『あり金は全部使え』
いかにもホリエモンこと堀江貴文さんらしいタイトルの本だなと思うのですが、まさに今の時代に適したお金の使い方を知りたい人向けの本です。
-なんかあったときのためにお金は貯めておきたい
-節約して貯金通帳見るのが楽しい
-願いが一つ叶うとしたら一生困らないお金がほしい
こんなことを思うことがあるでしょうか?
結構な人が思うこともあると思います。
そんな方にお聞きします。
「なんかあったとき」の「なんか」ってなんでしょうか?
なんのために貯金してるのでしょうか?
すでにそんなに困ってなくないですか?普通に生きていけませんか?
今一度自分の頭でお金のことを考え、お金の価値や使い方を見直す機会を与えてくれるのが本書『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』です。
ものすごいスピードで本を出すホリエモンですが、僕もホリエモンの本は全て読んでいる訳ではありません。
読むべきか、スルーすべきかという判断は「その本がホリエモンの原液に近いかどうか」です。
しばしばホリエモンは自分の根本的な考えや思考を「カルピスの原液」と例え、それを出版社や編集者が薄めて本を出すみたいなことを言います(1から10まで自ら本を書くというコスパの低いことはやらないという人は最近多いのではないでしょうか)。
ホリエモンと親交が深く、彼の思考を一番わかっている編集者の一人に幻冬舎の箕輪厚介さんがいます。
僕は箕輪さん編集のホリエモンの本は楽しみに読ませてもらっています。
『多動力』が代表作ですが、最近『ハッタリの流儀』を出版しましたね!
かなり原液に近い本だなと感じます。
そして本書『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』はというと、出版社はマガジンハウスです。箕輪さんじゃないのか、と思うかもしれませんが、僕も二つのきっかけがあって本書を読みました。
一つはホリエモンと箕輪厚介さんのトークイベント(なぜか『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』のトークイベントなのにホリエモンの対談相手がマガジンハウスではなく幻冬舎箕輪さんw)が開催された際に、箕輪さんが「ぼくにもいろんなホリエモンの本が届いて見てみるけどだいたい同じ趣旨。でもこの本はしっかりした本だと思います」的なことを言っていました。
二つ目は出版社がマガジンハウスだということ。マガジンハウスは何を隠そう箕輪厚介さんの処女作『死ぬこと以外かすり傷』の出版社なのです。目のつけどころが違うと思いませんか。『死ぬこと以外かすり傷』はまさにホリエモンや幻冬舎社長の見城徹さんの原液がミックスされたかのようなイマドキですごく熱い本です(本当におすすめの一冊です)。
では注目すべきポイントに焦点を当てていきましょう!
お金は何のために貯めるんだっけ?
何らかの目的があって、貯めているのは別にいい。でも、特にこれといった使い道がないのに、預金通帳にお金を余らせ続けるのは、本当に愚かしいことだ。 p.23
冒頭でも言いましたが、お金を貯めるのは何のためでしょうか。ここで言いたいことが二点あります。
手段の目的化
まずは手段の目的化であるということ。本来お金というものは何か欲しいものがあって、その対価として払うもの。
つまり何か欲しいものを手に入れるということが目的であるべきですよね。
物理的なものだけじゃなく、学校やスクールまたは旅行や遊びなどがお金のその先にある目的だと思います。
しかし何に使うかも考えず、とりあえずなにかあったときのために貯金しようという人が多いと思います。
貯金するために働く、節約するというようにゴールが貯金になったいる人は結構多いと思います。
しかし、その思考停止が怖いのです。
もちろん貯金しないことがえらいと言っているわけではありません。
自分にとって最適な使い道を考えて、お金を使うことが重要です。
ギャンブルなど、お金を浪費するだけの死に金は意味がありません。
最終的にそのお金を使ったことによって自分に何かしらリターンがある生き金を大事にしましょう。
「将来〜という目的のためお金が必要」「専門技術を身に付けて自分の価値を高めたい」「世界一周して知見を広げたい」
それこそ理想的なお金の使い方ではないでしょうか。
将来のために今動け
お金を将来のために貯めるということは「普通じゃん」と思うかもしれませんが、逆ではないでしょうか?
将来豊かに生きるために、今お金を使って自分に投資をしたり、周りから信用を得たりすることこそ重要なことではないでしょうか?
