『7つの習慣』の最初に紹介される第1の習慣「主体的である (Be Proactive)」についてわかりやすく解説していきます。
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今回は、どうしても紹介したい本があるので、その本について解説していきます。 その本とは、スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』です! 不朽の名作『7つの習慣』は、1989年にアメリカで出版されました。日本でも1996年に出版[…]
第1の習慣「主体的である (Be Proactive)」
『7つの習慣』は簡単に言えば、成功をつかむために必要な本質的な姿勢を学べる本です。
本書ではその成功を、「私的成功」と「公的成功」の二つに分けて説明します。
私的成功は、まずは自分自身が自立することで成功への道が開かれるというものです。一方で、公的成功は、他人と関わることによってはじめて、個人では成し得ないような大きなことも実現できるというものです。
『7つの習慣』では、公的成功まで成し遂げてはじめて一人前だと主張されていますが、まずは私的成功なくして、公的成功は築けません。
この私的成功の第一歩であり、「7つの習慣」の全ての土台となるのが、第1の習慣です。
あなたは、主体的か反応的か
第1の習慣「主体的である」は、「7つの習慣」の中でも最重要項目であると言えます。理由は、全ての習慣の根本にあるインサイド・アウトの考えを最も色濃く反映している習慣だからです。
インサイド・アウトとは、他人や周りの環境のせいにするのではなく、まずは自分から変わっていこうというものでした。
この「主体的である」ことは、まさに自分自身のありようが重要になります。
著者は「主体的である」ことについて、このように説明します。
主体性とは、自発的に率先して行動することだけを意味するのでない。人間として、自分の人生の責任を引き受けることも意味する。
主体性と聞くと、自発的に行動するというような意味を連想しがちですが、そればかりではありません。もっと広く言うと、自分自身に責任を持つということなのです。
主体的な人とは逆の「反応的な人」について考えてみましょう。
自分が何かネガティブな影響を受けてしまったとします。家族や友人とのケンカ、上司からの不条理な叱責、自然災害による被害。
このような場合、反応的な人は(というかかなり多くの人は)、それらを自分以外のせいにします。ケンカの原因となったのは相手だ。理不尽な上司が悪い。自然には逆らえない。つまり、
反応的な人は、その時どきの感情や状況、条件づけ、自分を取り巻く環境に影響を受ける。
また、こうも言えます。
私たちは自分の身に起こったことで傷つくのではない。その出来事に対する自分の反応によって傷つくのである。
つまり、上司に怒られたという事実よりも、それによって怒りの感情を持ったりショックを受ける自分自身が問題を生み出しているのではないでしょうか。
主体的な人と反応的な人とを分けるのはまさにこのポイントです。
何が起ころうとも、それが自分に与える影響を自分自身の中で選択することができたのだ。
この何か起きたときの「刺激」は自分でコントロールできるものではありませんが、どのように「反応」するかは、自分でコントロールできることなのです。
関心の輪と影響の輪
主体的であるために理解すべきポイントがもう一つあります。それは「関心の輪」と「影響の輪」です。
まず、自分が時間とエネルギーを何にかけているかを考えてみましょう。家族や健康のこと、仕事のこと、あるいは国政情勢に関心を持っていたりするかもしれません。それがあなたの「関心の輪」です。
そして、その「関心の輪」の中では、自分がコントロールできるものとコントロールできないものが存在していることに気づくはずです。
国際的な戦争や貧困問題などは自分がコントロールできるものとは言えませんが、自分の健康のために食生活に気をつけたり、運動するということは自分次第の問題です。このように自分でコントロールできるものや影響を与えることができるものを、「影響の輪」と呼びます。
つまり自分が抱える関心事や悩みなどは、「影響の輪」の中にあるか、外にあるのかを見極めることが重要です。
上手くいかない人は「アウトサイドイン(自分の外に問題があると考える)」の考えを持ちます。一方で、「インサイドアウト(自分の内に目を向けるべきと考える)」の考えを持つ人は、「影響の輪」の外のことにエネルギーや時間を使っても浪費でしかないことを知っています。
自分の内面にあるものを変えることで、外にあるものを良くしていくという考え方だ。
相手に責任があると思われる場合も、他人を直接コントロールすることはできないので、まず自分がでできること・変われることを探します。天気や災害など完全にコントロールが不可能なものでも、それを受け入れます。その上でどのように受け入れ、行動にうつすかというのは自分自身が選択できることです。
このようにして「影響の輪」を少しずつ広げていくことで、間接的に「関心の輪」の中での影響力が大きくなっていくのです。
どのように主体性を身につけるべきか
では反応的になるのをやめ、主体的な人間になるにはどうすればよいのでしょうか。『7つの習慣』の中では、しっかり習慣を身につけるための実践のヒントまで提示されています。
自分や周りの人の言葉に耳を傾ける
まずは自分や自分の身近な人が使っている言葉を聞いてみましょう。何か起きたときに発せられる言葉は、反応的なものと主体的なものに明確に分かれます。
反応的な言葉
- 自分にはできない
- あの人のせいだ
- それをやらなければならないのか
- 〜さえ持っていれば
…etc
主体的な言葉
- 他のやり方を探そう
- 気持ちを抑えよう
- 〜のほうがよい
- 自分が〜しよう
…etc
反応的な言葉には、状況や他人から行動を強要されていたり、自分の行動を制限してしまっているのがわかると思います。
身近な問題を選んでみる
公私で抱える問題を選び、それが自分が直接的または間接的にコントロールできることなのか、それともコントロールできないものなのかを判断しましょう。簡単に分類すると以下の通りです。
直接的にコントロールできるもの: 自分の行動
間接的にコントロールできるもの: 他者の行動
コントロールできないもの: 過去や動かせない事実
その上で、自分の「影響の輪」内でできることを一つだけ決め、実行にうつしましょう。このプロセスを経るだけで、これまでとは違った問題解決ができるはずです。コントロールできないことに無駄な時間や労力をかけて疲弊するよりも、自分ができることにのみ焦点を当て、小さな一歩を積み重ねていけばよいのです。
そして、この繰り返しが「主体的である」ことにつながります。
30日間テスト
主体的であること、つまり「影響の輪」の内側のことだけを考えるということを、30日間続けてみましょう。自分や他人との約束を守るという誠実さが試されます。
主体性の本質は、「決意し、約束をしてそれを守る能力」だと言います。
人生の主導権を握るためにも、まずは小さな約束でもいいので、それを守ります。目標を立てて、それを達成する努力をします。
ここで重要なポイントは、他者の欠点を責めない、自分の欠点を正当化しない、間違えは認め、正し、教訓を得る、ということです。
これらを意識して生活に落とし込むだけで、あらゆる悩みやストレスに対する向き合い方が大きく変わるでしょう。主体性を身につける、それこそが自分の人生に真の意味で責任を持つということです。
第1の習慣「主体的である」を行動にうつす
『7つの習慣』の第1の習慣「主体的である」ことに学ぶべき、明日からはじめたい行動内容は、
直近で自分が抱える問題を一つ選び、それがコントロールできるかできないかを判断する
です。
先ほども述べましたが、まずが自分の身近な問題で考えてみるのが、簡単な第一歩です。責任の所在を外部ではなく、自分の内部に探す。そうすれば、自分がすべき行動は見えてくるはずです。
最後に
この第1の習慣に「7つの習慣」のエッセンスが凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。まずはこの土台を築くことで、他の習慣が生きてくるのです。
「反応的ではなく主体的」「関心の輪よりも影響の輪」それがわかっているだけでも、自分の人生に及ぼすポジティブな効果は計り知れないものとなるでしょう。
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