【『7つの習慣』第3の習慣】「最優先事項を優先する」とは?

第3の習慣 (7つの習慣)

前回までは、『7つの習慣』の土台となる習慣である、第1の習慣「主体的である」第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」を紹介しました。そして今回は、「7つの習慣」前半部分の指摘成功の最後のステップである第3の習慣について解説していきたいと思います。

第3の習慣は第1の習慣と第2の習慣を土台として機能するものなので、まだ読んでいない方はそちらからはじめていきましょう。

この第3の習慣「最優先事項を優先する (Put First Things First)」は、いかに行動を起こしていくかという実践的な習慣だと言えます。特にビジネスパーソンや何か目標を成し遂げたいような人には、共感を呼ぶ部分です。

ではさっそく、第3の習慣「最優先事項を優先する」とはどのようなもので、どうすればその習慣を身につけることができるかを簡単にまとめていきたいと思います。

優先順位を明確にする

第1の習慣で、いかに自分との約束を守るかという誠実さ、ひいては主体性が重要であることがわかりました。第2の習慣では、自分のあるべき姿を思い浮かべ、日々その理想に向かって生きていく方法を学びました。

そして、その頭の中で考え抜いた理想や信念をかたちにするのが、この第3の習慣です。第2の習慣で紹介した「すべてのものは二度つくられる」という考えで言うと、第3の習慣は物的創造である第二の創造に当たります。

では、自分が思い描いた長期的なビジョンに基づいて、日々たゆまずに自分の一日を有意義なものにするために必要なことはなんでしょうか。

それは、第3の習慣のタイトルどおり、「最優先事項を優先する」ということです。そのためには優先順位を明確にし、強い意志を持ってそれを実行していくことが求められます。しかし、それは簡単なことではないことをみなさんも知っているのではないでしょうか。

なぜなら、そのような生き方ができていれば、自分の思い描いたゴールに順調に向かっている証拠だからです。その人の人生は不満を持つことなく充実なものでしょう。一方でそう上手くはいかないという人は、このような悩みを抱えています。

  1. 優先順位を決められない
  2. 優先順位に従って計画を立てられない、または計画しようという意欲がない
  3. 計画に従って行動するように自分を律することができない

あなたも思い当たる節があるのではないでしょうか。

しかし、いずれの問題も、そもそも一つ目の「優先順位を決められない」という問題に結びついているのだと、本書では主張されています。

それではここで、基本的な優先順位のつけ方を見ていきましょう。ここが、第3の習慣の最も重要なポイントです。

緊急と重要を間違えない

自分がやるべきことをリストアップしたときに、最優先すべきものはどのようなものでしょうか。ここで多くの人は、「緊急なもの」と「重要なもの」を混同してしまいます

  • すぐにメールを返信しなければ
  • 締め切りに間に合わせなければ
  • 急に入った会議に参加しなければ
  • 今夜も付き合いで食事に行かなければ

このようなことは、一見その日中にこなさなければならないタスクのように思えてしまいます。しかし、これらは緊急性はあっても、本当にあなたにとって重要なものでしょうか。

この緊急性と重要性を軸にした時間管理のマトリックスが、『7つの習慣』では導入されています。ここではやるべきことが四つの領域に分類されます。それぞれの領域に振り分けられる例を見てみましょう。

時間管理のマトリックス (7つの習慣)
参照: 本書『7つの習慣』p.200

領域 I (緊急、重要): 危機への対応、差し迫った問題
領域 II (緊急でない、重要): 人間関係づくり、新しいチャンスを見つけること、準備や計画、心身のリラックス
領域 III (緊急、重要でない): 飛び込みの用事、多くのメール・電話、多くの会議、無意味な接待や付き合い
領域 IV (緊急でない、重要でない): 取るに足らない仕事、暇つぶし、快楽を求めるだけの遊び

人はついつい緊急なもの(領域I・III)を優先してしまいます。これらは重要か重要でないかは関係なく、受動的に反応することによって、いつの間にか取り組むことができてしまいます。

あなたのここ数日で、どの領域に時間を使っていたかを振り返ってみましょう。きれいに領域 IIが抜けている人も少なくないのではないでしょうか。

一方で、重要であるにもかかわらず緊急性が低いものだと、やらなくても生きていくことはできるので、ついおろそかになってしまいます。これを実行していくには、第1の習慣や第2の習が土台となった主体性や意志が求められます。

第3の習慣では、いかにこの領域 IIにかける時間やエネルギーを増やせるかということが大事なポイントです。これが長期的に見ればあなたの人格を育むもととなり、人生を豊かにしてくれます。そのために必要なことが二つあります。

