「これだけは読みたい」ビジネス書の古典的名著 10選

ビジネス書の古典

毎日200冊近くもの本が出版されている中で、ビジネス書の本質に触れたいなら迷わず古典を選ぶべきです。ビジネス書の古典と言っても何百年もさかのぼることはなく、せいぜいここ100年の間に出版されたものが多いので、「難しいそう」という心配はありません。

ここでは「一生のうちにこれだけは読んでおきたい」というビジネス書の古典的名著を10冊紹介します。それぞれ特徴があるので、まずは自分にあった古典から選んでみてください!

ビジネス書の古典とは?

ビジネス書といえば、最新の本が人気になる傾向があります。しかし、毎年相当数の本が出版される中で、良書とは言えない本もあることは事実です。

一方で、数えきれない本の中でも長く読まれ続けてきた「生き残り」が古典的な名著となります。ビジネス書の古典は、長く読まれているにはそれにふさわしい理由があり、選んでおけばほぼ間違いありません。

「古典は難しそう」という先入観はこの際捨て去りましょう。文学の古典と比べれば歴史は浅いですが、断然読みやすいと感じます。読みやすいのに効果は絶大です。

ぼく個人の感覚としては、古典を1冊読むのは、古典以外のビジネス書を10~20冊読むのと同じくらいの学びがあります。もちろん本の種類や内容にもよりますが、流行りの本を手当たり次第に読むよりも、古典一冊をじっくり読んだほうが、一生役立てたい深い学びが得られるという印象です。

必読のビジネス書の古典 10選

1. 7つの習慣

7つの習慣
7つの習慣

『7つの習慣』は古典と言っても1989年にアメリカで出版された名著です。世界中で最も有名なビジネス書の一つでもあり、人としてあるべき姿、育むべき人格について書かれた本です。

身につけるべき「7つの習慣」は自分自身に焦点を当てたものと、周囲の人との対人関係に焦点を当てたものに分かれています。第1の習慣「主体的である」から第7の習慣「刃を研ぐ」まで順番に積み上げていくことで、ブレない人間像の形成を手助けしてくれる内容です。

文章自体はとても読みやすく、約500ページと少しボリュームがあるので「読みやすさ」は星4つにしました。

出版年:1989年
読みやすさ:★★★★☆

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『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー

2. 思考は現実化する

思考は現実化する
思考は現実化する

『思考は現実化する』はアメリカで 1937年に出版されて以来、「自己啓発本の原点」とも称されるほど著名な古典ビジネス書です。この名著は、全世界で7000万部を売り上げていると言われていて、著者が人生をかけてあらゆる偉人たちの成功哲学を体系化した一冊です。

成功のために欠かせないことややってはいけないことがあらゆる視点で網羅されているため、読み手によって受け取り方も学ぶ内容も違うというのが特徴です。少しボリュームの大きい書籍ですが、18章に区切られ、どこからでも読めるようになっているので、自分が関心のある箇所を中心に読むのも良いでしょう。

出版年:1937年
読みやすさ:★★★★☆

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3. 人を動かす

人を動かす
人を動かす

ビジネス書の古典と言ったら連想する人が多いのが、『人を動かす』ではないでしょうか。このデール・カーネギーによる名著は80年以上も読み続けられる「コミュニケーション術」「対人関係」についてのバイブル的一冊です。

本書の最も重要な「人を動かす三原則」をはじめ、「人に好かれる」ため、「人を説得する」ための普遍的に大事なことが具体的な事例とともに解説されています。会社を含むあらゆる社会環境で活かせる実用的な対人スキルを身につけるのに最適なビジネス書です。

出版年:1937年
読みやすさ:★★★★★

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4. 道は開ける

道は開ける
道は開ける

『道は開ける』は『人を動かす』に次ぐデール・カーネギーの代表的なビジネス本で、「個人の悩み」がテーマになっています。仕事や私生活における悩みや不安の本質は、どの時代も普遍的に変わらないものです。

小手先のテクニック論ではなく、悩みの根本的な分析・解決の方法からそれらを未然に防ぐための心得まで、具体的な事例とともに解説されています。ビジネス書の古典の中でも読みやすく、長く役立つ内容なのでおすすめです。

出版年:1948年
読みやすさ:★★★★★

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道は開ける

5. 道をひらく

道をひらく
道をひらく

和製ビジネス書の名著と言えば『道をひらく』です。『道をひらく』はパナソニック(旧松下電器)の創業者・松下幸之助さんによる古典的名作で、1968年出版以来数多くのビジネスパーソンに愛されてきました。

