落合陽一さんのおすすめな本7冊+落合さんが推奨する7冊

落合陽一 おすすめ本

ここでは落合陽一さんの全著作を一覧して紹介するとともに、特にオススメな本をピックアップしていきます。「落合陽一さんが気になっていた」という方も、「一冊読んだけど少し難しかった」という方も、ぜひ以下のおすすめ本リストを参考にしてみてください。

さらに、落合さんが推奨する「テックを知る7冊の必読書」も紹介します。落合さんの思想をより深く理解するために役立つ本となるでしょう。

落合陽一さんってどんな人?

メディアアーティストとして、もしくは大学教員として知られる落合陽一さんは、活躍する分野が広すぎて肩書きを定義することにあまり意味はないように思えます。落合さんはTwitterのプロフィールで自身をこのように紹介しています。

落合陽一 Twitterプロフィール
落合陽一さんのTwitterプロフィール (2020年12月時点)

現在は教育者として筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長を務める一方で、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の代表としても活躍しています。さらには内閣府運営の各委員に参加し、国に対する提言を行う立場にも立っている人物です。

自身で撮影した写真や独自の世界観で綴られる言葉をnoteで発信したり、2020年半ばにはYouTubeチャンネル「落合陽一録」を開始しています。また生涯学習を目的としたオンラインサロン「落合陽一塾」を運営していることでも知られています。

落合陽一さんの著作一覧

1. 『魔法の世紀』(2015)
2. 『これからの世界をつくる仲間たちへ』(2016)
3. 『超AI時代の生存戦略 – シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』(2017)
4. 『日本再興戦略』(2018)
5. 『デジタルネイチャー: 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』(2018)
6. 『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書』(2018)
7. 『日本進化論』(2019)
8. 『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』(2019)
9. 『働き方5.0: これからの世界をつくる仲間たちへ』(2020)

その他、共著として堀江貴文さんとの『10年後の仕事図鑑』(2018)、猪瀬直樹さんとの『ニッポン2021-2050』(2018)などがあります。

落合陽一さんのオススメな本

1. 働き方5.0: これからの世界をつくる仲間たちへ

働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ

『働き方5.0: これからの世界をつくる仲間たちへ』はもともとは2016年に出版された『これからの世界をつくる仲間たちへ』が新書化した本です。タイトルの「働き方5.0」とは「AIやロボットが幅広い分野で進化し、人間とともに働いていく時代」を指します。新書化に伴い、新型コロナウイルスに関する記述も追加されていますが、より大きな流れとして捉えるべきは本書の核であるAI以後の世界についてです。

テクノロジーが急速に発展している世界が今後どのように変わっていくのか。それは人間にしか見出せない価値に目を向け、それを高めていくべきだと教えてくれるのが本書です。「英語」や「プログラミング」能力のような表面的なスキルやテクニックではなく、より上層の思考を鍛える重要性を説いたビジネス書が『働き方5.0: これからの世界をつくる仲間たちへ』です。

あすどくくん
落合陽一さんの著書の中でも最も読みやすいのが『働き方5.0: これからの世界をつくる仲間たちへ』だと感じます。最初に読むべき一冊としておすすめです。

2. 魔法の世紀

魔法の世紀

『魔法の世紀』は2015年に出版された落合陽一さんの処女作です。落合さんの主要な研究分野がよくわかる作品で、著者自身も最初の一冊はこれを読んでほしいと言っているのを聞いたことがあります。タイトルの「魔法の世紀」は21世紀を指す一方で、20世紀を「映像の世紀」として比較しています。

20世紀はラジオやテレビなどが普及し、マスメディアが不特定多数の人々に一方的に情報発信をしていました。戦時中の「国のためには戦争は必要だ」というようなメッセージも一例でしょう。しかし21世紀である現代では、SNSなどに代表される双方向でリアルタイムな情報発信が可能になりました。つまりコミュニケーションの形が根本から変化したのです。

これが「魔法の世紀」の身近な例ですが、高度化したテクノロジーがもたらすものはもっと多大で、テクノロジーがリアルにより自然に溶け込んだ世界「デジタルネイチャー」の到来を本書では予期しています。「コンピュータと人間の相互関係は避けられないものだから価値観を見直そうよ」という現代の必読書です。

3. デジタルネイチャー: 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂

デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂

『デジタルネイチャー: 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』は『魔法の世紀』の流れを汲む正統続編的な一冊。『魔法の世紀』から提唱されてきた「デジタルネイチャー」という概念がメインテーマとなっています。

本書では、機械と人間が融合しているデジタルネイチャーに至るまでの歴史と、そのような未来では何が起こるのかを紐解いています。テクノロジー的な側面での変化と、人間社会にもたらされる変化 (働き方など)の両面で語られます。「計算機と自然」「”近代”の超克」「多様性 (ダイバーシティ)」。そこには落合さんの他の著作やNewsPicksなどのメディアで語ってきたことの核が見られます。

