ここでは、前田裕二さんの『メモの魔力』で紹介されている自己分析のやり方について紹介していきたいと思います。前田さんの紹介する自己分析の概要や手順は『メモの魔力』の中で、とてもていねいに書かれています。
一方でその自己分析が少し難しいと感じてしまう方も多いと思います。まずは最初の100問に答えるだけでも、自分の本質に迫れると言いますが、意外と簡単には進まない、と思う人もいるでしょう。
ぼくも最初はかなり苦戦しました。自分の幼少期のことなどあまり覚えていなかったり、抽象化の部分が難しいな、そもそも自己分析をする時間が思うようにとれない、という悩みを抱えていました。
しかし自己分析1000本ノックのうち、100問ほど終えた段階で、少しコツのようなものがつかめてきました。ここでは同じような悩みや疑問を持った方の役に立てるよう、『メモの魔力』式自己分析の手順のおさらいと、つまずきやすいポイントと対策を紹介していきたいと思います。
『メモの魔力』自己分析1000問の一覧
『メモの魔力』刊行当初に編集者の箕輪厚介さんが、自己分析の1000問を無料後悔してくれています。自己分析をやろうとしている方はすでに本書を購入済みだと思いますが、スマホでどこでも質問を確認できると便利ですよね?
この箕輪さんのツイートから自己分析1000問のPDFをダウンロードすることができます!
【無料公開】
『メモの魔力』特別付録「自己分析1000問」のPDFを無料公開します!
自分用やイベントなどでご自由にお使いください。
前田裕二流の自己分析のやり方は『メモの魔力』にもちろん書いてあります。笑 就活も仕事も人生もまずは自分を知ることから始まる!https://t.co/LEumPvsUPS@UGMD— 箕輪厚介 (@minowanowa) January 9, 2019
前田裕二さんが説く自己分析の重要性
自分を知る、自分はなにが好きで、なにをやりたいのか、ということは今の時代どんなスキルを磨くことよりも、重要な課題です。
そんなことは考えなくても、本能で生きていれば、それはそれでいいかもしれません。
しかし、自分のことをよく理解し、人生の軸が明確であれば、これからの時代をより有利に効率よく生きていくことができます。
前田さんも「自分を知ることの重要性」についてこう言っています。
今の時代、自分を知ることはすごく大切です。今後、お金をどれだけ持っているか、ではなく、人の感情や共感などといった「内在的な価値」こそが評価対象になるという「価値経済」が大きく勃興することは、ほぼ間違いないでしょう。そんな時代の中で、「自分をよく知って何かに熱中している人」こそ、多くの共感を集める人になる、すなわち価値を持つのだと強く思います。
本書『メモの魔力』にはなんと、1000問もの自分への質問が掲載されています。それだけ自分のことを考えれば、自分の核の部分、軸に辿り着けるでしょう。
前田さん自身も自己分析をノート30冊分やってきたというほどですが、この1000問を答え切ったら、「猛者」だというほどです。
自己分析メモの流れ
基本的なメモの流れは「アイデア生産のメモ」(以下参照)と同じです。これを自己分析に応用したらどうなるかを具体的にみていきましょう。
今話題で、2019年もっとも読まれたビジネス書である『メモの魔力』。いったい何がすごくてそんなに売れているのでしょう? ここでは、その『メモの魔力』のすごさ、紹介されているメモ術、著者の前田裕二さんについて、超カンタンに紹介していきた[…]
本書にも前田さん自身の具体例が載っています。「幼少期に苦しかった体験は?」「中学校時代に一番影響を受けた人は?」という質問が紹介されており、前田さんのメモの内容を見ることも自分の自己分析の参考になるはずです。
ファクト
これは自己分析1000問の質問に対する答えになります。できるだけ素直に答えるようにしましょう。
ポイントはできるだけ具体的に書いていくことです。「例えば?」「そのエピソードは?」「どんな気持ちだった?」などと質問を繰り返し、一つの答えを深掘りしていくことで、次のステップがスムーズになります。
小さな頃を思い出しての質問もあるので、忘れてしまったな、と思うかもしれませんが、名前や情景を具体的に書いていくことで、記憶がよみがえってくることもあります。また当時の記憶を呼び覚ますコツを下でも紹介しているので、参考にしてみてください。
抽象化
自己分析のための抽象化についてはこちらにも詳しく書きましたが、
ファクト、つまり質問の答えに対して、以下のような問いを自分に投げかけると、スムーズに抽象化が進みます。
- なぜ?
- つまり、どういうこと?
- 自分って本当は〜なんじゃ?
