頭に中にアイデア工場を作ろう!

頭に中にアイデア工場を作ろう!

『アイデアはどこからやってくるのか 考具 基礎編』
加藤昌治

 

前回丸腰で仕事してませんか?では考えるための武器『考具』を紹介しました。本書ではさらにアイデアについて、またはアイデアを作り上げるまでの過程をもっと深く取り上げています。

より具体的「もっと細かく具体的にプロがアイデアを生み出す過程が知りたいな」と思う人にはおすすめです。

序盤に加藤さんはこのように述べています。

 

考えるとは「選ぶ」ことだ

 

つまりアイデアにするための小さな要素を無限の数から選んだり、大量に出したアイデアの中から企画にするものを選ぶという作業が代表的です。

日常生活で最も身近な考える練習はランチを食べるときに選択肢を作るということです。

「いつものアレ」は禁止にしましょう。

選択肢(レストランやメニューの候補)を2つ以上出し、選ぶ機会をつくりましょう。

 

 

アイデアとは?

丸腰で仕事してませんか?に続いて、改めてアイデアについて考えてみましょう。

 

まずそんなにハードルを高く考えないこと。

アイデアは企画の素でしかありません。結果的に起業や問題解決のためになるかもしれませんが、アイデアの段階では妄想で思いつきでテキトーでOKなのです。そして企画のための単なる選択肢だから量をたくさん出します。量がものをいうのでとにかく良いものばかり考えようとせずに、自分ではくだらないと思うものでもどんどん出していくことが重要です。

この段階ではわがままであることで楽しく、広くアイデアを出すことができます。わがままとは私利私欲とは違い、素直になるということです。さまざまな制約や実現可能性をいったん無視します。

これがアイデアをつくる上での基本姿勢です。

 

ではアイデアとはなんなのか?

これは前回もジェームス W.ヤングの言葉を紹介しましたが、何度でも言います。

 

アイデアは既存の要素の新しい組み合わせでしかない

 

そしてそのなかで加藤さんが特に重要視しているのが、新しい組み合わせ方のテクニックより、既存の要素のほうです。

いかに既存の要素を集め、いかにコントロールしていくかです。

 

このアイデアの源泉である既存の要素を分解すると以下の4つに分けられます。

1. 直接体験

自分自身で見て、聞いて、触ったものです。これがやはりキーとなるでしょう。生活そのものにヒントもありますし、旅などの非日常の中にも刺激的な要素を集めるきっかけはたくさん眠っているでしょう。

2. 間接体験

時間は有限な中で時間と空間を飛び越えることができるのがこの間接体験です。他の人のレビューや小説、体験記などあらゆる情報がネットや本からアクセスできるの上に低コストなのが魅力です。ただどの程度信じていいかの判断は重要です。

3. 知識
新聞などのマスメディアなどから得られる単なる情報を指します。

4まだ知らないこと

 

自分の記憶を24時間循環風呂に

集めた要素・記憶をそのままにしておいたのではすぐに忘れしまうし、せっかく新しい要素が頭に入ってきても、記憶の中の要素と結びつかないのでは意味がありません。

つねにそれらの要素を流動的にしておくためには

 

ーできるだけ頻度高く、それぞれの体験・知識を脳裏に思い浮かべる

ーそれぞれの体験・知識に複数のアプローチでたどり着ける

 

という意識が重要です。

ではどうすれば24時間循環風呂のような頭にしておけるのでしょう。

キーワードは「たぐる」です。

 

「たぐる」とは?

