転職に有利な3つの「マーケットバリュー」

転職のマーケットバリュー

「このまま今の会社にいていいのか?」

社会人なら一度はそんな思いを抱いたことはありませんか?実際に転職するかしないかは別にして、一つの選択肢として転職についてしっかり考えておくことは誰にとっても有益です。

一時代前のような終身雇用という考え方を今も持っているとしたら、なおさら転職の現実について知っておくべきです。この不確定要素が多く、未来を見渡せない現代においてどんな大企業も自分の雇用を一生守ってくれる保証はありません(現に最近でも大企業が破産申請するなどしていますよね…)。

ここでは北野唯我さん著『転職の思考法』をもとに、転職時に自分を有利な立場におけるよう、3つの要素から構成される「マーケットバリュー」という考えを紹介します。このマーケットバリューさえ意識しておけば、転職をせずとも今いる会社とも対等に付き合うことができます。さらにいい会社選びのポイントについても解説していきます

ちなみに、北野唯我さんといえば本書の翌年2019年に出版した『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』が「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」に選ばれたことでも知られています。そして『転職の思考法』もあの佐藤優さんに「転職に関するイメージを根本から変える画期的な作品」だと言わしめる一冊です。

-転職に必要なマーケットバリューとは何か?

どこの会社にいても一生食べていける人が意識していること、それがマーケットバリュー(市場価値)です。会社の中での評価や上司の目だけを気にしているのとは違い、世の中の市場からみた自分の価値を理解することが重要です。

転職におけるマーケットバリューは技術資産人的資産業界の生産性の3要素で構成されます。これらの要素を大きくすることが、自分のマーケットバリューを高める方法であり、転職にも有利に働きます。では各要素の説明を以下でしていきましょう。

-マーケットバリュー① 技術資産

技術資産は「専門性」と「経験」から成り立っているマーケットバリューです。

「専門性」とは職種に近いようなもので、営業やマーケティング、会計、税務、プログラミング、デザインなどを指します。そのような仕事の中でその職種特有のスキルが専門性につながるわけですね。

一方で「経験」は職種に紐づかない技術を指し、専門性よりもっと幅広いものです。事業部長やプロジェクトマネージャーなどチームを率いたような経験がこれに当たります。また業界経験そのものもこの「経験」に該当します。

本書『転職の思考法』で登場する印刷機器の法人営業をしているビジネスパーソンを例にとると、法人営業や新規開拓営業が「専門性」で、印刷機器の業界経験が「経験」に当たります。

どちらを優先すべきかというと、「20代は専門性、30代は経験をとれ」ということがいえます。専門性のある人にこそ貴重な経験のチャンスが回ってくるからです。

まずは自分の仕事を棚卸するように洗い出してみると、どれが専門性でどれが経験に当たるかを把握することができるので、一度やってみましょう!

-マーケットバリュー② 人的資産

人的資産は簡単にいうと人脈です。どの業界にも、人脈だけで仕事を取ってこれるような人がいます。その人だから動いてくれる社内の人、転職したとしても変わらずその人に仕事をくれる人。それが人的資産です。

先ほど「20代は専門性、30代は経験をとれ」と言いましたが、40代は人脈が重要だといいます。

ビジネスの世界を見ると、優秀な人ほど意外と、あの人が言うからやろうとか、あの人のためなら一肌脱いでもいいとか、「貸し借り」で動いている

若いときにはこの恩恵は感じづらいかもしれませんが、後々に重要なマーケットバリューになるのだそうです。

あすどくくん
この人的資産は、その人の性格やコミュニケーション力によるものもあるかもしれませんが、やはり重要なのは技術資産な気がします。信頼できる能力や実績があるからこそ、「この人に任せたい」となりますよね。

-マーケットバリュー③ 業界の生産性

マーケットバリューに重要な3つ目の要素が業界の生産性です。これは「その業界にいる人間が、平均一人当たりどれほどの価値を生み出しているか」を指します。これは個人ではどうにもならないもので、業界に依存するマーケットバリューなので、どの業界に身を置くかが重要になってきます。

同じスキルや労力をかけても、業界によっては20倍もの生産性の差が生まれ、給与も10倍ほど異なることがあります。よく知られる「激務産業」の中でも、金融やコンサルタントは給与が高く、ウェディング業界は低い傾向があるのは、この業界の生産性が異なるからです。

技術資産や人的資産がない人でも、転職時に業界を選ぶだけでマーケットバリューを高めることができるので、この業界の生産性はぜひ考慮したいものです。ただ全員が生産性が高い業界に興味を持てるかというと、もちろんそんなことはありません。

そこでもう一つの業界選びの判断軸が、伸びている産業かどうかです。まだニッチだけど価値ある商品やサービスを提供している業界や、その価値に気づきこぞって人やお金が集まっているような業界です。本書では「伸びるマーケットを見つける二つの方法」が示されています。これは転職の会社選びにはとても参考になるのではないでしょうか。

【伸びるマーケットの見つけ方】
①複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目する
②既存業界の非効率を突くロジックに注目する
①の方法は、ベンチャーや投資の動向に注目するものです。ベンチャー企業は資本力や人数では大企業には勝てないので、世の中の波に乗る戦略で勝とうとします。「本当の意味で伸びているマーケットには、いずれ大企業の競合となるようなベンチャーが複数いる」といいます。
また②は少し難易度が難しいものですが、業界の長年の常識を打ち破りイノベーションを起こす可能性のある業界を選びます。例えば、先生が毎回授業をするという非効率を逆手に取り、1回の授業を動画に録り、それを今後の授業で使うことができれば生産性は大きく向上します。紙主体の銀行業務を全てデータ化できれば、作業効率も上がり収納スペースも小さくおさめることができるかもしれません。
このように伸びるマーケットを見てみることで、あなたの会社選びの選択肢が広がるはずです。ベンチャー企業の情報を更新するウェブメディアも数多くありますし、「ベンチャー企業100選」のような企画をする雑誌なども定期的に見かけます。そのような情報源で分析してみるといいかもしれません。

 

以上が転職時に有利になるマーケットバリューの詳細でした!一つの会社で働いていると、ついついその会社の中だけのルールに縛られてしまい、自分を市場全体から俯瞰することは難しいものです。しかし自分の市場価値を高め、他の会社という選択肢を持つだけで、今いる職場でも会社や上司と対等な立場で仕事をすることができます。

まずは自分の仕事についての技術資産を「専門性」と「経験」に分けて、棚卸してみましょう。

その他にも本書には「転職先となる具体的な会社の選び方」「いいベンチャーを見極めるポイント」「新卒で入るべき会社と、中途で入るべき会社」「いい転職エージェントの選び方」など転職に役立つ本質的なアドバイスが詰まっています!またそれらもまとめて記事にしたいと思いますが、気になる方はぜひ『転職の思考法』を読んでみてください!

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