なぜ読書をすると頭が良くなるのか?

読書をすると頭が良くなる理由

読書をすると頭が良くなるってホント?

そんな疑問を持った方に、頭が良いとはどういうことか、読書によって養われる思考力とはどのようなものかを解説していきたいと思います。

結論から言うと、「読書をすると頭が良くなる」というのがぼくの意見です。ではなぜ読書をすると頭が良くなるのでしょうか。それは読書によって5つの思考力が養われるからです。

「頭が良い」の定義

図書館の本棚

頭が良いと一言でいっても、社会の中ではさまざまな意味合いで使われています。例えばこんな定義づけができるでしょう。

・豊富な知識を持った「クイズ王」的な頭の良さ

・会話の中で気の利いた返しをする「頭の回転が速い」頭の良さ

・理路整然とした会話や文章から見れる「論理」的な頭の良さ

これらは全く別の能力であるにも関わらず、人は一言で「頭が良い」とまとめてしまいます。どれも重要な能力ですが、これらはすべて読書によって身につけることができます。

上記の「頭の良さ」を言い換えるなら、知識を身につけ言葉を研ぎ澄まし論理的思考力を鍛え上げる。それは読書によって可能となります。そしてその3つの要素に加えて、プラス2つの能力を養うことができるのが「読書をすると頭が良くなる」という主張の根拠です。

本を読むと頭が良くなる理由

それでは「なぜ読書をすると頭が良くなるのか?」について、具体的に読書によって養われる5つの能力とともに解説していきましょう。

1. 豊富な知識を身につけることができる

本が詰まった本棚と扉

上述した「頭が良い」の定義の一つ「豊富な知識を持った『クイズ王』的な頭の良さ」に該当するのが、豊富な知識です。読書の最大のメリットとしてイメージしやすい要素でもありますが、やはり読書はする分だけ知識が蓄積されていきます。

自分が興味のあるテーマの本を読めば、その専門的な知識が身につきます。さらに読書の良いところは、思ってもみなかった知識と出会えることです。当然ですが、本はたった一つの知識が書いてあるわけではありません。世界史の本の中には日本史も含まれているかもしれませんし、冒険小説を読んでいたら動物の生態系について学べることもあるかもしれません。

この読書で豊富な知識が身につくことが、頭が良くなるとされる大きな理由の一つです。

2. バリエーションに富んだ語彙力や表現方法に触れることができる

カラフルなアート

会話の中で気の利いた返しをする「頭の回転が速い」頭の良さに当たるのが、読書することで学べる豊富な語彙力や表現方法です。基本的な語彙や表現から、ウィットに富んだものまで多様に学べます

本を読んでいくとこのような語彙や表現の引き出しが増えていき、それが自分でも使えるレベルになると、会話や文章の中で自分でも気の利いた言葉を扱えるようになっていくのです。

3. 論理的思考力が鍛えられる

論理的な説明が書かれたホワイトボード

理路整然とした会話や文章から学べる「論理的な頭の良さ」も読書によって養うことができます。なぜならたいていの本は論理的に書かれているからです。

誰でも発信ができる今の時代、SNSをはじめネット上には論理的に不確かな文章が溢れていることは言うまでもありません。作家でもない一個人が発信しているものは、論理的な整合性がなくて当然でしょう。

一方で出版された書籍というのは、一定のクオリティーが保証されているといえます。例外もありますが、だいたいはプロの作家が生み出した文章を、プロの出版社がチェックをしているので、論理的な文章に仕上がります

そんな論理的な文章を多く読むことで、自分の中でも論理的な文章とはどのようなものかが頭に蓄積されていきます。はじめは「この文章なんかおかしいな」と思うようになり、やがて自分でも論理的な文章を書いたり話したりできるようになります。

このような論理的思考を効果的に学びたい場合は、それをテーマにした名著もいくつかあるので、それを読むとよいでしょう。論理的思考力は頭の良さの根底にある能力といえますが、それが読書によって身につくならば本を読まない手はありませんよね。

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4. 全体の要点をつかんでまとめる要約力が向上する

デスクに貼られた付箋

読書で養われる能力の一つが全体の要点をつかんでまとめる要約力」です。これは意識的に本を読まないと身につかない能力ですが、「全体としてどういう本か」「どこが最重要ポイントか」と自分に問うことで要約力が鍛えられます。

読書ノートなどをつけている方は、この要約力が養われている傾向にあります。そしてこの要約力はあらゆる場面で応用して使うことができます。学校の講義、会社の会議やプレゼンなど「全体を短く本質的にまとめる」力は重宝されます。

積極的に意識しないと身につかないものですが、読書によって頭が良くなることを期待する人はぜひとも身につけたい能力です。

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5. 自分の頭で考える批評力が研磨される

拡声器で話す人

なぜ読書をすると頭が良くなるのか、その答えの最も核心的な部分が「自分の頭で考える批評力」が鍛えられるからだと思います。別の言い方をすれば、本に書いてある内容に対して自分の意見を持つことです。

批評力は必ずしも「批判」を意味しません。考えた上で自分も同じ意見を持つことが大いにあるでしょう。自分の頭で咀嚼して、賛成か反対か、なぜそのような意見に至ったのかを考えることが重要です。

この批評力に関しては注意点があります。本に書いてある内容を鵜呑みにし続けるような本の読み方をすると、この批評力はまったく養われないどころか、逆に衰退していってしまいます。

ドイツの哲学者・ショウペンハウエルは読書を批判的に見た上で、このような言葉を残しました。

読書は、他人にものを考えてもらうことである。

これは本を読んで他人の意見を受け入れるあまり、自分の頭で考える機会が減ってしまうことを危惧して生まれた言葉でしょう。しかし、ひとたび本の内容に対して疑いや疑問を抱き、それを自分で考えることができれば、それは絶好のトレーニングの場となります。

本を読むとき、まずは疑う姿勢を持つ。そしてその内容に対して自分はどう思うのか、なぜそう思うのかを考える癖をつけましょう。

これが「読書をすると頭が良くなる」という意見を支える最大の根拠です。

まとめ

・「頭が良い」の3つの定義:「クイズ王」「頭の回転が速い」「論理的」
・この3つは読書で養うことができる
・豊富な知識、語彙力や表現方法、論理的思考力が身につく
・さらに要約力や批評力も鍛えることができる

「なぜ読書をすると頭が良くなるのか?」という質問には、以上でまとめた能力が養われるからと答えることができます。

読書によって鍛えられるどの力も、意識的に読むことが重要です。「読書をすると頭が良く」ということに否定的な人がいるとするなら、その人は何も考えずに読書をしている可能性があります。

読書は楽しむことも重要ですが、養うことができる能力は意識してみるとお得です!

それでは楽しい読書ライフを!

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