「本が売れない」と嘆かれて久しい現代ですが、それでもヒット作を生み出す編集者がいます。
もはや本の内容が素晴らしければ必ずしも売れるということはなく、いかに読者に届けるかという点も書籍をヒットさせるポイントです。それを理解した上でSNSなどで盛んに発信して、ヒットを連発させる編集者がいます。
今の出版業界の最前線を走る編集者の動向をフォローすることで、本の最新情報だけでなく、世の中のトレンドを把握することもできます。ここでは今フォローすべき編集者を紹介していきます!
1. 箕輪厚介 (幻冬舎編集者)
ここ数年でメディアを盛り上げ、書籍から顔が見える数少ない編集者の一人が幻冬舎の編集・箕輪厚介さんです。もともとは双葉舎に務め、与沢翼さんの『ネオヒルズジャパン』を創刊したことでも知られています。
見城徹さんの『たった一人の熱狂』の編集を担当したことがきっかけで幻冬舎に籍を移し、NewsPicks Bookレーベルを立ち上げ、編集長としてヒット作を量産しました。特徴としては、ビジネスの世界の最前線で活躍する起業家と、彼らのもっとも得意なテーマで本を作るのが箕輪さんです。
箕輪さんが本の執筆を著者にお願いするところから、企画、構成、執筆、カバーデザインなどまで、あらゆる本づくりの過程を発信してくれます。本の作成段階から読者を巻き込むというスタイルを確立した編集者の一人と言えるでしょう。
代表担当書籍:『たった一人の熱狂』(見城徹)/『多動力』(堀江貴文)/『日本再興戦略』(落合陽一)/『メモの魔力』(前田裕二)など
Twitter:https://twitter.com/minowanowa
note:https://note.com/minowanowa
2. 佐渡島庸平(株式会社コルク代表代表取締役社長・編集者)
不況と言われる出版業界でも、そんな雰囲気を感じさせない本づくりをする編集者が佐渡島庸平さんです。講談社にて『宇宙兄弟』『ドラゴン桜2』など誰もが知るヒット作を世に送り出した編集者で、その後講談社を退社し、クリエイターエージェンシーのコルクを創業しました。
漫画だけではなく、平野啓一郎の長編小説『マチネの終わりに』の編集を担当したことでも知られています。コミュニティ運営をテーマとするコルクラボを立ち上げ、さらには自身でも箕輪厚介さん編集で『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE.』を出版。
まだ見ぬヒット作を生み出す瞬間を体感するためには、必ずフォローしておきたい編集者です。
代表担当書籍:『宇宙兄弟』(小山宙哉)/『ドラゴン桜2』『インベスターZ』(三田紀房)/『マチネの終わりに』(平野啓一郎)など
Twitter:https://twitter.com/sadycork
note:https://www.sady-editor.com
3. 竹村俊助 (株式会社WORDS代表取締役・編集者)
中経出版、星海社、ダイヤモンド社で編集やライターとして活躍した竹村俊助さんも今フォローすべき編集者です。2019年に独立し、株式会社WORDS代表取締役を務めつつも最前線で編集や発信をおこなっています。
竹村俊助さんが編集やライティングを担当する書籍を作る過程からツイッターなどで情報発信してくれるので、フォローしておけば話題の本の最新情報をつかむことができます。
また、自ら『書くのがしんどい』を出版したように、プロとしての文章術についても発信するのが竹村さんの特徴です。
代表担当書籍:『メモの魔力』(前田裕二)/『実験思考』(光本勇介)『段取りの教科書』(水野学)
Twitter:https://twitter.com/tshun423
note:https://note.com/take
4. 井上慎平 (NewsPicksパブリッシング編集長)
NewsPicks関連の最新書籍レーベルであるNewsPicksパブリッシングの初代編集長を務める井上慎平さんも注目すべき編集者です。NewsPicksパブリッシングは、2019年4月に「経済だけではつまらない。文化だけでは形にならない」という考えから生まれた「経済と文化の両利き」というコンセプトのレーベルです。
井上さんはディスカヴァー・トゥエンティワンやダイヤモンド社で編集を経て、NewsPicksパブリッシングの立ち上げをリードしてきました。NewsPicks Studios CEO、NewsPicks NewSchool校長などを務める佐々木紀彦さんとともに、話題作を世に送り出し続けています。
NewsPicksパブリッシングとして月に一度、「今すぐ役立つわけではないけれど、10年かけて効いてくるアイデア」というコンセプトでニュースレターも配信しています。
