アフターコロナの世界を考えるための10冊の本

アフターコロナについての本10冊

新型コロナウイルスによってもたらされた大きな変化によって、今後の未来がいっそう不透明なものになりました。そして次のような問いを多くの人が抱えることになったと感じます。

・コロナで暮らしや働き方はどう変わっているの?

・コロナ後の世界はどうなるのか?

・これから個人に求められる知識や能力はどのようなものか?

そんな疑問への答えを見つけるため、「アフターコロナ」関連の書籍を片っ端から読み続けました。ここではアフターコロナの世界を生きるための示唆に富んだ本の中から10冊を厳選して紹介します。

各論客の意見がまとめられたインタビュー本も多数ありますが、多様な主張に触れ、今まで知らなかった知性に出会えるという魅力があります。新書という形をとったものも多く、各分野の入門的な内容になっています。

ちなみに、ここでいう「アフターコロナ」は、新型コロナウイルスの終息後を表すだけでなく、長期化するコロナ禍での生活「ウィズコロナ」やこれまでとは異なる状況が常態化する「ニューノーマル」なども含んだ広義の意味だと思っていただければと思います。

1. コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

コロナ後の世界を語る
コロナ後の世界を語る

『コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線』は世界中の著名人22人の新型コロナウイルスについての論考がまとめられた本です。本書のポイントは22人の意見という多様性はもちろん、その顔ぶれにあります。

世界的に最も影響力を持つ生物学者で『銃・病原菌・鉄』の著者ジャレド・ダイアモンド、『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ、国際政治学者のイアン・ブレマーなどの意見はコロナ後の世界を考える上で外せません。さらには養老孟司さんやブレイディみかこさん、坂本龍一さんなどのインタビューも含まれており、幅広い分野からの切り口でアフターコロナが語られています。今後世界はどうなっていくのか、日本に残る課題は何か、個人としてこれから何をすべきかを考えるのに絶好の「教材」となります。

著者:朝日新聞社・編
出版日:2020/8/11
出版社:朝日新聞出版

2. コロナ後の世界

コロナ後の世界
コロナ後の世界

『コロナ後の世界』は最高峰の知性と言える6人のインタビューをまとめた一冊です。元々は新型コロナウイルスの感染が顕在化する前に行われたインタビューをもとに今後の世界に関する展望がまとめられたものですが、2020年5月から6月に追加インタビューが行われているためコロナ後の世界に知っておくべき内容に再編集されています。

生物学者のジャレド・ダイアモンドなら『銃・病原菌・鉄』、人材・組織論の権威であるリンダ・グラットン『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』と、各オピニオンリーダーの代表作を土台としてコロナ後の世界についての論考がまとめられています。新型コロナウイルスにあえてポジティブな面を見出すなら、深く考えるきっかけを与えてくれたことだと6人が満場一致したように、本書はこれから生きていくにあたって塾考すべきテーマが詰まっています。

著者:大野和基
出版日:2020/7/20
出版社:文藝春秋

3. 変質する世界 ウィズコロナの経済と社会

変質する世界 ウィズコロナの経済と社会
変質する世界 ウィズコロナの経済と社会

『変質する世界 ウィズコロナの経済と社会』は現代社会の問題をさまざまな切り口で取り扱う月刊誌『Voice』の5月から8月号で取り上げられた各専門家15人による論考がまとめられた本です。本書の特徴は新型コロナウイルスのその後というよりは、長期化するこの状況を「ウィズコロナ」「ニューノーマル」という言葉とともに焦点を当てている点です。

「withコロナ」という概念をいち早く発信した安宅和人さんは今後のトレンドとして「密の回避」を挙げています。人類学者の長谷川眞理子さんは「自粛」という曖昧な言葉を使う政府と、周りに同調して行動する個人との関係に疑問を投げかけます。作家の瀬名秀明さんは、真偽が問えない情報に振り回され、不安に襲われて行動を起こす人々に危機感を抱きます。「ウィズコロナ」を一定期間経験した読者が、改めてそのような問題点を自分事として考え直すことがより良い未来につながるはずです。

著者:Voice編集部
出版日:2020/7/15
出版社:PHP研究所

4. 命の経済 パンデミック後、新しい世界が始まる

命の経済 パンデミック後、新しい世界が始まる
命の経済 パンデミック後、新しい世界が始まる

欧州最高峰の知性といわれるジャック・アタリ氏が今回のパンデミックの総括と、未来の展望をまとめたのが『命の経済 パンデミック後、新しい世界が始まる』。感染拡大後の各国の対応や感染症の歴史を振り返ること、人々の暮らしや働き方に起きている変化を客観的に理解することは有効であると知ることができる内容です。

中でも、今後パンデミックを乗り越えて人々が健やかに生活するための「命の経済」は特筆すべきアイデアです。もう以前の状態に戻ることは不可能という立場を取りながら、これからも向き合うべきより大きな問題を包括的に取り扱った「アフターコロナ」の必読書です。

著者:ジャック・アタリ
出版日:2020/10/15
出版社: プレジデント社

5. アフターコロナの生存戦略

アフターコロナの生存戦略
アフターコロナの生存戦略

『アフターコロナの生存戦略』は日本マイクロソフト代表取締役社長を務めた成毛眞さんが、アフターコロナの世界での生き方のヒントをまとめた本です。新型コロナウイルスによって加速した変化を拒むのではなく、積極的に楽しむことがアフターコロナを謳歌できる人の条件だと主張します。

