『本を読む人だけが手にするもの』に学ぶ読書のコツと重要性

本を読む人だけが手にするもの

今回は藤原和博さん著『本を読む人だけが手にするもの』を通して、「読書がいかに重要か」「読書はいかに楽しいものか」ということを述べていきたいと思います。

藤原さんはリクルートに入社し、バリバリのビジネス業界で活躍ののち、大阪府知事の特別顧問や東京都初の民間人校長に就任するなど異色の経歴をお持ちの方です。今でこそ、教育というイメージが強いですが、そんな著者が読書にスポットを当てて買いた本が『本を読む人だけが手にするもの』です。

今さら読書の重要性?と思う方もいるかもしれませんが、「なぜ本を読むといいのか」という問いに真っ向から持論を展開しています。単純にますます本が読みたくなります!

読書はとっくの昔からあって、最も重要な学ぶための手段の一つであったことは誰でも認識していることです。一方、今やテレビやネット検索、動画など学ぶための手段は多様になっています。もちろんそれぞれに長所はあるでしょう。しかしそんな時代にこそ、読書が重要なのです。

正解のある勉強を頑張って「よい大学」に入り「よい会社」「安定した公務員」に入り、少なくとも課長くらいにはなれて、それなりの金額の年収を手にすることができた。

少し前まではそういう時代だったかもしれません。しかしもはや国家は年金を保証してくれるわけではないし、企業も終身雇用や退職金などを保証してくれません。たしかに親世代はそうだったかもしれません。会社に入れば安定して収入が増えていくし、会社にさえいれば退職金は約束されていました。おかげで住宅ローンを組んで一軒家を買うという「幸せ」をみんなが共有できたわけです。

しかし今、みんなが共通して持っている「幸せ」のイメージは一つではありません。環境が激変しているからです。では、決められた「幸福」のイメージがない中で、自分の幸せを見つけるにはどうすればよいのでしょうか。

それは、読書で深い思考や教養を身につけるに限ります。ここでは『本を読む人だけが手にするもの』を通して、読書で身につく力を解説し、さらには藤原さんが教える本の選ぶ方・読み方を簡単に紹介していきます。

『本を読む人だけが手にするもの』はどんな内容?

本書『本を読む人だけが手にするもの』では、一貫して読書の重要性やメリットをわかりやすく解説。「正解のない今の世の中」を生き抜く上で、自分の頭でしっかり考え、意見を持ち、自分の幸福とは何かを見つけることが重要で、それを手助けしてくれるのが読書だといいます。

今何を求められているのか、が「情報編集力」「複眼思考」という切り口で述べられています。そのスキルを具体的に読書でどう培っていくのか、本はどう読めばいいのかを自身の経験も踏まえて、わかりやすく教えてくれます。著者がこれまで読んできた3,000冊の中から厳選したおすすめの50冊も紹介されています。

読書で身につく力

まず、読書すべき理由は記事上部でも述べたとおり、自分にとっての幸福とはなにかを知ることでした。それを知る過程で、読書を通して身につく能力は計り知れません。本書では「集中力」と「バランス感覚」などさまざまな力が身につくと述べられていますが、ここで紹介したいのは、「よのなかを生きる力」と「複眼思考」の二つです。

よのなかを生きる力

よのなかを生きる力とは、言い換えれば「自分の意見を持つ力」ともいえるでしょう。今も昔もそうですが、世の中には正解のない問題はたくさんあります。例えば、「自殺は間違っているか否か」「この世はお金が全てか」などの問題です。このような問題には、Yes or Noの正反対の議論がなされることがしばしばです。こんなとき、説得力のある人の話などを聞いてしまうと、それが自分の意見かのように勘違いしてしまいます。

もちろんテレビのコメンテーターがそれらしい意見を言っていることもあるでしょう。発言する人によっては「これこそ正解だ」と思い込んでしまうこともあります。しかし、「テレビで言っていた」「新聞に書いてあった」などと全ての情報を鵜呑みにするのは危険です。著者は、よのなかを生きる力についてこう言います。

正解のない問題について話を聞き、情報を集め、自分なりに考え、議論することで異なる視点を得る。さまざまな考えを取り込みながら、試行錯誤することで自分の意見を進化させていくプロセスが大事なのだ。

片方の意見のみに偏って、もう片方の意見を吟味できないのは、読書をしないという要因が一つです。逆に言えば、本を読み比べるなどすれば、両方の意見を知ることができます。両論を加味した上で、自分の判断がくだせるのです。

複眼思考

複眼思考とは、物事を多角的に見るということです。上の「よのなかを生きる力」で述べた、両極の立場を知っ上で自分の意見を持つ、ということと似ています。「自分のアタマで考えて、主体的な意見を持つ」という本質は同じです。

21世紀型の成熟社会を生き抜くには、「上手に疑う技術」が必要になる。だから、情報に踊らされないためには、「個人的な体験」をする機会をできるだけ多く持つしかない。しかも、「リアルな体験」に越したことはない。

人の一生の時間には限りがある。(中略)本は、著者を通して「個人的でリアルな体験」を味わうことができる手段なのである。

「個人的でリアルな体験」はやはり強いということがいえます。たとえば、「マンガは子どもの教育に良くない」と主張している人がテレビに出ていたとしましょう。〜県の小学校の生徒に行った実験で証明されています、的な根拠も提示されていたとします。これを信じる人は結構多いかもしれません。「やっぱり子どもがマンガを読んでいたら注意をしよう」と考える人もいるはずです。

一方で、自分は幼い頃からマンガを読んできて、「登場人物に感情移入することで、人の気持ちがわかるようになった」「マンガで文章を読む力が鍛えられた」「想像力豊かになった」という経験を自分自身でしていたら、そのテレビの情報を鵜呑みにすることはありません。

