吉祥寺といえば、よく東京で「住みたい街1位」として名前が上がったり、井の頭公園などで有名ですが、実は吉祥寺は本の街でもあります。
紀伊國屋書店やジュンク堂書店など大きな本屋も店を構える一方で、吉祥寺は古本屋の宝庫です。
特に小説・文学好きな僕にとっては、たまらない古本屋があちこちにあります。
静かな書店でひそひそと本を選ぶのが好きな僕ですが、今回は、吉祥寺でお気に入りの小説・文学好きな方におすすめの古本屋さんを一挙に紹介します。
また紹介している古本屋7店をすべてはしごするためのおすすめの回り方ルートも掲載しています。
国内外問わず同時代の小説、ちょっと古い文学作品などが好きな方にはきっと気に入ってもらえるはずです。
著者紹介/あすどくが吉祥寺の古本屋をおすすめする理由
僕は古本が好きで、特に東京のさまざまな街を訪れては、古本屋を探してきました。
特に日本とアメリカの小説が好きなのですが、そのようなジャンルの本をいい感じに陳列している古本屋はそれほど多くありません。
周囲の本好きの友人や、Xのフォロワーさんに聞いても、自分好みの古本屋はなかなか見つかりませんでした。
そこで自分の足でとにかく探し回ろうと決心し、数多くの古本屋や古本イベントを訪ねて回っています。
その中で吉祥寺はやはり特別な街であり、やはり街の古本屋を少しでも盛り上げることができたらな、という思いで今回吉祥寺でおすすめの古本屋を紹介させてもらいます。
また別の機会で東京全体で厳選した古本屋特集もまとめられればと思います。
本の街・神保町 vs 吉祥寺

古本の街といえば、同じ東京でも神保町を想像する人が多いと思います。
たしかに古本屋、古書店の数は神保町が圧倒的です。僕もしばしば訪れます。
しかし神保町は、江戸時代の古書を集めたような、かなり古い本を扱っているお店も少なくありません。
僕が求めているような現代的な文学やその他の小説を探そうと思うと、神保町ではいつも入る店は4~5店に限られます。
そういう意味では、今回紹介する吉祥寺の古本屋7店舗は、小説・文学の一定以上の在庫を持っているので、実質的に多くの小説好きの好みに合う古本屋の数は、吉祥寺はあの神保町に匹敵するほどの水準といえるでしょう。
吉祥寺の古本の魅力

・何度行っても知らない本との出会いがある
・新刊書店では出会うことのできない絶版本がある
・安い!
吉祥寺の古本屋の魅力は簡単に言うとこんな感じです。
まず素晴らしいのが、各古本屋が吉祥寺駅から徒歩5分圏内くらいに集まっていて、はしごしやすいのです。
駅の北側と南側(井の頭公園側)とで分かれるのですが、ほとんどが駅を中心として歩いてすぐの場所です。
他の点では吉祥寺に限らず古本屋全体に言えることですが、しかし吉祥寺の古本屋さんは本当に何度行っても飽きません。
買取や在庫整理に力が入っているのか、月に一度くらいの頻度で行っても好みのジャンルに新しい本が入っていることが多いです。
また一般の新刊書店ではまず見ることのできない、絶版本を手に取って見ることができるのも魅力です。
ネットではしばしば法外な値段設定の古本が見られますが、ここで紹介する吉祥寺の古本屋は、だいたいは良心的な値段が付けられています。
ときには「えっ、この値段でいいんですか?」という掘り出し物に出会えることもあります。
本の状態も、一冊ずつチェックされているためか一定水準以上のものがほとんどな印象です。
小説・文学好きにおすすめの吉祥寺の古本屋 7選
吉祥寺のおすすめ古本屋① 百年 (規模: 大)

まず吉祥寺でおすすめしたい古本屋の一つが「百年」です。
古本好きには有名だと思いますが、この店名がまず雰囲気がありますよね。
僕はこの名前から勝手にガルシア=マルケスの傑作『百年の孤独』を連想してしまいます。
ここは建物の2階にあるため、外からだと少し見つけづらいですが、階段を上がって店に入ると、想像以上の本が並んでいます。
店内は緑色の本棚が特徴的です。
ちょうど入口側の最初の本棚に文庫の小説が並んでいます。