前半では新型コロナウイルス感染拡大によってダメージを受けるビジネス分野や、今後併せて備えるべき天災のリスクなどについて言及されています。そして趣味を仕事につなげるコツや溢れる情報の見極め方など、これからの時代には欠かせない生き方のヒントを学ぶことができます。

著者は日本マイクロソフト代表取締役社長を務め、投資コンサルティング会社の株式会社インスパイアや書評サイト「HONZ」を開設した成毛眞さんです。

著者:成毛眞
出版日:2020/11/12
出版社:KADOKAWA

6. ポストコロナの「日本改造計画」

ポストコロナの「日本改造計画」
ポストコロナの「日本改造計画」

『ポストコロナの「日本改造計画」』は、元国務大臣を歴任した経済学者・竹中平蔵さんによるのポストコロナの展望がまとめられた一冊。新型コロナウイルスによる現状や過去の感染症の歴史を振り返った上で、これからやってくるデジタル資本主義について解説されています。

デジタルシフトをリードする国々と、対応が遅れる日本とを比較し、今後日本が進むべき方向が具体的に提示されています。特に「ポストコロナ構想会議」の設置と、そこで話し合われるべき「無形資産への投資強化」「ビッグデータの扱い」などの課題は一考の余地があるでしょう。在宅勤務やオンライン教育などより身近な視点でも、ポストコロナの世界が語られています。

著者の竹中平蔵は小泉内閣の経済財政政策担当大臣就任を皮切りに金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣などを歴任し、現在東洋大学教授、慶応義塾大学名誉教授を務める。

著者:竹中平蔵
出版日:2020/7/30
出版社:PHP研究所

7. コロナ後の新ビジネスチャンス

コロナ後の新ビジネスチャンス
コロナ後の新ビジネスチャンス

『コロナ後の新ビジネスチャンス』はあらゆる分野の経営者や専門家16人のコロナ後の世界に対する予測がまとめられた一冊です。新型コロナウイルスによって壊滅的なダメージを受けた観光業や飲食業から、今後の成長性が再確認されたオンライン関連の業界まで多様な視点での論考を読むことができます。

本書最大の特徴は、今まさにビジネスの最前線でコロナ禍と戦う論客たちが生きた知見を語っている点です。新たな環境での人々の生活の変化から読み取るビジネス目線での洞察、今後の予測、アイデアなどには目を見張るものがあります。ビジネスパーソンが危機を乗り切るため、あるいは一生活者としてこれからの暮らしを考えるための助けとなるはずです。

著者:「THE21」編集部
出版日:2020/8/22
出版社:PHP研究所

8. ポストコロナ期を生きるきみたちへ

ポストコロナ期を生きるきみたちへ
ポストコロナ期を生きるきみたちへ

『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』は中高生を中心とした10代の若者を主な対象にしたアフターコロナの生き方の本です。本書で「穴だらけのチーズ」と表現されているように、30代から70代までのあらゆる世代の多様な専門家からぞれぞれ違った切り取り方の未来予測が語られた論集。編者・内田樹さんによる20人の選出は幅広い興味を刺激されます。

「こう生きろ」ではなく「これについて考えてみて」というように、これからを生きる上で考えるべき重要な問いが詰まっています。正解のない問題に対する答えの出し方、自由を奪われたことに対抗心を持つべき理由、コロナ後もやってくるより大きな災害について。致命的な問題に正面から向き合ってこれなかった大人の世代の悔しさに満ちたメッセージを、あなたはどう受け取りますか?

著者:内田樹 (編)
出版日:2020/11/11
出版社:晶文社

9. ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか

ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか
ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか

「出勤する必要がなくなり、こんなに高い家賃を払う必要はないのでは?」と考えた人も多いでしょう。コロナウイルスの感染拡大を機に普及したリモートワーク、あらゆる生活がオンライン化によってまさに家選びの価値基準がコロナ前後で変化したと教えてくれるのが『ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか』です。

子持ちの40代女性の家庭、彼女を持つ20代の男性のモデルを用いて、具体的な住居エリアや価格相場にも言及し、読者にとって最適な暮らし方を考える手助けとしてくれる内容です。職場との距離が最優先だったコロナ前と比較し、より快適に住める条件や複数拠点も念頭に置いた新しい暮らし方についての理解を深めることができます。

著者:長田英知
出版日:2021/2/19
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

10. 日本の論点2021~22

日本の論点2021~22
日本の論点2021~22

日本のブレーンとも言える大前研一さんが、一年間を振り返り主な出来事とその後の展望をまとめた内容になっています。最新版の『日本の論点2021~22』でも「日本編」と「世界編」に分けて、目の前の情勢から長期的な課題まで、あらゆる問題を取り上げています。著者の論考から、うわべだけの情報を読み取るのではなく、その裏に隠された問題点まで見抜く考え方を学ぶことができるのが本書最大の魅力です。

安倍政権やトランプ政権の総評や、米国や中国などを含む世界情勢などを俯瞰して全体像を理解できるよう解説されています。また今後個人が生きていくための示唆にも富んでいます。新型コロナウイルスによって加速するDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代に必要な「会社に依存しないキャリア形成」や、危機に強いリーダーの素質などは参考になる人も多いでしょう。

著者:大前研一
出版日:2020/11/28
出版社:プレジデント社


これらアフターコロナ関連の書籍を読むと、これから向き合うべき問題は新型コロナウイルス発生以前にも見られたものであり、そのような課題がより顕在化したにすぎないということがよくわかります。一方で、今回のパンデミックが、より大切なことを考える機会となったことも事実です。

常により長期的な目線で、より高い視座で物事を考える習慣をつけていきたいものですね。

それでは楽しい読書ライフを!

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