そういう意味で「個人的でリアルな体験」はやはり強いのです。しかし、全部が全部自分で体験するというのは難しいものです。そこで効果的なのが、読書による擬似的な「個人的でリアルな体験」ができるのです。

偉人たちの自伝なんかは、その人の濃密な半生がまとめられていて、ものすごい質の高い擬似体験をすることができます。もちろんノンフィクションではなくとも、小説でも役に立つでしょう。

「幸せとはなにか」という問いに答えるためにも複眼思考は必須です。

本の選び方

本はどう選べばいいのか。これは人によって違うと思いますが、藤原さんおすすめの本の選び方が以下のとおりです。

  1. 特定の作家の本を5冊、10冊と図書館で借りるだけ借りる
  2. 表紙やタイトルを見て完成に引っかかったものを5冊ぐらいまとめ買いして読むパターン
  3. 献本してもらった本を読む→一般には向いていない
  4. 新聞の書評欄を見て、気になった本を読む
  5. アマゾンのリコメンド機能
  6. 自分のリスペクトする人のおすすめ

僕は基本的には本にお金を惜しみたくないと思っているので、本は買う派です。②、⑤、⑥を主な選書方法をしています。本書『本を読む人だけが手にするもの』に出会えたのも、⑤のアマゾンのリコメンド機能からでした。

アマゾンのリコメンド機能
こんなやつがアマゾンのリコメンド機能です

③は立場上、一般の人の参考にはあまりならないかもですが、①はとにかく無料というのがポイントですね。ラインナップやが限られているかもしれませんし、読みたい本が読みたい時に借りられる状態とは限りませんが、意外と使われていない方法かもしれません。

本の読み方

ではどんな本の読み方が理想的なのでしょうか。最も重要なことは、読書を習慣化するということです。本当に良い本というのはごく一部です。藤原さんも言っていますが、9割は自分の感性に引っかからないものと考えて良いでしょう。僕も感覚から言って、100冊読んで「何回も読み返したい」と思える本は5~10冊くらいな気がします。

ということは、いかにたくさんの本と出会うかというのがポイントです。もちろん、リスペクトしている人がおすすめする本を選ぶなどの方法をとれば、自分の感性に引っかかる本と出会う可能性は高まります(この「あうどく」ブログでも、厳選された良書のみを紹介し、できる限りあなたの感性に引っかけたいと思っています)。しかし基本的にはたくさんの本を、できれば多ジャンルの本を読むことが重要です。

読書を習慣にする

読書の習慣化が必要なのは、そういった理由からです。では、どうやって読書を習慣化すべきなのでしょうか。本を普段あまり読まない人も、何かを継続するのが苦手な人も多いでしょう。そんな人も含め、藤原さんはこう言います。

本を読むことを習慣化するには、半分強制するのも大事な手段だと思う。

つまりポイントは、無理矢理自分の生活に組み込むということです。何かを習慣化するときに、全く新しいことをはじめるのはハードルがかなり高いと思います。ですが、すでにあるルーティンの中に組み込むなら、できる気がしませんか?たとえば、

  • 朝起きてベッドの横から本を手に取る
  • 通勤中に本を開く
  • 夜寝る前に本を持ってベッドに入る

などなど、1日10分でもいいので、最初はハードル低くはじめましょう。

またカフェつき図書館や本屋併設のカフェなどもおすすめです。なぜならそこには本を前のめりで読んでいる人が多いからです。読書は伝染するものだ、と言います。なので

アウトプットを意識する

ただ目的を持たずに読書をするのはもったいないです。モチベーションも上がりませんし、読書の目的を見失っては元も子もありません。なので、読書に出口を見出すことが重要です。
なぜ、アウトプットが大切なのかといえば、本を読んで、それを「自分の意見にまでつなげることができる」という成功体験になるからだ。
つまりアウトプットをすることで、自分の意見を持つことを意識できるとともに、しっかりした文章を書くことができます。そのアウトプットが何かしら相手に伝えるようなものであれば、「ちゃんとした文章を書こう」と思えるので、より洗練された文章になります。また「自分の意見を書けば書くほど、論理的な整合性が深まってくる」というのも事実だと感じます。
アウトプットの手段はなんでもいいと思います。メモでも、人に話すでも、ブログやツイッターでもいいのです。自分に会った方法を見つけましょう。
遠足は帰るまでが遠足であるように、読書はアウトプットするまでが読書だと、思いましょう。自分の考えを言語化することによって、頭の中で考えているよりはるかに深い思考を自分がしていたんだと気づけるはずです。

明日からはじめよう!

『本を読む人だけが手にするもの』から学ぶべき、明日からはじめられる行動内容は、

気になっている本をベッドに持ち込み、10分読書

です。かなりハードルが低いはずです!できればスマホは放置がいいです。本に集中できますし、睡眠の質も良くなるはずです。気になる本がない場合は、本書『本を読む人だけが手にするもの』を選べば、間違いないですし、次の本がスムーズに選べます。巻末に、藤原さんがこれまで読んできた3,000冊の中から厳選したおすすめの50冊が紹介されているからです!

他にも学べること

□おすすめの50冊

□純文学の重要性

□読書で磨くコミュニケーションする力

□読書で磨くロジックする力

□読書で磨くプレゼンテーションする力

etc.

今後、読書を習慣にしていきたい、と思っている人にぴったりの一冊目がこの『本を読む人だけが手にするもの』だと思っています。これから読書から得られるものを考えれば、1,400円なんて微々たるものにすぎません。自己投資の一歩としていかがでしょうか。

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