一つは、やるべきでないことに勇気を持って「ノー」と言うことです。

ためらわずに「ノー」と言うためには、それよりも強い「イエス」、もっと大事なことが、あなたの内面で燃えていなくてはならない。多くの場合、「最良」の敵は「良い」である。

この言葉の通り、自分にとっての領域 IIが明確になっていてはじめて、その他の領域を省いていくことができます。

そこで二つ目は、自分にとっての領域 IIを考えてみるということです。本書では二つの質問が問いかけられています。

現在はしていないが、もし日頃から行っていれば、あなたの私生活に大きくポジティブな結果をもたらすと思うことを一つ挙げるとしたら、それは何だろうか?

同様に、あなたの仕事や専門分野で、ポジティブな結果をもたらすと思うことを一つ挙げるとしたら、それは何だろうか?

この答えこそがあなたにとっての「緊急ではないけど、重要なこと」つまり領域 IIなのです。

1週間計画を立てよう

では領域 IIの優先事項が明確になったら、具体的にどのように実行していくべきかを見ていきましょう。長期的なビジョンに基づいて目標を達成するためには、日々の積み重ねが重要だということは言うまでもありません。

ここで推奨されているのが、1週間単位でのスケジュール管理です。そのステップを完結にまとめたのが以下です。

①自分の役割を明確にする

第2の習慣でミッション・ステートメントを作成する際に、自分の人生における役割を明確にしたのと同様です。私生活においては、父/母・夫/妻などの役割があるかもしれませんし、職場では経営者・マネージャー・専門家・改革を起こす若手などの役割を持っているでしょう。趣味のコミュニティやオンラインサロンなどでの役割ももちろん含まれます。そのような場面ごとの役割を書き出してみましょう。

②役割ごとに目標を書く

次にその役割ごとに1週間で達成したい目標を1~2つずつ設定しましょう。これは第2の習慣で作成したミッション・ステートメントと結びついているとなお良いものです。

③スケジューリングする

目標が決まれば、一日ごとにスケジュールに組み込んでいきましょう。ここでのポイントは、詰め込みすぎないことです。スケジュールをタイトにしてしまうと、かえってストレスになってしまうからです。また、その一日の中での優先順位も明確にしておきましょう。どれも大事に思えるかもしれませんが、しっかりと自分の中で優先すべきものを把握しておくことが必要です。

④スケジュールされた優先事項を見直す

毎朝数分でいいので、優先順位のついたスケジュールを見直していきましょう。1週間のうちで思い通りにいかないことや、用事が入ることもあるかもしれません。スケジュールを詰め込みすぎないのがポイントなのも、ここで柔軟に対応できるようにしておくためなのです。

⑤評価する

1週間が経ちました。それで次の1週間に向かう前に、一度直近の1週間を振り返ってみましょう。そしてどの程度目標が達成できたかを評価していきます。ここで自分の約束を守り抜く誠実さが確認できるでしょう。結果に応じて、次の1週間の目標を修正していきます。

以上が最優先事項を優先する上で、実際に必要な計画の立て方と実行の仕方です。

最後に

まずは優先順位を明確にする。そして領域 IIが明確になったら、実際に行動にうつしていくというのが第3の習慣でした。そうは言っても日々決めたことを淡々とこなしていくのは簡単なことではありません。ときにくじけそうになることもあるでしょう。そのような場合は、第1の習慣や第2の習慣という土台が揺らいでいる可能性があります。そんなときは、自分の主体性や自分にとって本当に大切な価値観を見直すために、何度でも第1の習慣や第2の習慣に立ち返りましょう。

第3の習慣「最優先事項を優先する」を行動にうつす

『7つの習慣』の第3の習慣「最優先事項を優先する」ことに学ぶべき、明日からはじめたい行動内容は、

自分にとっての「緊急でない重要なこと」を明確にする

です。上記でも述べたように、一度時間をとってこの質問に答えてみてください。日々の忙しさに隠れている、自分の奥底に眠る価値観に触れてみましょう。

  1. 現在はしていないが、もし日頃から行っていれば、あなたの私生活に大きくポジティブな結果をもたらすと思うことを一つ挙げるとしたら、それは何だろうか?
  2. 同様に、あなたの仕事や専門分野で、ポジティブな結果をもたらすと思うことを一つ挙げるとしたら、それは何だろうか?

『7つの習慣』専用の1週間スケジュールのフォーマットなどは本書にも記載されています。より忠実に本書に沿って計画を立ててみてはいかがでしょうか。