Being型のススメ: 「好きなこと・やりたいこと」は無くてもいい

Being型のススメ

理想の仕事につくためには「好きなこと」や「やりたいこと」を見つけなければならない。

そう考えていませんか?

たしかに、仕事を選ぶ、ひいては何をして生きていくかは誰もが答えを求める命題だと思います。「これに一生を捧げるんだ」という「好き」や「やりたい」が見つかれば、もちろんそれは幸せなことでしょう。好きなことを仕事にして成功している人もたくさんいます。

しかし、どれだけ探しても、あれこれ考えても、「これだ」いうものが見つからない人は多いと思います。もしかするとそれは何年。何十年考えても見つかることはないかもしれません。

それもそのはず。北野唯我さんのベストセラー『転職の思考法』では、99%の人間は「心から楽しめること」なんて持っていないし、必要でもないと言うのです。

だとしたら、もう無駄なストレスや劣等感を感じるのは、やめにしませんか?「必ずしも心から好きなこと・やりたいことを持たなくてもいい」ということを知るために、2タイプの人間、つまりto do型とbeing型がいるということを理解しましょう

『転職に有利な3つの「マーケットバリュー」』で紹介したように『転職の思考法』では転職に必要な自分の市場価値の重要性や会社選びのポイントが解説されています。一方で、自分にとって最適な会社・仕事選びができるよう、その人のタイプに合った方法を提案してくれています。

このto do型とbeing型の違い、そして気づかないが圧倒的多数であるbeing型の幸せな会社や仕事の選び方、働き方を解説していきます!

-あなたはto do型、being型のどちらでしょう?

まずあなたが「to do型」なのか「being型」なのかを判断してみましょう!

・to do型: 何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている。
・being型: どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する。

「to do型」の人には「会社を成功させたい」「このサービスを世界に広めたい」という目標や夢があります。すでに「やりたいこと」は明確で、何を差し置いてもそれを優先するので、手段や環境はそれほど重要ではありません。多くの成功者がメディアに露出する際はこのタイプの人が多いので、「やりたいこと」や夢を持つことは重要だと語り、「そうしないと成功はつかみとれないんだ」と思ってしまいがちです。

しかし、世の中には異なるタイプつまり「being型」が存在します。むしろ99%の人がこの「being型」だと『転職の思考法』では述べられています。まずは自分が「being型」である可能性をじゅうぶんに認識することが大切です。

重要なのは、どうしても譲れないくらい「好きなこと」など、ほとんどの人間にはない、ということに気づくことなんだよ。

そして「being型」にとっては、心から楽しめることではなく、心から楽しめる「状態」が必要なのです。

-being型に重要な2つの状態

自分の状態

being型の人にとって、心から楽しめる「状態」が重要な要素であり、その状態は大きく分けて2つあります。一つ目が「自分の状態」です。

この「自分の状態」に必要なのは「自分の強さ」「自分への信頼」です。RPGのようなゲームを想像してみましょう。主人公を操作してストーリーを進めていくゲームが楽しいのは、適切な強さで敵を倒せるからです。これは仕事にもいえます。ある程度の能力や経験があって、仕事は楽しくこなすことができます。それは成果を挙げないよりは挙げれる方が楽しいと思えますよね?ここでいう自分の「強さ」とは、マーケットバリュー(市場価値)です。技術資産、人的資産、業界の生産性で構成されるこのマーケットバリューを高めることで、好ましい自分の状態を築くことができます

▽マーケットバリューについては以下で詳しく説明しています!▽

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転職のマーケットバリュー

自分への信頼とは「自分に嘘をつかないこと」です。いくら強くなっても、仕事で嘘をついている限り自分を好きにはなれないのです。「to do型」の人は、目指すべきゴールにさえたどり着ければ、自分が好ましくない状態でも「しかたがない」と割り切ることができます。重視すべきは状態ではなく、「やりたいこと」だからです。

しかし「being型」は最も重視すべき「状態」に対して嘘をついてしまうと、もう逃げ場がありません。自分では価値がないと思っている自社製品の営業をしている人は、その製品に自信が持てません。嘘をついているからです。嘘をゼロにすることは難しいかもしれません。しかし、自分の内側で常に自分の本音と向き合い、できるだけ正直な選択をし続けることで、好ましい自分の状態へと近くことができます。

環境の状態

being型の人にとって重要な「状態」のもう一つが「環境の状態」です。

「環境の状態」とは要するに「緊張と緩和のバランス」です。よくアスリートが超集中状態(フロー状態)になるには、緊張しすぎててもリラックスしすぎててもよくないと言われます。それに近い考え方が職場でもいえます。

まずは自分が職場で強い緊張を感じた場面を紙に書き出してみましょう。それらをいい緊張と悪い緊張に分類します。大きな案件を取るための取引先へのプレゼンはいい緊張だったかもしれません。売上成績を掲げる上司からのプレッシャーは悪い緊張だったのかもしれません。

そうしてこれまでの緊張の場面を数え、悪い緊張が10以上ある場合は職場を変えることが推奨され、いい緊張が3つ未満の場合は新しいことやより難しい業務に挑戦すべきだといいます。

この「緊張と緩和のバランス」が好ましい環境の状態を築き上げるポイントです。

-being型でも「ある程度」好きなことを見つける方法

そうは言っても、自分をよく知り、好きなことを見つけ、それを仕事に関連させていきたいと思う人もいるのではないでしょうか。being型の人でも、「これは絶対に譲れない」という程強くないにしても、「ある程度」好きなことなら見つけられます

【being型の人が好きなことを見つける方法】
他の人から上手だと言われるが「自分ではピンとこないもの」を探す
普段の仕事の中で「まったくストレスを感じないこと」から探す
being型の人間にとって、好きなことは、見つけるものではない。見失うものなのだ。
子どものときには誰もが「〜になりたい」「〜をしたい」というような夢があったと思います。しかし大人になるにつれて、その夢は忘れ去られていくことが多いのです。つまり自分が好きなことのヒントはすでに自分の中、過去にあります。
まず①は、「自分ではピンとこないもの」というのがポイントです。好きなことというのは自分ではごく自然にできてしまいます。それは他人から評価されて初めて特異性に気づくものかもしれません。小さなことでも周りから褒められることが今まであったこと、ということを振り返ってみましょう。
②も周りとの比較がポイントになります。他の人にとってはストレスを感じることだが、自分では全くストレスに感じないということが今の仕事にないでしょうか。毎日新しい人と会うのがまったく苦にならないという人もいれば、人と会うのが苦手という人だっているわけです。あなたの当たり前は実は他の人にとっては特別だというケースは多々あります。
このように「ちょっと好き」「小さなやりたいこと」を見つけていくことが、being型の人にとっての幸せにつながり得るのです。

いかがでしたか?世の中には「to do型」と「being型」の人間がいて、「やりたいこと」「好きなこと」がなくてもいいんだ!と思えただけでも気が楽になったのではないでしょうか。もし「being型」だと思った人は、好ましい「環境」を意識して生活していきましょう。そして少しずつ「ちょっと好き」「小さなやりたいこと」を見つけていけばいいのです。
まずは、あなたが「to do型」なのか「being型」なのかを見極めてみましょう!
これは仕事選びにもとても役立つ考え方で、今の時代に知っておくべき転職の知識が余すことなく解説されているのが『転職の思考法』です。新卒での会社選びにも当然役に立つ知識です。ぜひお手に取ってみてください。

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