柔軟な頭を取り戻そう!【アタマの体質改善】

アタマの体質改善

“社会人になってたるんだのは、お腹じゃなくて頭かもしれない”

この言葉にドキッとして手にとった本が、『アタマの体質改善』です。最初に読んだのは出版された2014年ですから、もう結構前ですね。

社会人になったり新しい仕事を始めたりすると、最初は教えてもらうことを覚えるのに必死で、自分の頭で考えて動く、ということをついつい忘れてしまったりします。

また商品企画や広告マンのように、常にアイデアを出す必要のある環境に身を置かない限り、想像力をフル稼働させることはあまりないのではないでしょうか。

しかし、頭というのは使わないとどんどんかたくなってしまいます。考える力も衰えてしまいます。どんなときでも柔軟な思考ができるような頭を持っていたいですよね。

本書『アタマの体質改善』には、日常に簡単に取り入れることができる思考トレーニングの方法が45個紹介されています。

その中で個人的に惹かれた、そして実践にうつしている厳選の3つの思考トレーニング法を紹介したいと思います。

『アタマの体質改善』はどんな内容?

広告会社で「コミュニケーション・デザイナー」という肩書きを持つ著者の武藤新二さんは、自分の仕事環境をこのように表現しています。

ここぞという本番で、アタマをフル稼働させ、質の高いアイデアや企画が量産できること。そんなアタマの体質であるように、いつも維持しておかなければいけないのです。

そんな著者が紹介する、思考力・発想力を鍛え、頭を柔軟に保つトレーニング方法を45の視点から紹介するのが本書です。慣れた生活を淡々と過ごしているだけでは、体と一緒で頭はどんどんたるんできてしまいます。そこで日常のちょっとしたところにこの思考トレーニングを取り入れることによって、自分の頭で考える力と柔軟性を高めようというビジネス書です。

この思考トレーニング法の特徴は、「日常の行動に、小さなプラスをするだけでできること」と「日常のスキマ時間に、道具も場所も選ばずできること」です。今すぐ無理なく始められる内容なので、ぜひ参考にしてみましょう。

柔軟な思考トレーニング

1. 「定番」を避ける

自動販売機で飲み物を買うとき、コンビニで食べ物を買うとき、レストランでメニューを選ぶとき、ついつい「ハズレない」定番なものを選んでしまいませんか。

本書では自動販売機で、自分が買おうとしているものの隣のボタンを押す、という例が挙げられています。言うのは簡単ですが、いざ実行しようと思うと、意外と勇気がいるものです。

定番に安住し、「これはこう」「当たり前」と先入観や常識にとらわれて、疑いもしなかった、そんな自分の行動範囲と視野の狭さに気づかされます。

ここで重要なポイントは「なぜ」を問う機会が増えるということです。新しいものに出会う数が増えますから、「なぜ今回はこれを選んだんだろう」「なぜ今まではあれを選んでいたんだろう」「なぜこの商品はこんな形や色をしているんだろう」と疑問を持つことができます。

この「なぜ」によって、その商品の特徴が抽象化されて、本質が見えるようになります。

  • 新しいものを選ぶ
  • 「なぜ」を問う

これだけであなたのアタマの柔軟性はかなり改善されることでしょう。ぜひ試してみてください!

2. 普遍と不変を探す

本書では、ヒットしている商品やサービスの二つの「ふへん」を探すことが重要だと述べられています。つまり誰にでも理解できるシンプルな「普遍」とどんな時代にも変わらず受け入れられる「不変」です。

アイデアや企画を考えるときに最も大切にしているのは、できるだけ多くの人たちに受け入れられる「共通項」を見つけ出す、ということです。

アイデアや企画を考えるときにこの普遍と不変を考えることは、ヒット商品にするためには重要だと言います。これは思考トレーニングにも応用できることで、それを日々続けることによって、いざというときのアイデアにつながるのだと言います。

もちろん表面だけを切り取って上部だけを真似しても、しかたがありません。それはありふれた、つまらないアイデアとなるでしょう。

昔から(そしておそらくこれからも)変わらない要素は何か、なぜ万人受けしているのか、という抽象化的な思考がここでも求められます。この本質をいかして、自分なりの切り口を+aとして付け加えれば、それはオンリーワンのアイデアになるはずです。

常に人気なものに目を向けて、「なんで人気なんだろう」と考える癖をつけましょう。

3. あいまいな言葉を使わない

これはいかなる場面でもできる思考トレーニングです。

ぼくたちはついつい、料理を食べて「おいしい」と言ったり、俳優を見たり車を見たりして「かっこいい」という言葉を使いがちです。

しかしこれは、しっかり自分の言葉で考えることを放棄しているだけではないでしょうか

まずは、自分の感想について、「何が」「どう」「なぜ」そうなのかを考えて言語化することが重要です。

またこれはコミュニケーションの場でも絶大な効果を発揮します。

例えば、

旅先で見た夕焼けが美しくて感動したことを伝えたいとき、「美しかった」「感動した」と言うだけでは、あまり共感を得られないでしょう。あなたの言葉ではないからです。

一方で、

「ふだん風景写真など撮らない私が、何十回もシャッターを切った」と言えば、その場の臨場感も自分の想いも伝わりやすいのではないでしょうか。

つまり、そのときに具体的に自分が感じたことや行動したことをそのまま伝えれば、そのエピソードは自分だけのオリジナルストーリーになるのです。

ありきたりの言葉に頼って安易に発するのではなく、一拍置いてそのとき感じたことや自分のとった行動を思いかえし、エピソードとして伝えることが大切です。
「かわいい」「かっこいい」「おもしろい」「すごい」「おいしい」といった形容詞のひとことが思わず頭に浮かんだときが、エピソードに変える合図です。

明日からはじめよう!

本書『アタマの体質改善』から学ぶべき、明日からはじめたい行動内容は、

自分だったら買わないものを買ってみる

です。

上記の柔軟な思考トレーニングの一つ目で紹介した「定番を避ける」ですが、これは手に取るように頭がぐにゃぐにゃになっていくのがわかる方法です。しかも簡単です。

最初は好きでもない飲み物やお菓子を手に取るのは抵抗があるでしょう。しかし、アタマの体質改善は、身体と一緒で、一日二日でできるものではありません。日々の積み重ねが、大きな結果となるのです。

次に自動販売機やコンビニ、レストランに行くときには、試してみてください!

他にも学べること

□アイデア量産の方法

□相手の本音の引き出し方

□編集能力の身につけ方

etc.

このアイデア力や柔軟性は、どんな仕事をしていようが関係なく必要な要素です。本書の45のトレーニングの中で、あなたにぴったりの思考法が見つかるはずです。

ぜひマンネリ化した日々を抜け出したい方にはおすすめの一冊です!

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