抽象化→転用」の三段階です。

しかし、具体的にメモのステップを細かくみていくと、以下のようにもう少し多くステップを踏みます。これが一般的な形だと思います。

  1. 日付
  2. アジェンダ
  3. ファクト
  4. 標語
  5. 抽象化
  6. 転用
  7. サマリー
  8. メモを見返す
  9. 行動してみる

『メモの魔力』に掲載されている前田さんのメモを見ながら、流れを追っていきましょう。

1. 日付

まずは左上に日付を書きます。後日そのページに加筆することもあると思うので、その日付も下に書くといいでしょう。長い目で考えると年号も入れたいので、ぼくは2020年1月1日なら「200101」など6桁で書いています。

2. アジェンダ

左ページ一番上に「なんのことについてか」というアジェンダを書きます。会議、セミナー、読書、映画、友人との会話、何気ない日常(この広告かっこいい!など)、シーンによっていろいろな書き方がありますが、ここの形は自由でいいと思います。

例: 「前田裕二さんのメモ講義」「『メモの魔力』から学んだこと」など。

3. ファクト

左ページの右側にファクトを書いていきます。「聞いたこと」「見たこと」「学んだこと」など、一般的にメモと呼ばれているものです。項目の先頭ごとに◎をつけるのも前田流メモ術の特徴です。

前田さんが本書で紹介している例では、東京と大阪でチラシを配るときに、大阪だとアメ(「アメちゃん」の文化を応用して)を付けるとすぐにチラシがはけたが、東京では効果は1/3だった、というものでした。

ファクトのコツは、見聞きして面白いなと思ったものはとにかくなんでも書くことです。重要なのは、量です。そして、思いつく限り具体的に書いていくことです。「例えば?」「どんなエピソードがあったっけ?」「さらに言えそうなことはあるか?」と自分に問いかけながら書いていきます。

4. 標語

ファクトの左側に、ファクトにキャッチコピーをつけるイメージで書いていきます。ファクトがある程度グループ分けできるなら、そのグループごとに見出しのようなものをつけていきます。ここでは抽象化力とコピーライティング力が鍛えられます。最初は素直に「わかりやすくまとめる」くらいの感覚で標語をつけていくと良いでしょう。

5. 抽象化

「抽象化」はこの前田流メモ術の根幹です。ファクトから抽象化したものを右ページの左半分に書いていきます。

抽象化といっても、もっと簡単に考えましょう。

  • 要するに?
  • なぜそうなの?
  • 何が面白いの?

という問いに答えれば、抽象に近づいていきます。

先ほどファクトのところで出したアメをつけたチラシの例を抽象化すると、大阪の人は直接目に見えるメリットに弱い、となります。

ここで重要なポイントは「あくまで自分なりの仮説でいい」ということです。正解なんてない世界なので、「こういうことなんじゃないか?」という予想でOKです。

関連書というわけではないですが、ぼくは山口周さんの『独学の技法』から「その知識は何が面白いのか」などという抽象化をスムーズにする気づきをたくさん得ました。『メモの魔力』と相性がすごく良い本なので、まだ読んだことない方にはおすすめです。

また三浦崇宏さんは『言語化力』の中で抽象化のコツについて以下の点をあげています。

  • 固有名詞を省く
  • 時系列を無視する
  • 行為と現象と関係性だけを抜き出す

このようにして、個別具体的なファクトを、より多くのことに当てはまりそうな言葉に変換していきます。

このメモ術では、抽象化したものには◉のマークをつけます。抽象化によってファクトの◎に意味や気づきが与えられたことで黒く塗りつぶされるイメージです。

より詳しい抽象化の方法・コツはこちらをどうぞ。

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メモの魔力

6. 転用

そして最終段階である「転用」を右ページの右側に書いていきます。夢のかなえる、目標を達成するという観点では、この「転用」につなげなければ、ファクトも抽象化もあまり意味をなしません。

抽象化したものを、「じゃあ自分の立場で置き換えると何が言えるか?」「他にどのように応用できるか?」と考えていきます。ここでは「行動を前提にする」ことが重要です。

アメ付きチラシの例の転用は、前田さんが運営する動画配信サービスSHOWROOMでも、大阪の人面白いと思えるようなコンテンツを用意し、現実の世界でのチケット課金のような仕組みをつくれば良いのでは?と考えます。そして「すごく人気な芸人のネタをプレミアムコンテンツとして配信する」という行動ベースの転用が生まれます。