将来お金だけ貯めて、結局「もう若くないしあれこれできないよな」では意味がありません。
今高齢者はかなりの個人資産を貯めこんでいるそうです。平均3,500万円だとか(大前研一さんの『日本の論点』より)。さまざまな時代の苦労を経験してきたことで、いざというときのために貯金しよう、という想いが強かったのかもしれません。
しかし将来の安定のために、と考えるくらいなら、
そんな不確かであいまいな言葉である「安定」などというものにとらわれないで、やりたいことをやればいいのです。自分のために全力で楽しんだ方が良いと思いませんか。
「なにかあったときのために」という不安は現実のものにならずに終わってしまうことも多々あるのです。
何かに挑戦することで新しい何かを手に入れる、それこそが「将来のため」になるのではないでしょうか。
挑戦するにあたって考えられるリスクをしっかり考えることは大事だと思います。そのリスクを考えて、このくらいの貯金はほしいな、ならわかります。
箕輪さんやけんすうさんはこう言っています。
わかる。全てが最悪の方向に進んだ場合で、これくらいのダメージだと計算しているから、思いっきりフルスイング出来る。 https://t.co/RDYLt7cRuI
— 箕輪厚介 (@minowanowa) August 10, 2019
お金がなくなるよりも、今この瞬間に何かする機会を逃すことの方がよっぽど愚かしいのです。
では何をやりたいのか
人は常に、自分のやりたいことのために生きるべきだ。
何をしたいのか、どこに行きたいのか、何が好きなのか。p.33
「自分が何をしたいのかわからない」「好きなこととか特にないなあ」
最近よく聞かれる悩みだと思います。
たしかにこれまでは安定している会社に入って上司の言うことを聞いていれば、なんとなく仕事もしている感じはあるし、年々給料も上がっていくし、定年まで働けるし、という感じで
「自分がしたいこと・好きなこと」はあまり仕事とは関係ありませんでした。
しかしどんな大きな会社もずっと生き残れるという保証はなく、あなたの仕事自体もいつなくなってしまうかわからないという新時代に最も有利な生き方は、
好きなことややりたいことで生きていくということなのです。
あなたが情熱をもって何かに没頭していれば、絶対に共感してくれる人は出てくるはずです。少数でもその人たちに深く刺さればビジネスになる時代なのです。
そのように好きなこと・やりたいことが明確な人はもうそれをひたすらやり続ければいいのです。遊びだろうが趣味だろうが「有り金は全部使え」ばいいのです。
しかし一方でそれがまだ明確ではない人はまずはそれを見つけましょう。
田端信太郎さんが主催するオンラインサロン「田端大学」ではこんなことが言われていたそうです。
田端さんの12月入学者に向けた言葉が超刺さる…
>What(何をやりたいか?)が、ぼんやりとしてる人はサポートしようがない。
25歳過ぎて、こうでもない、ああでもないと「自分探し」してる連中に親身になるつもりはない。<間違ってもいいから「俺はこの道を行く!」って言えなきゃね。#田端大学
— 小島 悠仁 / 旅人×ライバー (@kjm_you) December 2, 2018
正直すごくグサッと刺さる言葉だと思う一方、気が引き締まる言葉です。
でも25歳すぎていてもまだ自分がやるべきことが見えていない人は見つけるしかないのです。ちょっと遅いかもしれません。でもここで諦めたらきっとこの先後悔してしまいます。あのとき恥を捨てて諦めなくて良かったなと思うはずです。
スタートが遅れてるだけです。この問題にはとことん向き合っていきましょう。
ではどう見つけていくか。これに関してはそれこそホリエモンも箕輪さんも何度となく示してくれています。あとはこれを実行できるかどうかなのです。
「自分探ししてくるわ」と当てもない的外れな海外旅が正解ではありません。
自分と向き合い、好きなことを見つけるコツや考え方を3つ紹介します。
①多動で生きる
もう動きまくって色々試すしかありません。時には興味がないと思ってたことや自分の領域外のことにも目を向ける必要があります。本書でも以下のようにホリエモンは言っています。
面白いことがない、という人は多い。
それはシンプルに、感度が低いからだ。p.49
「やる」ことを重ねていない。「挑み」を実践していない。 p.49
②没頭する
色々試したけどどれもしっくりこないな〜ということをずっと繰り返す人はおそらく何も見つからないはずです。ちょっと触ってわかった気にならずに、少しその根幹が見えるまでは没頭してみましょう。なにか成果を残せたり、自分が得意だなと思うこともあると思います。そうなって初めて「あれ、これ好きかも」と思えてくるものです。
没頭するコツとしては、「己ルール」を作ってその通りに行動することだとホリエモンは言っています。他人の言うことではなく、自分のやりたいようにやるのが1番のモチベーションにつながるのです。自分のルールで動いていると、工夫の喜びや達成感が湧いてきて、没頭しやすくなるというわけです。
③自己分析を甘く見るな
何をしたいのか、何を求めているのか、自分への問い合わせが完成していないところで動きだしても、動きだした「つもり」で留まってしまう。p.69
行動、行動と言っても、やはり自分と向き合うこと自体はとても重要なことです。
そこで有効なのが自己分析です。
「あの就活のときにやる自己分析だろ」
と甘く見る人もいるかもしれませんが、ここで言う自己分析はあのような「やらされ」のものではありません。
正直に自分と向き合って自問自答することが重要です。
ここでポイントは「正直に答えること」と「自己分析の目的を明確にすること」です。
ここでオススメなのが前田裕二さんの『メモの魔力』です。
今売れに売れてる本ですが、売れるのにはやはり理由があります。
「自分のやりたいことがわからない」「この不確実な世の中で、物事の本質を見抜く力を養いたい」などという人にはうってつけの本です。
どんな雰囲気の本か知りたい方はこちら>>メモの魔力 名言集 -前田裕二100の言葉-
お金という誰しもが関心を抱くテーマを切り口に、今後の自分のあるべき姿を見直す機会をくれる『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』。
この本だけではありませんが、これだけのことを考えさせてくれる良書というのは1,500円とか2,000円とかっていうのは安すぎると思ってしまうのです。
このような自己投資的意味合いでのあり金は全部使え、と本当に思います。
これからのお金・自分と向き合いたい方はぜひ手にとってみてください!
それでは!
▽こちらもおすすめ!▽