【書評&要約】地頭力の鍛え方

地頭力を鍛える

『地頭力を鍛える』 細谷功

必読度: ★★★★☆
読みやすさ: ★★★☆☆
専門性: ★★★☆☆
汎用性: ★★★★☆

*必読度(今読むべきか、今後も長く活かせるか)/読みやすさ(内容のわかりやすさ、読みやすさ)/専門性(ある分野での深い知識を扱っているか)/汎用性(さまざまな領域に応用可能か)

【本書の内容】

企業、特にコンサルティング会社の採用現場などでは、単に頭がいい人ではなく、「地頭のいい人」が求められている。
インターネット情報への過度の依存が思考停止の危機を招き、検索ツールの発達による「コピペ(コピー&ペースト)族」が増殖しているいま、「考える」ことの重要性がかつてないほどに高まっているからだ。これから本当に重要になってくるのはインターネットやPCでは代替が不可能な、膨大な情報を選別して付加価値をつけていくという、本当の意味での創造的な「考える力」である。本書ではこの基本的な「考える力」のベースとなる知的能力を「地頭力(じあたまりょく)」と定義している。

では、地頭力とは何か。地頭力の本質は、「結論から」「全体から」「単純に」考える3つの思考力である。すなわち「結論から」考える仮説思考力、「全体から」考えるフレームワーク思考力、「単純に」考える抽象化思考力だ。
この3つの思考力は鍛えることができるものであり、地頭力を鍛える強力なツールとなるのが「フェルミ推定」である。「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」。こうした荒唐無稽とも思える問いへの解答を導き出す考え方のプロセスを問うのが、「フェルミ推定」だ。「フェルミ推定」と呼ばれるのは、「原子力の父」として知られ、ノーベル物理学賞受賞者でもある、エンリコ・フェルミ(1901~1954)に由来する。

本書では、「日本全国に電柱は何本あるか?」といった例題やその解答例から「フェルミ推定」のプロセスを紹介しつつ、「好奇心」「論理的思考力」「直感力」という地頭力のベースとそれらのベースの上に重なる仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考力の3つの構成要素とその鍛え方を解説している。

本書は、季刊『Think!』2007年春号に掲載されて大きな反響を呼んだ「フェルミ推定で鍛える地頭力」をもとに全面的に書き下ろしたものである。本書が対象とするのは、「問題解決」を必要とする業務に携わるビジネスパーソンはもちろんのこと、「考える力」を向上させたいと考える学生なども含めたすべての職業の人である。フェルミ推定による地頭力トレーニングの世界を経験し、「地頭力」という武器を持ってインターネットの情報の大海をうまく乗り越え、読者なりの「新大陸」を発見してほしいというのが、著者から読者の皆さんへのメッセージだ。

(Amazon.jp本書ページより)

とにかく自分の頭で考えて地頭力を鍛える

本書『地頭力を鍛える』は細谷功さんの代表作といえる著作です。細谷さんは考えることの重要性をとてもわかりやすく解説した本をいくつも出版されていますが、本書は読書にあまり慣れていない方が読むのは骨が折れるかもしれません。内容が濃く、学べることが膨大なので読むのに少し時間がかかるかもしれませんが、特にビジネスパーソンにとっては今後も長く役立つはずです。

どんな仕事でも通用する「考え方の本質」を学べる内容なので、時間をかけてでも読むべき本だと感じています。自分の頭を使って考える機会が減っている今だからこそ、地頭力を鍛えることで他人とは違う大きな力を発揮できると、細谷さんは言います。その地頭力を鍛えるツールとして「フェルミ推定」の扱い方も詳しく解説されています

著者である細谷功さんには以下のような経歴があります。

株式会社東芝にて原子力技術者(約8年間)。その後、ビジネスコンサルティングの世界へ (アーンストアンドヤング、キャップジェミニアーンストアンドヤング、キャップジェミニ、ザカティーコンサルティング、クニエ) 以上、細谷功さん公式ウェブサイト「プロフィール」より

細谷さんは「考えること」の重要性をテーマとした著作を数々出版しています。本書『地頭力を鍛える』をはじめ、『具体と抽象』『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』『考える練習帳』などは知るひとぞ知るビジネス書です。

そんな細谷さんが本書で強調するのは考える力「地頭力」の重要性です。

昨今インターネットや検索エンジンの発展で、より簡単にあらゆる情報にアクセスできるようになりました。一方で何でも「答え」が書いてあるインターネットに依存することで、自分の頭で考える機会が減り、思考力が衰退していくと、著者は危惧しています。

とにかく自分の頭を使って考える癖をつけること。場合によっては、検索したがる自分自身をもう一人の自分で後ろから「羽交い締めして」でも仮説を立ててから情報収集や分析を行っていくという「自分の頭で考える」習慣づけが必要である。

地頭力とは簡単に説明すると、「結論から」「全体から」「単純に」考える力です。そんな3つの結論から考える「仮説思考力」、全体から考える力「フレームワーク思考力」、単純に考える力「抽象化思考力」、そしてそれらのベースとなる力をそれぞれわかりやすく解説しました!ぼくはこれを学んでから徐々に、仕事やプライベートでの問題解決のスピードとクオリティが向上していったと実感しています。また、そのような力を鍛えるフェルミ推定についてもわかりやすくまとめたので参考にしてみてください。

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