あすどくくん
正直「素晴らしい本だった」と言えるほど読み解けた自信はありません。それでも頭を使ってわからないことをわかろうと考える姿勢は大事であり、そんな貴重な機会を与えてくれる本でもあります。

4. 2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

出版された2019年に話題となった『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』では、発売日を後ろ倒しにしてまで綿密なファクトチェックや情報の参照元の精査が行われました。単なる地政学の資料集ではなく、落合さんの知見がふんだんに盛り込まれたテクノロジーやSDGsなどを軸にした世界情勢が解説されています。

目の前の日々に忙しい現代人にとって世界や遠い未来に興味を持つことは簡単ではありません。しかし落合さんが「遠くから見る視点」の実用性を主張するように、SDGsに含まれるような世界共通の問題や2030年という具体的なゴールを認識することで、今の自分に生活を客観視することができます。

「世界の人口ピラミッド」の推移や「ハイテク都市マップ」などの地図やグラフを眺めるだけでも、世界の状況を知る手助けとなります。貧困などをテーマに話し合われる池上彰さんとの対談なども本書の目玉と言えます。

5. 超AI時代の生存戦略 シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

テクノロジー(落合さんが言うところの「計算機技術」)が発展した「超AI時代」を生き残る上で何をすれば良いか、そんな漠然とした不安に向き合うための一冊が『超AI時代の生存戦略 – シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』です。

本書の注目キーワードは落合さんが提唱するAI以後の生き方「ワークアズライフ」です。2045年にはシンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれる転換期がやってくると言われています。「ワークライフバランス」という仕事と生活を切り分ける言葉が世の中では浸透していますが、今後人間と同じ働き手になる機械とは異なる価値を見い出すためには「ワークアズライフ」つまり生活するように働くことが重要になります。

機械は何のストレスもなく淡々と働きます。人間もそれに近いメンタルで、かつ人間にしかないモチベーションを付加する生き方が求められます。「好きなことを仕事にするのが好ましい」という主張は「ワークアズライフ」を実現するためには不可欠なのです。そんな新しい時代の生き方のヒントを具体的に与えてくれるのが『超AI時代の生存戦略 – シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』です。

6. 日本再興戦略

日本再興戦略

多くの人が落合陽一さんを知るきっかけにもなったNewsPicksの「Weekly Ochiai」。その中では「教育」や「アート」などさまざまなテーマで議論が繰り広げられますが、その総集編とも言える一冊が『日本再興戦略』です。

日本は戦後の高度成長などにより一気に先進国の仲間入りを果たました。一方で近年では長い間停滞し、少子高齢化やテクノロジーの遅れなど多くの問題を抱えています。そんな中でも一度過去の価値観を見直し、再び日本を好転させるための論点が日本有数のブレインである落合陽一さんよって綴られています。

幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんとのタッグで作られた魅力的な本ですが、著者が「書き直したい」という旨の発言をしていることから、その執筆のスピード感ゆえに著者自身の満足度は高いものではないかもしれません。しかしテーマの網羅性と本質を考えると、今後の日本を考える身として『日本再興戦略』は是が非でも読んでおきたい一冊です。

7. 0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書

0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書

『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』はタイトルの通り子どもだけではなく大人までを対象にした「生涯学習」について語られた本です。100歳まで生きる人生でどう学んでいくべきかを考える大人にも、子どもをどのように育てるべきかに悩む親にも役立つ内容と言えます。

「英語やプログラミングは幼少期から学ぶべきか」というような具体的な疑問に答えるQ&A形式の第1章をはじめ、STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Mathematics+Art)をテーマにした考える力・感性の養い方などを含む第3章は必見です。また特に興味深いのは第2章で語られる「落合陽一という人間がいかに形成されたか」という著者の学びの生い立ちです。

落合陽一さんがオススメする7冊の本

『NewsPicks Magazine Autumn 2018』に収録された「ニューエリートの必読書500」の中で、落合陽一さんが「テックを知る7冊の必読書」として紹介されている本がこちらです。

日本語翻訳がまだされていない本もありますが、『NewsPicks Magazine Autumn 2018』ではそれぞれの本が落合さんによって解説されています。気になる方はこちらをどうぞ。

1. 深層学習

深層学習

著者: Ian Goodfellow/Yoshua Bengio/Aaron Courville

2. テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか?

テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか?

著者: Kevin Kelly

3. サイバネティックス 動物と機械における制御と通信

サイバネティックス 動物と機械における制御と通信

著者: Norbert Wiener

4. 幸せな未来は「ゲーム」が創る

幸せな未来は「ゲーム」が創る

著者: Jane McGonigal

5. Spatial Augmented Reality: Merging Real and Virtual Worlds

Spatial Augmented Reality- Merging Real and Virtual Worlds

著者: Oliver Bimber/Ramesh Raskar

6. The Laws of Simplicity

The Laws of Simplicity

著者: John Maeda

7. Designing Interactions

Designing Interactions

著者: Bill Moggridge

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