- その想いを他の言い方に当てはめられないか?
また三浦崇宏さんの『言語化力』を参考にして、以下のポイントを意識することでより客観的な考えができるようになります。
- 固有名詞を省く
- 時系列を無視する
- 行為と現象と関係性だけを抜き出す
今回紹介したい本が『言語化力』です。 最近では広告業界のみならず、TwitterやNewsPicksなどでも話題のクリエイター・三浦崇宏さんが、つまり言葉のプロ中にプロが「言葉」について語った一冊です。 言葉って、誰もが使えるし[…]
転用
自己分析での転用は、次につながる行動のヒントを出すためにやっていると言っても過言ではありません。
今すぐできること、5分後にすることは何か、ということを考えると、自分の今の生活に落とし込むことができます。そうして行動を変えて、はじめて自己分析になるのです。
- 今の自分に当てはめると?
- 〜(自分が今やっていること、目標)に活かすには?
という問いかけをしてみましょう。
即行動にうつせないようなものでも、赤字などで書いておいて、しっかり見返したときに目につくようにしましょう。
せっかく導き出した答えですから、書いて満足で終わらせないようにしましょう!
自己分析のコツ
自分年表の作成
『メモの魔力』の自己分析では、自分の幼少期から振り返る必要があります。しかし、そんな前のことをあまり思い出せないのに、その頃の理想の食生活や住居のことなんて思い出せませんよね?
そんなときにぼくが思いついた方法が「自分年表」の作成です。少しでも当時の思い出を掘り起こすために、1年ごとの出来事をわーっと書き出してみるのがおすすめです。マインドマップ方式(以下のようなもの)でどんどんキーワード関連させていくとよいでしょう。
このマインドマップは「XMind」というアプリで作成したものです。これは無料なのでオススメです!
1年という区切りで過去を振り返ると、意外と関連づいてさまざまな記憶が掘り起こされます。やってみて実感してみてください。
卒業アルバムを見返す
卒業アルバムを見返すのも、当時の振り返りとしては最適です。頭の中で考えていただけでは、どうしても記憶力には限界があります。
そこでビジュアルとして、過去の自分を振り返れるアイテムに頼りましょう。幼稚園、小学校、中学校などの卒アルや、当時の写真などは過去の自分を思い出すのに最適なツールです。幼稚園、小学校、中学校の各期間の記憶の区切りもしっかりできるので、ぜひ卒アルを探し出してみてください!
当時の自分のことを聞く
自分では思い出せない部分はどうしてもありますよね。そんなときは、親や友達などに聞いてみると良いでしょう。「自分ってどういう子どもだった?」「何が好きだった?」「何して遊んでいたっけ?」ということは人と話しながら理解できるものです。
話を聞いていると「あーそんなことあったな」「そのときはこんな思いをしたな」「そういえばその後にこんなこともあったっけ」と徐々に記憶の奥深くに入っていくことができます。
第三者に自分の過去を聞くことで、自分を客観視できるのもポイントです。
とにかくいろいろ経験する
自分の人生の軸を見つけるため、自分のゴールを明確にするためには、その理想像を思い描く必要があります。理想像がないと、転用のステップでどこに方向性を定めたらいいかかなり迷います。そしてその理想像は、知っていないと描けないのです。
まずはいろいろなことを経験して、その理想の断片に触れることが重要です。
前田さんも「タコわさ理論」として提唱していますが、タコわさを食べたことのない子どもは、タコわさを好きと言うことができません。それがどれほどその人にとって美味しい食べ物だったとしても、です。
「やりたいこと」「好きなこと」が大事って言うけど、どうやって見つければいいの?? 今後は多くの仕事がAIなどに取って代わり、人間が仕事をする1番のモチベーションはそれが「やりたいことだから」という理由になってくるというのは納得できます[…]
まだ見ぬ自分の可能性に気づくためにも、まずはいろいろやってみる。それもある程度の力をかけて、それが好きか嫌いかわかるくらいには深く没頭してみましょう。
おわりに
『メモの魔力』に収録されている自己分析1000問の中でも、特に最初の100問は自分を知る上で最重要ポイントです。まずはその100問にじっくり向き合ってみましょう。
忘れてはならないのが、目的は自己分析を解くこと自体ではなく、自分の人生の軸・ゴールを見つけることです。その人生の軸やゴールに向けて突っ走るための、スタートラインに立つための作業です。
毎日1問でも進めていくと数ヶ月後、1年後には全く違った景色を見ているかもしれません。そう考えると、わくわくしませんか?
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それでは楽しいメモライフを!