▽半歩遅れて、1月15日に代官山の蔦屋書店にて行われたこちらのイベントのまとめを書いていきたいと思います!▽
前田裕二『メモの魔力 The Magic of Memos』×坪田信貴『才能の正体』トークイベント
一冊の本が書けそうなほど内容が濃密で、本には載ってないような話も盛りだくさんでした。気づいたら8,000字くらいスマホでメモをとってたくらい面白かったので、イベントに参加できなかった方にも共有できたらと思います。
また、前田さんと坪田さんだけでなく、急遽予定になかった箕輪厚介さんが参戦して、会場はさらに熱がこもりました!
https://twitter.com/bobisummer0/status/1085182384364957697
一つひとつ内容を自分なりに噛み砕いて腹落ちさせました。
それではみていきましょう!
目次
1. 才能という言い訳
坪田さんが書いた『才能の正体』に直結する話で、要するに才能って憧れたり妬んだりするものでなく、
あなたも後天的に磨くことができるよ、というもの。
「スティーブ・ジョブズは天才だよね」で終わらせない!
綺麗なフォントをMacに組み込んだのだって、瞬時の判断センスではない。
学生時代のカリグラフィーの授業があったから。
つまり「才能」というのは後天的なもので、過去の要因が全て今につながっている。
また坪田さんが話してくれた話で、
ほぼ勉強しなくても東大だかの数学の試験は余裕で解けたという人の話。
しかしよくよく話を聞けば、幼少期に死ぬほど数学を勉強していたとのこと。
その蓄積を土台に日々少しでも数学に触れていれば、どんどん知識は磨かれていく。
普通の人が小学校→中学校→高校と1×1.2→1.2×1.2→1.44×1.2→1.728→…..というように数学スキルを積み上げていく一方で、その人は
10×1.2→12×1.2→14.4×1.2→17.28と雪だるま式に圧倒的なスピードで数学スキルを伸ばしたのでしょう。
その過去に努力して知識なり経験を早めに蓄積させることが重要。
それは複利的に年々大きくなるので、早いタイミングでガツっと努力すべき。
教育的な面では、幼い頃から何かをひたむきに圧倒的に学べば、それは成長するにつれて複利的に効果を生む。
インプットしたものは自分の引き出しとなり、どこかで生きてくる。
前田さんが言う「タコわさ理論」的に言えば、知らないものをアウトプットはできない。
(小さな子に好きな食べ物は?と聞いて「タコわさ」と答えることはないのは食べたことがないから。知っているのと知らないのとでは全く違う。)
だからこそまずはインプットの量が重要。
2. 抽象化力の養い方
箕輪さんが「頭いい奴はやっぱり抽象化力高い」「一段上のレイヤーで物事考えてる」という発言を皮切りに、どうすれば抽象化力を鍛えることができるのかという話に発展。
『メモの魔力』に没頭にしているボクは、「それそれー」というテンションでした。
坪田さん
物事の多面性に気づくことがスタート。
例えば、目の前にあるペットボトル。これはペットボトルであり、水であり、飲料であり、商品であり、と考えようと思えば1000くらいの要素が出てくる。これを具体、抽象を意識しながらあらゆる面を考える。
前田さん
HowやWhyを投げかけるクセをつける。
このペットボトル水ってどんな特徴があるんだろう?なんでこんなシンプルなデザインなんだろう?ということを習慣にする。
これまでの水業界はブランドを主張しすぎてたけど、逆に特徴を消すことで新たなニーズに答えようとしてるのかな?
ここで重要なのは仮説でOKということ。答えなんて誰にもわからない。
3. タクシー運転手をも愛す
タクシー運転手って結構悪く言う人の方が多いイメージだけど、前田さんはそんな人すら好きになるらしい。
それはこの運転手さんには子供や家族がいるんだな、とかバックグラウンドを想像すると憎めないんだとか。
つまりタクシー運転手を多面的に見るからこそ生まれた感情ですよね。
そして別れ際泣きそうになることもあるとか。
これには箕輪さんも坪田さんも「それはウソだよ〜」という反応でしたが、これって極端に抽象化すると、「死を悼む」みたいなことにつながるんだと判明します。
そのタクシー運転手と会うのなんて普通は一度きり。つまりその人はもう前田さんの人生に出てきません。
ですが、この車中ですでに「関わってしまった」のです。
これは前田さんの人生の中では死と同義。
それを考えると泣きそうになることもあるんだろうです。
圧倒的な抽象化力。。。
4. 「自分」と「市場」の往復
プロダクトアウトとマーケットインの話が出ました。
そんな言葉自体はボクは初耳でしたが、こんな感じの理解で概ねOKだと思います。
→プロダクトアウト(自分のやりたいことを通す)かマーケットイン(市場に合わせるx)の話。
プロダクトアウトだけだと自己満で終わってしまう可能性あるし、マーケットインだと他との差別化が難しくなる。ここのバランスが非常に重要。
ただプロダクトアウトの方が、自分の内なる声をしっかり聞いた上でのものだから持続性があります。
たしかに自分の熱量がないとどんなに市場が求めていても飽きてしまう恐れがありますよね。
前田さんはショールームを一生やれるとさえおっしゃってました。
これはブレない軸があって、プロダクトアウト的な視点。
同時に、人を応援するとか、それ自体にニーズがあると言う意味ではマーケットインの視点もあり、バランスがいい。
箕輪さんもなにか企画をするとき、本を作るときに、「自分」と「市場」との往復をいかに繰り返すかという話を兼ねてからおっしゃっています。
根幹には自分が熱狂できるものがあり、しかし一方で冷静になって市場が求めていることに耳をすます。
この繰り返しをどこまでできるか、つまり自分に嘘つかず向き合い、市場ともしっかり対話する、ということです。
5. わらしべ長者の成功の理由
坪田さんのここの話が個人的にかなり面白いと思いました。
わらしべ長者は聞いたことがある人が多いと思いますが、
一応こんな話です。
ある若者が観音様にお金持ちになりたいと願う
→観音様は「ここを出て始めにつかんだものがお前をお金持ちにする」と言う
→お寺を出て転んだ際に一本のわらしべ(稲)をつかむ
→こんなんでお金持ちになるのかなあ?と思いつつ
→出会う人とその稲を皮切りに物々交換していくうちに最終的に家や畑を手にする
みたいな物語です。
ここでこの若者がすごかったのは以下の点だと言います。
①まず願ったということ
②そしてしっかり観音様の言うことを聞いたということ
③願った(アドバイスを求めた)相手が良かったこと
④物々交換をしていったということ
一つずつもう少し詳しく説明すると、
①お金持ちになりたいという想いを抱いたことでそもそもスタート地点に立つことができた。そして観音様に願いに行くという行動を起こしたことがポイント!
