「一万円選書」の全て【応募方法から実際に選ばれた本まで】

いわた書店の一万円選書というサービスを知っていますか?

・「本を何から読めばいいかわからない」初心者
・「自分に合う作家をもっと知りたい」中級者
・「まだ知らない面白い本があるなら知りたい」上級者

あらゆる読書家一人ひとりに合った本を選んでくれるのがいわた書店の一万円選書です。

なぜそんなことが可能なのかというと、その秘密はオリジナルの選書カルテにあります。それをもとにこれまで一万人以上に選書をしてきた店主が、ていねいに本を選んでくれるのです。

しかしそれだけクオリティーの高いサービスです。いつでもうけられるというわけではありません。応募の中から当選した人のみが受けられるサービスです。

ここでは実際にいわた書店の一万円選書に当選した僕が、応募方法から当選倍率選書カルテの内容実際に受け取った選書本などを紹介したいと思います。

いわた書店の一万円選書
実際に受け取った一万円選書の本です。中身は少し下で紹介しています!

一万円選書とは?

北海道の砂川という町に佇むいわゆる「街の本屋さん」であるいわた書店が提供する選書サービスです。応募して当選すると送られてくる特製の選書カルテに、自分のこれまでの読書歴や人生について聞かれたことの答えます。その回答をもとに、店主の岩田徹さんがじっくりと1万円分(約10冊)の本を選んでくれるのです。

このいわた書店の一万円選書の料金ですが、なんと無料です。書籍代と送料のみなのです。時間をかけてたった一人のために選書するというサービスに対しての料金がかからないのは、岩田さんの「おもしろい本を書いた作家からもらったパスを読者につなげる」という想いから生まれた方針でしょう。

一万円選書の倍率はどれくらい?

そんな人気サービスの一万円選書ですが、当選倍率はどれほどでしょうか。直近の応募は1年分で3,701通だったそうですが、選ばれるのは月に100人前後です。つまり年間1,200人の人が当選すると考えると、約3人に1人くらいは当選することになります。

すごく高いとはいえないかもしれませんが、諦めるような確率ではないですよね?過去には7000人の応募の年もあったそうなので、年によって当選率は変動しそうですが、諦めずに毎年応募することが当選への近道となりそうです。

そしてその応募期間ですが、いつでも受け付けてもらえるわけではありません。

一万円選書の応募方法

一万円選書の応募期間は、1年で一度の期間しかないので要注意です。2021年度は10/1~10/7の一週間応募期間が設けられました。

先着順ではないので、応募期間内に慌てずに応募しましょう。

また選書サービスの対象は高校生以上となっています。これは選書を担当する店主が、お客さんに最適な本を選ぶためだそうです。例えば子供向けのおすすめの絵本を知りたい場合は、もっと絵本に詳しい本屋さんなどに聞いてもらいたい、と割り切っているわけですね。

▶︎いわた書店の一万円選書申し込みページはこちら

当選から本を受け取るまでの流れ

応募すると、あとは当選の連絡を待つのみです。応募は年に一度ですが、抽選はその中から毎月行われます。そしてその月に当選した人は、当選メールを受け取ります。そのメールにはいわた書店特製の「選書カルテ」が添付されています。

その選書カルテの中で以下のような質問に答えていきます

・これまでに読まれた本で印象に残っている本BEST20をお教え下さい。・お仕事

・最近気になった出来事・ニュース

・よく読む雑誌

・年齢、家族構成、お仕事の内容、これまでの人生でうれしかった事、苦しかった事等を書き出してみてください。

・何歳のときのじぶんが好きですか?

・上手に歳をとることが出来ると思いますか?もしくは、10年後のあなたは
どんな人になっていますか?

・これだけはしないと心に決めていることはありますか?

・いちばんしたい事は何ですか?あなたにとって幸福とは何ですか?

これらの質問を見てわかるように、かなり具体的で本質に迫るような内容です。決して誰かと同じになることはないので、選ばれる本たちもあなた一人のためのチョイスとなるのです。あとは自分がどれだけ正直に、そしてどれだけの深さで答えるかによって、本当に自分に合う本が選ばれるかが決まると言えるでしょう。

回答の分量は指定がないので、自分が好きな程度書くことができます。

このカルテを前にすると、不思議と素直に自分の思っていることを書けるんですよね。なにか「自分の思いや悩みを受け止めてくれる」そんな選書をしてくれるはずだという安心感がありました。

そしてカルテを書き終わったら、メールもしくは郵送で送り返します。ブックカバーや本を読むときの珈琲などのオリジナルグッズも、このカルテ内で注文することができます。

本を読むときの珈琲
いわた書店特製の「本を読むときの珈琲」を一緒に購入しました!

人によって異なるかもしれませんが、そのカルテを返送してからどれくらいの期間で返事が来るのかというと、僕の場合は1ヶ月弱くらいでした。岩田さんからの熱いメッセージとともに、時間をかけて選び抜かれた本のリストが送られてきます。

その後案内に従って書籍代の振り込みとなります。もし選書リストに既読本があれば、それも伝えることで、代わりの本を選んでもらえます。どこまでも親切ですね。

振り込み後数日すると書籍発送のメールを受け取り、あとは、どきどきわくわくとともに本の到着を待つだけです!

実際に一万円選書で送られてきた本

一万円選書で選ばれた本

僕が実際に受け取った一万円選書の本がこの9冊です。実は最初に選んでもらった本の中で既読本があったので、新しい本に差し替えてもらったものもあります。多くの人への選書をしなければならないのに、とてもていねいな対応でした。

まだ全ての本を読んだわけではないですが、一通り目を通したところ、やはり間違い本しか選ばれてない印象を受けます。何より早くも自分に最適だなと思う本ばかりです。

当選できなかった人へ

惜しくも当選の連絡が来なかった方でも、次にとるべき行動がいくつかあります。

あきらめずにまた次の応募期間を見逃さないようにしましょう

②店主の娘さんが行っている「いわたま選書」というサービスも利用できます

③ツイッターなどで「#一万円選書」と検索すると、当選者が一万円選書の本の写真を投稿していたりします。ずっと見ていると、一万円選書の定番が結構見られたりするので、気になる本を自分で買ってみるのも手です。

岩田徹さんによる著書『一万円選書』には、惜しげもなく、80冊以上ものブックリストが公開されています。僕が受け取った本もその本に載っていたので、かなり質の高い読書案内本と言えます。

一万円選書のまとめ

熟練の店主が手間暇かけて自分一人のために選んでくれるという極上のサービス。しかもどれも間違いない良書ばかりです。一万円選書サービスを利用したい方は、とにかく年一回の応募を見逃さないことです。例年10月の最初が応募期間なので、今から次の10/1あたりのカレンダーに予定として記入しておきましょう

また先ほど紹介したように、落選してしまった方でも、一万円選書を味わう手段はあります。ぜひ参考にしてみてください。

▶︎いわた書店の一万円選書申し込みページはこちら

それでは楽しい読書ライフを!

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