すぐにきれいに並んだ岩波文庫やが目に入ってくるので、好きな人はすぐに「気が合いそう」と思うはずです。
そしてその奥の壁面の棚には、小説や文学関連の単行本が並びます。
ここにある小説や論集などは絶版本もちらほらあって、たまりません。
僕はアメリカ文学関連の本が目に入ると嬉しくなります。
個人的な思い出ですが、最初に訪れた時に、文庫本の棚の入口側の脇にアメリカ文学者の柴田元幸さんが編集する『モンキービジネス』の欲しいバックナンバー(もちろん絶版です)があって即購入したのを覚えています。
それ以来、百年は大好きな古本屋になりました。
また自費出版としては異例のヒットになった小原晩さんのエッセイ集『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』が、今では商業出版バージョンしか見ることができませんが、百年ではいち早く私家版を取り扱っていたのが印象的でした。
入口入ってすぐの平置きの新刊コーナーでは、このようなまだ有名になりきる前の作品が並んでいます。
これも他の書店にはない百年が持つ大きな魅力の一つです。
| 百年 | |
| アクセス | 吉祥寺駅北口から徒歩3分 |
| 住所 | 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10 村田ビル2F |
| 営業時間 | 12:00-20:00 |
| 定休日 | 火曜日 |
| ウェブサイト | http://www.100hyakunen.com/ |
公式Xも頻繁に更新されているので、百年の最新情報はこちらをチェック→https://x.com/100hyakunen
吉祥寺のおすすめ古本屋② 一日 (規模: 小)

吉祥寺駅すぐのほぼ高架下に位置する、黄色い鉄格子が目印の建物に入っているのが古本屋「一日」。
一つ前に紹介した「百年」とどこか似たような空気を持つこの名前ですが、実は一日は百年の姉妹店なんです。
店を入ると展示スペースがあって、そこに隣接して古本が並びます。
本の数は多いわけではなく、文学関連に絞るとかなり少数精鋭という感じです。
しかし選書がなんだかランダムであるような統一感があるような「面白さ」が一日の特徴です。
僕は最初に一日を訪れた際、そのメインの棚に並べられた本の上にちょこんと横向きに置かれた本が好みだったので、この古本屋が好きになりました。安藤宏著『日本近代小説史』という中公選書の一冊です。
そういう運命的な出会いも古本屋めぐりの醍醐味ですよね。
完全に余談ですが、この姉妹店である百年と一日からは柴崎友香さんの『百年と一日』が想起されます(この本もいい本です)。
| 一日 | |
| アクセス | 吉祥寺駅北口から徒歩1分 |
| 住所 | 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-1-3 石上ビル1F |
| 営業時間 | 12:00-19:00 |
| 定休日 | 火曜日 |
| ウェブサイト | http://www.100hyakunen.com/ |
一日の公式Xはこちら→https://x.com/1ichinichi1
吉祥寺のおすすめ古本屋③ 防破堤 (規模: 中)

コンパクトな店構えながら、けっして少なくない小説や文学関連の本が並べられているのが「防破堤」です。
防破堤は、外から見ると古本屋が入っているとは思えない建物の2階にあり、穴場的な雰囲気が魅力です。

店に入ると、吉祥寺の古本屋ではめずらしく店主が「いらっしゃいませ」と声をかけてくれます。
防破堤の最大の魅力は、本をていねいに扱ってくれていて、値段も良心的なところです。
建物の一室の壁面に3面ほどと、それに囲われるように本棚が2-3列並べられてそれぞれ裏表に本が並びます。
現代ものを中心とした小説に加え、文学に関連した思想や哲学系の本も充実している印象です。
個人的な思い出としては、すごく状態の良いフィリップ・K・ディックの文庫が、今の値段の1/3近くで買えたり、貴重な寄稿がある古い文芸誌が300円だったり、とかなり衝撃的なものでした。
本が顕著に値上がりしている今、とてもありがたいことです。
| 防破堤 | |
| アクセス | 吉祥寺駅北口から徒歩5分 |
| 住所 | 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-25-7 中山ビル201 |
| 営業時間 | 12:00-20:00 |
| 定休日 | 木曜日 |
| ウェブサイト | https://bouhatei.base.shop/ |
防破堤の最新情報は公式Xをチェック→https://x.com/bouhateibooks
吉祥寺のおすすめ古本屋④ よみた屋 (規模: 大)

こちらも都内で見ても有名な古本屋ですが、「よみた屋」は吉祥寺に来たらマストで訪れるべきです。
吉祥寺駅から井の頭公園方向に少しだけ歩くと道路沿いに見えてきます。
店の看板に書いてある「女と男と子どものための総合古書店」というキャッチコピーにクスッとしてしまいます。
吉祥寺の古本屋の中では規模が大きめで、幅広い読者層が楽しめるようジャンルも豊富なので、時間をとってじっくり見ることをおすすめします。
小説は、文庫、単行本ともに、国内海外問わず充実しています。
さらに最近、店内の一部制限していたエリアも復旧させ、背の高い本棚とともにさらなるラインナップの拡充がなされました。
自分に刺さる一冊が潜んでいる可能性も高いですし、自分の関心領域を広げてくれる品揃えだと思います。
個人的には最初の訪問時に、講談社学術文庫が充実していたことが嬉しく、当時さまざまな文学作品のベースにある聖書に興味を持っていたので、聖書関連の書籍を買ったことを覚えています。
本の数もそうですが、複数の従業員の方の活気というか古本屋を運営しているのが間近で感じられるのも面白いです。
店主である澄田喜広さんは『古本屋になろう!』『古本屋という仕事』といった古本屋についての本も出しているくらいです。
| よみた屋 | |
| アクセス | 吉祥寺駅南口から徒歩3分 |
| 住所 | 〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-6-10 |
| 営業時間 | 10:00-19:00 |
| 定休日 | なし (年末年始を除く) |
| ウェブサイト | https://yomitaya.co.jp/ |
店主の澄田喜広さんの公式Xでよみた屋の最新情報など発信中です→https://x.com/sumida01
吉祥寺のおすすめ古本屋⑤ 古本センター (規模: 中)