②言われたことをまず全うしたこと。大抵の人は最初につかんだ稲を、「観音様が言ってたのはさすがにこれではないよな」と手放してしまうでしょう。次があるだろ、と。これって結構誰にでも心当たりがあると思ってて、ボク自身で言うと、前田さんの自己分析を勝手に100問くらいやって、あーだめだな、1000問やっても答えは見えてこない、って思ってしまったかもしれません。(もちろん今や、絶対1000問やるべく粛々と進めていますが!)
③例えばこれが、今で言う特に尊敬もしてない会社の上司とかだった場合、言うことを聞かない可能性だってあったわけです。「あんなやつが言ってることなんて行動に移す価値はない」と。しかし観音様という絶対的存在だったからこそ言うことを聞けた面が大きかったのでしょう。
④そして言われたこと+αをやったこと。稲をつかむだけで終わらず、稲をきっかけに会う人会う人と、ニーズをマッチングして、より自分にとって価値が高いものに交換していったということ。
この話を抽象化すると、上記の「自分」と「市場」の往復の項目とも関連しますが、お金持ちになりたいというプロダクトアウト的な視点と、その人が欲しい物を与えるというマーケットイン的な視点が見事に融合していることに気づきます。
6. 前田流読書術
前田さんは本を1日に1冊くらいは読むということは語られてますが、そんな中で質疑応答で「そんなに忙しいのにそれだけの読書をこなすコツみたいなものはありますか?」という質問が出ました。
この回答、かなり有益なもので前田裕二の読書術というテーマで1冊本ができるのではないかと思ったくらいです。
小説などの「楽しむ」読書は除き、自分を成長させるための読書という前提でのコツです。
①カテゴリー特化
大きなテーマを決めてその関連本を集中的に読む
②骨を読む
大抵の本は抽象レイヤーで見ると言ってること同じなので、周りの肉付けされた具体例を読み飛ばせるようになってくる
③制約を課す
前田さんなら3点重要な箇所を見つけて誰かに話すなどアウトプットする、と決めているとのこと。そのような制約を課すことでスピードが速くなる。
ただ、好きな本、いいなと思った本をじっくり読むことも大切ともおっしゃていて、
たしかになと共感しました。
→最近では間違いなく『メモの魔力』がその対象。
7. 素直さの正体
わらしべ長者は素直に言うことを聞いたからこそ成功したという話がありましたが、「素直に言ったことを(子供や部下に)そのままやってもらうにはどうすればいいですか」という質問も出ました。
ポイントをっまとめると以下の三点です。
①相手との関係性
②相手に合わせる
③余白(弱み、本音)を見せる
特に坪田さんの回答は目から鱗でした。
素直かどうかというのは、自分の問題というよりは相手次第だと言うのです。
「何か指摘されるときに、何十年来の友人に言われるのと、対して信頼してない上司に言われるのとでは素直に受け入れるかどうかって変わりますよね」というお話に、
たしかにーーー!となりました。
さらに相手に合わせるということも重要です。
坪田さんには、ゴルフ好きだが勉強熱心ではない生徒がいたそうです。
そこでゴルフに興味はなかったが、始めてみたそうです。
そしてその生徒が好きなゴルフのことを知って、ゴルフを引き合いに出して「あのタイガーウッズの伝説のショットはあの時だけ集中できたのか、それとも普段から集中する練習をしてるのかどっちだと思う?」と問いかけると、一心不乱に集中して勉強をしたそうです。
ここで自分の趣味を引き合いに出して、将棋のなんとか棋士の集中力はな、みたいな話をしても目もくれなかったでしょう。
つまり相手に合わさることで素直に受け入れてくれるということもあるでしょう。
また前田さんからは「余白」という回答が。
この「余白」という部分はSHOWROOMをはじめ、前田さんのビジネスのキーワードにもなっている概念ですね。
相手に弱みを見せることで、相手も自分に対するガードを下げてくれる、ということでした。
社員との面談でも実感しているんだとか。
この前田さんが唱える「余白」理論は今後コミュニケーションでもビジネスでも必須な考え方になるでしょう。
以上、前田裕二さん、坪田信貴さん、箕輪厚介さんの夢のトークイベントの内容でした!
これでも厳選したと思っているのですが、機会があれば他の話のメモもすごくたくさんあるので、
まだまだ紹介したいなと思います。
とりあえずこんな貴重な話が、イベントという一過性のものだともったいないと思い、
ブログという形で書かせてもらいました。
楽しんで頂けたでしょうか?
ちなみに2月8日にも青山ブックセンターにて前田裕二さんのトークイベントがあり、
参加してきます!
もう満員ですが、こちらも面白い話が聞ければ(絶対聞ける)ぜひシェアしていきたいと思います!
それではまた!