代表担当書籍:『シン・ニホン』(安宅和人)/『D2C』(佐々木康裕)/『編集思考』(佐々木紀彦)など
Twitter:https://twitter.com/inoueshinpei
note:https://note.com/inoueshinpei
5. Chikako Wada/和田史子 (ダイヤモンド社書籍編集者)
話題の書籍を編集しつつ、発信してくれるのがダイヤモンド社 書籍編集局第四編集部 編集長のChikako Wada (和田史子)さんです。人気作家・池井戸潤さんの『ノーサイド・ゲーム』『銀翼のイカロス』を担当し、さらには岩瀬大輔さんの『入社1年目の教科書』、齋藤孝さんの『雑談力が上がる話し方』など50万部を超えるビジネス書を世に送り出してきました。
ダイヤモンド社の話題作の動向を追いたい方は、フォローすることをオススメします。
代表担当書籍:『ノーサイド・ゲーム』『銀翼のイカロス』(池井戸潤)/『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔)/『雑談力が上がる話し方』(齋藤孝)/『采配』(落合博満)など
Twitter:https://twitter.com/kokachi
note:https://note.com/kokachi
6. 乙丸益伸 (編集集団WawW Publishing・編集者)
編集集団WawW Publishingの代表でもあり、今注目すべき編集者でもある乙丸益伸さん。レシピ本大賞受賞書籍『世界一美味しい煮卵の作り方』やブクログ大賞受賞著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』などの編集を手がけるヒットメーカーです。
自分の悩みを起点にした熱量と、市場の需要を見極める冷静さを併せ持つ本づくりのプロと言えます。編集集団WawW ! Publishingとしても、堀江貴文さんの『ハッタリの流儀』で箕輪厚介さんとタッグを組むなど話題も尽きません。
代表担当書籍:『ハッタリの流儀』(堀江貴文)/『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』(紀里谷和明)/『なぜあなたの仕事は終わらない』(中島聡)など
Twitter:https://twitter.com/masumasu_o
note:https://note.com/waww
7. 柿内芳文 (株式会社STOKE代表・編集者)
ツイッターなどで熱心に書籍の紹介などをする編集者・柿内芳文さん。柿内さんは光文社にて160万部を超える大ヒット作『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を担当しました。
その後、星海社にて新レーベル星海社新書の立ち上げに関わり、瀧本哲史さんの『武器としての決断思考』などの名著を担当。さらにはあのベストセラー書籍『嫌われる勇気』や堀江貴文さんの『ゼロ』の編集にも携わった方です。
さらにクリエイターエージェンシーのコルクにて、『インベスターZ』『漫画 君たちはどう生きるか』などの編集も務めました。現在は株式会社STOKE代表として独立しています。
Twitter:https://twitter.com/kakkyoshifumi
代表担当書籍:『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉)/『嫌われる勇気』(岸見一郎/古賀史健)/『ゼロ』(堀江貴文)/『武器としての決断思考』(瀧本哲史)
8. 一ノ瀬翔太 (早川書房編集者)
早川書房にてノンフィクションの編集を務める一ノ瀬翔太さんは、ツイッターで自身編集による新作情報をいち早く発信しています。最近では海外からの訳本である『ディズニーCEOが実践する10の原則』や『ヒトの目、驚異の進化』などが話題になっています。
今後動向を注視したい編集者です。
代表担当書籍:『ディズニーCEOが実践する10の原則』(ロバート アイガー)/『ヒトの目、驚異の進化』(マーク・チャンギージー)/『不道徳な経済学』(ウォルター ブロック)など
Twitter:https://twitter.com/shotichin
まとめ
書籍のトレンドをつかむには、書店を定期的に巡回するのも有効ですが、最前線のプロの情報を浴びることも効率的でオススメです。ここ数年でSNSなどで気軽に発信してくれる編集者の方も増えました。今後も面白い編集者を見つけたら、ぜひ紹介していきたいと思います。
それでは楽しい読書ライフを!