この転用で重要なポイントは、「自分のゴールが明確である」ということです。前田さんもSHOWROOMを世界一の動画配信プラットフォームにするという目標があるからこそ、一直線にそこに向かって転用できるわけですね。

転用で得た行動のヒントは★マークをつけていきます。

つまりファクト◎、抽象化◉、転用★ですね。

7. サマリー

メモがひと段落ついた段階で、そのまとまりのメモを総括します。

重要と思われる一言をアジェンダの下に書きます。要は「何が一番大切か」を記憶が鮮明なうちに書き留めておくことが重要です。

「大阪人に刺さるアメマーケティング」「東京人と大阪人のメリットの感じ方の違い」など自分がわかりやすいまとめをしておくと、パッと見返したときに便利です。

8. メモを見返す

メモをして終わりではありません。もちろん転用までメモして、即行動にうつせれば問題ないのですが、全てをすぐに行動にうつせるわけではありません。

寝る前の5分でもその日とったメモを見返したいものです。「今日はこれだけメモをとった」という満足感を得てもいいでしょうし、「これはいつか使えるな」と自分の無意識にアイデアを刷り込んでおくのもいいでしょう。

ページをパラパラめくると、ファクトの部分しか埋まっていない箇所もあるかと思います。前田さんも言っていましたが、忙しいときは右側(抽象化と転用)が空いてしまいがちです。

しかしノートがそんなに大胆に空いていたら、埋めようという意識も芽生えます。そのファクトを無駄にしないためにも、振り返ってしっかり抽象化、転用まで進めたいものです。

9. 行動してみる

『メモの魔力』でのこのメモ術。ついつい忘れがちですが、メモをとる目的は、ノートを埋めるためではありません。自分の夢をかなえるため、目標を達成するためです。

転用で得た行動のヒントをしっかり自分の生活に落とし込んで、行動してみましょう。

コツ

すごくたくさんとる

とにかく量が重要です。質の高いメモにするためにも、とにかく量を書くことです。「メモは姿勢」です。極端な話、見聞きしたもの全部をメモするくらいの勢いでやりたいものです。メモを取り出せる速さも重要なので、スマホ用アプリも必須だと思います。

習慣化する

努力と感じないレベルまで毎日メモして、習慣にしたいですね。そのための第一歩として、アイテムを気にいる、というのもポイントだと思うので、お気に入りのペンやノートを使いましょう。

自分とアポをとる

これがすごく大事なことです。ついついメモの時間は、いつでもできるし、と後回しになりがちですが、この時間こそしっかり確保すべきです。飲み会やイベントをスケジュールに書き込むのと同様に、「メモの時間」もしっかり組み込みましょう。そこは何か誘われても、「今日は予定があるから」と断る勇気が必要です。

振り返り

毎日少しでもメモを見返しましょう。おーこれだけメモしたぞ!と思うとモチベーションも広がりますし、これからさらに言えることはないかな?と少し時間がたつと書き足したりできることもあります。

次の行動につなげやすくするために、自分の無意識に刷り込むのも狙いです。5分でもいいので、寝る前に、その日とったメモをザーッとながめてみましょう。

サボっているときは、メモをとっていないことにも気づけるはずです。

なにより自分のゴールを知る

ここまでメモ術の流れを説明してきましたが、そもそも「自分のゴールが明確である」という人はスムーズに転用までのメモができます。メモをとる目的まで決まっているからです。

やはりファクトを集めるアンテナの感度は、自分の人生のゴールが決まっているかどうかで決まると思っています。

また抽象化からの転用のステップでも、自分のやりたいことが決まっている人はスムーズに質の高い抽象化・転用ができますが、決まっていないと「どこにつなげればいいんだろう」と迷ってしまいます。

「自分のやりたいことがわからない」「人生の軸がまだ明確でない」という人もいるでしょう。というかかなり多くの方はそうなのではないでしょうか。

この『メモの魔力』では、テーマの一つとして「自己分析」も掲げられています。巻末に1000問の自己分析用の質問がついています。

メモを始める前にまずは自己分析からはじめることをおすすめします。自己分析でのメモ術は、上記のアイデア生産のメモとは少し違うな、と感じているので、自己分析についてはまたこちらで紹介しています。

おわりに

細かく前田流メモ術を見てきましたが、とにかく街に出るときも、TVを見るときも、本を読むときも、会議をするときも、ペンとノートを持ちましょう。スマホを開きましょう。そうして自分の夢をかなえるために、メモを活かして次の行動を変えましょう。

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