松下幸之助さんが一代で築き上げた経営者としての人生経験を随筆という形で綴られていますが、その内容はビジネスの世界で現役で活躍する人の共感を呼ぶものとなっています。各章が短い構成なので、何度でも噛み締めて読みたくなる一冊です。また、続編として『続・道をひらく』も刊行されています。

出版年:1968年
読みやすさ:★★★★★

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松下幸之助の名言

6. 論語

論語
論語

「四書」の一つとして数えられる『論語』は、孔子とその弟子たちが残した中国の最も有名な古典です。聖徳太子や徳川家康といった偉人たちから、現代のビジネスの最前線を走る起業家や実業家にとっての愛読書でもあり続ける一冊。ビジネス書というカテゴライズが最適ではないかもしれませんが、その内容の普遍的だからこそ現代にも活かせる汎用性は、どんなビジネス書にも勝るとも劣りません。

いくつか翻訳がありますが、最も有名なのが岩波書店の金谷治さん訳注の『論語』でしょう。現代語訳も併記されていて、とても読みやすい形式になっています。他にも多数解説本などの関連書が出ているので、複数冊を参考にしてみるとより深くこの古典を楽しむことができるでしょう。

出版年:1999年 (岩波文庫 改訂新版)
読みやすさ:★★★☆☆

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論語 (岩波文庫)

7. 孫子

孫子
孫子

現代で最も読まれる中国の古典の一つとして『孫子』も挙げられます。『孫子』は中国の春秋時代に思想家・孫武によって作られた書物だと言われています。約2500年も前に書かれた本が、現代の経営者のトップ層であるビル・ゲイツや孫正義さんにも愛読されているのです。

群雄割拠の戦乱の時代に書かれた兵法書は、まさに今の時代の競争社会、特にビジネスの世界では応用できる点が数多くあります。『孫子』もやはり有名なのは岩波書店の金谷治さん訳注のものでしょう。関連本も多数出版されているので、理解を深めるなら合わせて読みたいですね。

出版年:2000年 (岩波文庫 改訂新版)
読みやすさ:★★★☆☆

8. 自省録

自省録
自省録

人としてのあり方、いかに人生を生きるべきかを説くヨーロッパの古典的傑作を言えば、マルクス・アウレーリウス(マルクス・アウレリウス)の『自省録』です。

ぼくたちが生きるこの激動の時代にあって、つい「人生において何が大切か」を見失ってしまう傾向にあります。このローマ皇帝が残した思索は、現代に生きる読者に多くの気づきを与えてくれ、人によって解釈の幅は無限とも言えます。岩波文庫の神谷美恵子さんの現代語訳はつまずくことなく読みやすいと感じました。

出版年:2007年 (岩波文庫)
読みやすさ:★★★★☆

9. 仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?
仕事は楽しいかね?

ビジネス書の古典的名著でありながら、入門書としての役割も果たしてきたのがデイル・ドーテンの『仕事は楽しいかね?』です。アメリカの実業家であり作家でもある著者が、仕事に対する価値観のあり方に焦点を当てた一冊です。

将来に不安を持つ35歳の会社員が主人公で、とある老人との対話の中で仕事において本当に大事なことに気づくという話です。その老人の話の中には、誰もが抱く問題や不安に関するヒントが散りばめられていて、現代のビジネスパーソンの心に響く点も多いでしょう。200ページにも満たないので読みやすくもあり、その中に濃密な教えが詰まっています。

出版年:1996年
読みやすさ:★★★★★

10. アイデアのつくり方

アイデアのつくり方
アイデアのつくり方

ビジネス書の主要テーマの一つである「いかにアイデアを生むか」の源流は、アメリカの実業家・ジェームス・W・ヤングが残した『アイデアのつくり方』と言えるでしょう。今でこそ数多くの「アイデア生産」についてのビジネス書が出版されていますが、その分野の古典的名著と言えば『アイデアのつくり方』です。

「どのような斬新なアイデアも既存の要素の組み合わせにすぎない」という本質を世に知らしめたのもこの一冊であり、あらゆる分野のクリエイターにとってはなくてはならないバイブル的な存在です。小手先のテクニックよりも、まずはこの一冊でアイデアの本質に触れたいですね。

出版年:1940年
読みやすさ:★★★★★

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最後に

気になる古典ビジネス書はありましたか?何十冊も何百冊も本を読む前に、まずはこの10冊だけでも押さえておく価値は十分にあります。今回紹介した本は古典と言っても比較的読みやすいものばかりです。それでもちょっとハードルが高いと思う人は、漫画版がオススメです。

これだけ有名な古典的名著には、だいたい漫画版が存在しており、重要事項だけ抽出して読みやすい形に編集されています。まずは入り口として漫画から読んでみるものおすすめです。

それでは楽しい読書ライフを!

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