1冊30分でしっかり理解できる速読法

宇都出雅巳 『どんな本でも大量に読める「速読」の本』
僕は読書が趣味の一つで、本(特にビジネス書)をたくさん読みますが、常日頃思うことがあります。
「もっと速くたくさんの本を読めないかな」
これはすべての読書家が一度は考えると言っても過言ではないテーマではないでしょうか。
そこで興味をもったのが速読です。
よく書店で「1冊5分で読めます」みたいな売りの速読本を見ますが、
正直初めは胡散臭いなぁ。
ちゃんと内容理解はできないよなと思ってました。
しかし本当に少しでも早く本が読めたら、という思いは心のどこかに残っていました。
そして見つけた本がこちら。
宇都出雅巳 『どんな本でも大量に読める「速読」の本』
僕が共感する読書本を出している宇都出雅巳さんが速読の本を出しているのを知り、読んでみると、
「思ってた速読と違う」
「ちゃんと内容も理解できるんだ」
と速読に対する見方が変わり信用できるものなんだという認識に変わりました。
本当に知ってよかったことがたくさんあったのでなの速読術を紹介したいと思います。

ストックリーディング

本書で紹介されている速読法を僕は個人的に「ストックリーディング」と呼ばせてもらってます。
特徴は目を素早く動かすなどの速読技術よりも、読者の持つストック(知識・情報・経験など)が速読により重要な役割を果たすというもの。
簡単にいうと
速読力=速読技術×ストック
速読技術も役に立つものは確かに存在するということは認めつつも、何より重要なのはストックだと言います。
知らないことを速読するのは難しい(もしくは不可能)というわけです。
例えば以下の文章をパッと見て、すぐに理解できるでしょうか?
「に上も三の石年」
そうです。
「石の上にも三年」ですよね
これはなぜめちゃくちゃな文字列なのに即座に理解できたかというと、あなたが「石の上にも三年」という言葉を知っていたからです。
逆にこれはどうでしょう?
「産はな者心き恒しな恒」
理解できない人が多数なはずです。
ちなみに「恒(つね)の産(なりはひ)なきは恒の心なし」という言葉が出来上がるらしいです。
気づいた方もいると思いますが、その言葉を知らない(ストックがない)からわからなかったわけです。
世に出回る速読術でここの説明を無視しているものが多いと筆者もいいます。
つまり「に上も三の石年」を例題に出して、
「ねっ?簡単でしょ?こういうトレーニングをすればあなたも1冊5分で読めてしまいます」などということになるわけです。
しかしこの大切なのは順序バラバラな言葉を正確に直す力よりも、知識や情報などのストックだとわかって頂けたと思います。
つまり人は、外の情報を見ているようで実は頭の中にある情報を見ているということですね。
ではストックがないと速読ができないという前提なら、最初は速読なんてできないじゃん。
と思うかもしれませんが、それでも速く1冊30分で読める方法を教えてくれているのが本書です。
その速読法とはズバリ、「繰り返して読む」高速回転法です。
もちろん今まで通りの速さで何度も読めと言っているわけではありません。
いかに1回あたりの時間を短くして回転数を増やすかということが大事なので、一回で全てを完全に理解しようという考えやクセは捨てる必要があります(僕もこの考えを抜くのはかなり苦労しました)。

原則

この「高速回転法ストックリーディング」での原則は2つあります。
①速く読むから理解できる
②1回目よりも2回目の方が速く読める
①1冊に1週間、1ヶ月とゆっくり読んでいると最初のほうの内容も忘れてしまいがちだし、内容の全体像を見失ってしまうことってありますよね。
速く何回も読んで理解できないことは精読しても理解できるとは限らないのです。
②当たり前のようですが、2回目読むときには1回目読んだストックがあるので、スムーズに読めます。
3回目、4回目と回数を重ねるごとにストックは雪だるま式に増えてスピードも上がります。
また繰り返し読むので、わからない箇所を無理してわかろうと立ち止まることもなくなります。

速読のやり方

では具体的な高速回転速読の読み方ですが、
所要時間は30分が目安です。
人や本によってもちろん時間は変わりますが、最低限30分かけなくては、誤解したまま本を読んでしまう恐れがあると筆者は言います。
さらに本を読む順番ですが、頭から最後まで読むわけではありません。
以下の順番と所要時間を目安にしましょう。
読む順番
①目次 (1分で5回転/腑に落ちない場合は2分で10回転)
②まえがき・あとがき (5-6分で10回転)
③本文見出し (5-6分で3回転)
④本文の気になる言葉・箇所 (15分で数回転)
やってみるとわかりますがかなり高速で読んでいく必要があります。
なかなか難しいと思うかもしれませんが、以下のコツをつかむと簡単です。
音にしない→音読・黙読をしてしまうとスピードが落ちてしまうので、音にしないでスーッと進んで行くイメージです。
わかろうとしない→いちいち意味を理解しようと集中すると視野が狭くなってしまって、これもスピードを落としてしまうためです。
30分読み終わったら振り返ってみましょう。
どのくらいその本を理解したのか、わからなかった箇所はどんなところか。
より興味を持ったらもっと読むのもいいでしょうし、もうこんなもんかなと思ったら要点だけ吸収して終わりにしてもOKです。
そして読み終わっても長く付き合っていく本も出てくるでしょう。
わからないことが多かった本の方があなたを成長させる糧になることも十分に考えられます。
逆に全て簡単に理解できてしまった本はあなたにとってそんなに新たな学びもなくつまらないものだったかもしれません。
速読とは情報をたくさん高速で処理するためではなく、たくさんの本と出会うためだと筆者は言います。
これには僕自身すごく共感しました。
▽より詳しくこの宇都出式速読法を知りたい方はぜひ本書を手にとって見てください。もっとコツが載っています!▽

速読本をいくつか読んでるので、また違った速読法も紹介していきたいと思います。
それでは!

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