アイデアにするために既存の要素を活性化させる手段が「たぐる」です。

「たぐる」を辞書で引いてみると

 

1. 両手で代わる代わる引いて手元に引き寄せる。

2. 物事をそれからそれへと引き出す。一つ一つもとへたどる。

 

とあります。

イメージがしやすいように加藤さんがケーススタディとして実話を紹介してくれています。

 

I. 「たぐる」の発端はとあるコミック。洋服の仕立て職人の話。ここで無性に「仕立て」というコンセプトに惹かれる。

II. そのコミックを通じてスーツに「ナポリ仕立て」なる流派があるのを知った。

III. 仕立て職人たちはどんな裁ちばさみを使っているんだろう?と検索

IV. ネットをふらふらしていたら、某県にすごい爪切りがあることを知る。

V. 自身が割りと爪を伸ばしがち。恥ずかしい思い出甦り…一人赤面。

VI. そして疑問生じる。「人はいったいそのくらいの頻度で爪を切っているんだろう?」

VII. この時点で最も気になっていること。失礼のない範囲で、会う人ごとに聞きまくっている状況。

 

始まりからは半年くらい経っているらしいですが、ここに一連の「たぐる」プロセスがあります。直接体験、間接体験、各種メディアでの知識をたぐり寄せていくことで、自分の中にひとつの「既存の要素」ができあがっていく感じです。

 

ここでもわかった通り、いつでも自分の外と中をたぐれる(アクセスできる)ことが大事なのです。

この「たぐる」を4つに分解した小技を紹介していきます。

 

1. ぶつかる

知らなかったものと出会い、それを一度許容すること。
「へえ」をスルーせず、なにか感じたものがあるはずなのでメモするなど引っかけておきます。
日常の中にこそ探すべきですし、意識的に「今日はぶつかるか」とあまり興味のない本を読んだりすることでも機会は増えるでしょう。

ケーススタディ該当番号: I, II, IV

2. 思い出す

とあるきっかけから過去の記憶が表面化することなどがあるように、自分の内側にたぐることを指します。
なつかしい曲を聞いてそのときの思い出がばーっと流れ出てくるとかありますよね。

ケーススタディ該当番号: V

3. 押さえる

外部にむかって情報を求めていく下調べのようなものです。
ネットや本を駆使してそのテーマや問題に対して軽く全体像を把握します。
ここでのポイントはあくまで軽く。正確な調査というよりはアイデアへのヒント探しが主な目的です。

ケーススタディ該当番号: III

4. 掘る

さらにディープにそのテーマを掘り下げていきます。
幅広い領域でアイデアを出せるのは強みですが、ある分野について深く知っていて突出したアイデアが出せるのも強みです。
加藤さんは早い段階で1つか2つの分野を掘ることをオススメしています。

必ずしも高いコストをかけて専門誌の購読や専門家へのヒアリングなどをする必要はなくて、
とりあえず「なんちゃって専門家」を目指す。
まずは会社の中で一番詳しい人になってしまいましょう。例えば本を20冊読んでもいいでしょう。

ケーススタディ該当番号: VII

 

いかがでしたでしょうか。得体のしれない、天才しか生み出せないと思っていた「アイデア」を身近に感じることができたでしょうか。

具体例やアイデアの増やし方などについても書かれていますが、その説明については本書に譲ることにします。

 

まとめ

ー「いつものアレ」は禁止にする
ーアイデアは既存の要素の新しい組み合わせでしかない
ー自分の記憶を24時間循環風呂に
ーたぐる=ぶつかる、思い出す、押さえる、掘る

 

最後に

簡単に噛みくだくとこうなると思います。「既存の要素」を蓄積し、それをすぐに取り出せるようにしておくということ。日々の「へえ」や疑問を無駄に流さず、メモで保存しておくと同時にそのメモという行為自体で自分の頭に引っ掛けておく。さらに意識して「たぐる」をやっていけば、「今までの自分はいかに何も考えずに日々を過ごしていたんだ」と痛感することは目にみえています。

アイデアが実際に仕事に結びつく人以外にも、頭を働かしておく、柔軟にしておくという意味では「考具」や「たぐる」を意識して日々を過ごしてみるというのはアリなのではないでしょうか。

 

 

 

それでは今日も楽しくいきましょう!