原体験を掘り起こし、自分の軸を見つけよう!【原体験ドリブン】

原体験ドリブン

「やりたいことが見つからない」

「今やっていることがそもそもやりたいことなのかわからない」

そんな人におすすめな本が、チカイケ秀夫さんの『原体験ドリブン』です。

自分の過去にさかのぼり、今の自分をつくりあげる「原体験」を掘り起こし、自分の軸を明確にしよう、という本です。

原体験とは、自分のルーツであり、物事の判断基準や価値観の根底にあるものです。
よく、「あの人は軸がブレない」と言われる人がいますが、まさにこの原体験からくる自分の軸が明確になっているからなのです。

山を旅するバックパッカー
原体験とは過去から現在の自分へと続くストーリーなのです。

この原体験を見つけると、人生の重要な局面から日常のちょっとした判断での選択がうまくいきます。
なぜか?

この原体験というのは自分の中にあるものなので、外部要因によってブレてしまうことはありません。変わらないものであり、自分だけのオンリーワンの価値観なので、自分に対する説得力が強いのです。

「これをやりたい」ということが原体験によって導き出されると、自分の内なる動機が原動力なので、長続きします。何かに刺激された「思いつき」とは違い、つまづいても何度でも立ち上がれる「思い」から来るものだからです。

この原体験は誰にでもあるものです。ポジティブなものであれネガティブなものであれ、今の自分に強い影響を与えた過去の体験というのは誰しも持っています。その探し方を知らないだけなのです。

ここでは、『原体験ドリブン』で紹介されている、原体験の見つけ方を簡単に紹介します。

原体験ジャーニー

原体験を掘り出すプロセスを形式化したものが、原体験ジャーニーです。

原体験ジャーニーは「過去の体験、今の自分に大きな影響をおよぼした体験を無意識から意識の領域へとひっぱり出すための作業」です。

本書『原体験ドリブン』では一人でのやり方とペアワークのやり方の二通り紹介していますが、ここでは一人での原体験の見つけ方に焦点を当てたいと思います。

ペアワークでは自分では思いもよらなかった記憶が掘り起こせる可能性があるというメリットがあります。一方で、一人だと手軽に行えるというのと、気兼ねなく恥じらいもなくネガティブなこともさらけ出せるというメリットがあるので、まずは自分一人での作業をおすすめします。

手順は以下の通りです。

5つの質問に答える

  1. 今やっていることは?
  2. 時間を忘れてできることは?
  3. 好きな言葉は?
  4. やりたくないことは?
  5. 将来やりたいことは?

まずはこの5つの質問に答えてみましょう。この際ノートや紙を横にして使います。以下の形を参考にしてみてください。

原体験ジャーニーのノートの書き方イメージ
原体験ジャーニーのノートの書き方イメージ

そしてその各々の答えに対して、「なぜ?」という問いかけをしていき、その答えに対してまた「なぜ?」を問いかけましょう。これを最低5回繰り返します。この問いかけは必ずしも「なぜ?」である必要はありませんが、本質に近くのに最適なと問いがこの「なぜ?」なのです。

また、質問するにつれて過去にさかのぼる、ということも意識しましょう。

ゴールはありませんが、3才前後の体験までさかのぼれればベストです。

振り返りで原体験を見つける

「宝物」が詰まった自分だけの原体験マップが作成できたら、それを振り返ります。

ここで自分にとっての原体験を見つけるのです。原体験を特定する明確な基準のようなものはありませんが、いくつかの作業をしていく中で「自分に最も影響を与えた体験」が明確になっていきます。

  • 現在と直接つながりがある体験と一番過去まで辿る
  • 体験と別の体験が関連していれば線で結ぶ
  • 繰り返し出てくる言葉や価値観をチェックする
  • 強い影響を与えたと思う体験をぐるぐるで囲む

以上の作業で、「この体験があったから今の自分があるんだ」という納得感が自分にあれば、それが原体験です。この原体験ジャーニーは一度ではなく、納得できなければ何回でも試すべきです。

家族や周りの環境によって生まれていた思い込みや過去にとらわれていたネガティブな出来事を、掘り出すことで、「今思えばこんなの気にしなくてよかったんじゃ?」「今なら逆にポジティブに変換できる」と思えることがあります。

誰に見せるでもないこの原体験マップには、自分をさらけ出して全てを書きましょう。

原体験を自分の軸に変える

原体験が見つかったら、そのままで終わりにするのはもったいないと著者は言います。

その原体験を自分の人生の軸に反映し、今後の行動指針にすることで、本当に自分がやりたいことを生活に組み込むことができます。

そのためには、ここでも5つの質問に答えていく必要があります。

  1. 強い原体験は?(原体験ジャーニーで明確になったはずです。)
  2. 過去の自分にアドバイスをするとしたら?
  3. あなたの価値観は?(②の言葉を抽象化して、自分の価値感のレベルで言い換えてみましょう。)
  4. 過去の自分と同じ状況にある人は誰か?(身近でも不特定多数の人々でも)
  5. あなたのもっている手段は?(④の人のためにあなたができること)

上記の項目を明確にすることで行動につなげることができます。

解像度が高い答えを出せれば、直接ビジネスに結びつくことだってあるかもしれません。そうでなくとも、自分のやりたいことや生きがいが明確になるでしょう。

重要なのは、この答えにある根底にはあなたにしかない原体験があるということです。自分への説得力があり、周りへの共感力を持ち、いざというときには世の中(市場)への貫通力を備えています。

自己分析との違い

自分自身を深掘りしていくでやりたいことを見つけるという手法は、「自己分析」が一般的です。原体験ジャーニーと自己分析はそれぞれにメリットがあります。

自己分析は正しい方法でやれば、自分の根幹にたどり着くことができます。本当に自分がやりたいことも見つかる可能性が高いでしょう。しかし慣れるまでは、自分自身に向かって問いを投げるという少し抽象度が高い作業が伴います。

一方で、原体験ジャーニーは自分自身についてというよりは、自分が体験した事柄に焦点を当てるので、具体的で難易度は低めです。結果的に自分自身についてよく知ることができるのです。

どちらかを選ばなくてはいけないというわけではないので、就活や転職などの人生のターニングポイントにはぜひどちらも試してみることをおすすめします。

自己分析をするには圧倒的に前田裕二さんの『メモの魔力』がおすすめで、そこで紹介されている自己分析を紹介した記事もあるので、ぜひ↓↓

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明日からはじめよう!

本書『原体験ドリブン』に学ぶべき、明日からはじめられる行動内容は、

5つの質問に答えて原体験を見つける

です。
5つの質問とは、「原体験ジャーニー」の導入の部分で紹介したこちらの問いかけです。

  1. 今やっていることは?
  2. 時間を忘れてできることは?
  3. 好きな言葉は?
  4. やりたくないことは?
  5. 将来やりたいことは?

「わからない」などのあいまいな言葉さえ避ければ、単語でもいいので、とにかく書き出してみましょう!

原体験ジャーニーの具体例やペアワークのやり方など、もっと原体験について知りたいという方は、お手にとってみてください!

▽他にもオススメしたい本がたくさんあります!▽

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