僕はこの「古本センター」が吉祥寺名物の古本屋だと思ってますが、駅前という超好立地でありつつ、入口を見ると初見ではちょっと入るのをためらってしまうアングラ感があります。
ただし店内はけっして緊張感はなく、普通にウェルカムな雰囲気があります。
広いとは言えないスペースに本がぎっしりと積み上がっています。
小説や文学論系の本もかなり充実しており、たとえば、個人的には新品だと手を出しにくいカフカ論の本がかなりお手頃な価格で手に入ったのが、古本センターを好きになったきっかけでした。
掘り出しものに出会える可能性が高い印象です。
古い漫画なども多々あります。
好きな人はかなり好きになる古本屋です。
| 古本センター | |
| アクセス | 吉祥寺駅南口から徒歩1分 |
| 住所 | 〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-2 大竹ビル1F |
| 営業時間 | 11:00-22:30 |
| 定休日 | なし (年末年始を除く) |
| ウェブサイト | https://furuhonsenter.jimdofree.com/ |
最新情報は古本センターの公式Xからどうぞ→https://x.com/furuhonnsenta
吉祥寺のおすすめ古本屋⑥ 外口書店 (規模: 小)

「外口書店」は商店街の中にある、いわゆる街の古本屋さんです。
規模は小さめなのでそれほどラインナップが充実しているわけではないのですが、こちらも掘り出しもの的な出会いがあります。
僕は、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の光文社古典新訳文庫全5巻セットをかなり格安で手に入れました。
次に行ったときも同じセットが売っていて、たまたま買い取ったのか、店主のこだわりで入荷しているのか。
いずれにしても僕にとっては、外口書店は時間をかけてじっくりみるというよりは、吉祥寺に行った時には一度は覗きたい古本屋です。
| 外口書店 | |
| アクセス | 吉祥寺駅北口から徒歩2分 |
| 住所 | 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-14-1 |
| 営業時間 | 10:00-20:15 |
| 定休日 | 火曜日 |
| ウェブサイト | https://sun-road.or.jp/shop/外口書店/ |
吉祥寺のおすすめ古本屋⑦ ブックオフ 吉祥寺駅北口店 (規模: 大)

最後は一応紹介しておくべきでしょう。
街の古本屋という存在を支えてきた「ブックオフ」が吉祥寺にもあります。
その人の興味関心によって本がどれだけ充実しているかは異なるところですが、吉祥寺の古本屋というくくりで見ると、やはり規模自体は大きいです。
正直近年のブックオフは昔のようにお得な掘り出し物が減ってしまった印象はありますが、それでもリアルタイムで売れている本がしっかり棚にある信頼感はあります。
やはりライト層も本を売るとなるとまず思い浮かぶのがブックオフだからでしょう。
| ブックオフ 吉祥寺駅北口店 | |
| アクセス | 吉祥寺駅北口から徒歩3分 |
| 住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-13-2 白樺ビル1F-4F |
| 営業時間 | 10:00-22:00 (年末年始は変更の可能性あり) |
| 定休日 | なし |
| ウェブサイト | https://www.bookoff.co.jp/shop/shop20454.html |
吉祥寺の古本屋のおすすめの回り方
これら吉祥寺の古本屋7軒すべてを回りたい方におすすめの回り方が、
です。
位置関係的に無駄な移動を省いた最適なルートだと思います。
時間があまりないという方は
・百年
・よみた屋
だけでも行ってみてください。
ぜひ参考にしてください。
また古本屋めぐりは歩き回って本気で本を探しているとそれなりにつかれます。
僕は吉祥寺に来たら好物のラーメンは忘れません。
完全におまけですが、美味しいラーメン屋さんも紹介しておくので、腹が減っては戦はできぬ、ということでぜひ参考までに。
・「らぁめん 真風」: 珍しい鯛塩ラーメンというジャンルですが、あっさりしつつ満足感のある一杯です。
・「洞くつ家」: 王道の家系という感じでです。
最後に

以上が特に小説好きにおすすめしたい吉祥寺の古本屋7店舗でした。
上の画像の他に僕がいつも探しているのは、村上春樹、アメリカ文学(サリンジャー、ブローティガン、ヴォネガット、アーヴィング、カーヴァー、フィッツジェラルド、ヘミングウェイなど)、ロシア文学(ドストエフスキー、チェーホフなど)、カフカ…あたりです。
もちろんそれぞれの店が、小説以外のジャンルに興味がある本好きもじゅうぶん楽しめるほど個性的です。
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